豪州でバナジウム事業を推進するVecco社への出資を拡大

2023 年 3 月 24 日


各 位
会 社 名:出 光 興 産 株 式 会 社
代表者名 :代表取締役社長 木藤 俊一
(コード番号:5019 東証プライム市場)
問合せ先 :経理財務部 IR 室長 茂木 大輔
(TEL : 03 - 3213 - 9307)




豪州でバナジウム事業を推進する Vecco 社への出資を拡大
世界のエネルギー転換に対応し低炭素ビジネスの開発を推進

出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤俊一、以下「当社」
)は、豪州でバナジ
ウム事業を推進する Vecco(ヴェッコ)社(Vecco Group Pty Ltd、本社:ブリスベン)へ 826 万豪ドルを追
加投資しました。昨年 10 月に実施した初期投資と合わせて当社の出資額合計は 1,316 万豪ドルとなり、株式
保有比率は 14.7%となります。当社は本出資を通じてレアメタル事業の知見獲得を推進し、再生可能エネル
ギーの導入促進・低炭素社会の実現に貢献する事業開発を加速させます。


Vecco 社は、豪州クイーンズランド州でバナジウム鉱山と電解液プラントに関するプロジェクト(プロ
ジェクト名:Debella Project、以下「プロジェクト」
)を進めています。プロジェクトでは、バナジウムを
含む鉱石の採掘・五酸化バナジウムへの精製・レドックスフロー電池用のバナジウム電解液生産といった地
産地消のバリューチェーン構築を目指します。Vecco 社は今回の増資で、合計 1,000 万豪ドルを追加で調達
し、資金はプロジェクトの事業化調査、環境承認、精錬・精製試験、鉱区申請費用などに充てられる予定で
す。また、資金の一部は最終製品の研究開発などにも充当されます。


レドックスフロー電池は、エネルギーを電解液に蓄える仕組みの電池です。電池容量の拡大が容易で、長
寿命といった電力系統用の大型蓄電池に適した特性を有しており、再生可能エネルギーの導入促進に寄与す
ると注目されています。


プロジェクトではまず、レドックスフロー電池向けのバナジウム電解液製造プラント(年間生産量約
35MWh)の本年中の稼働開始を目指します。これは豪州初となる商業規模の電解液製造施設となり、建設には
クイーンズランド州政府の推進する蓄電池産業振興策に関連した官民パートナーシッププログラム(Industry
Partnership Program)の支援が決定しています。将来的にはバナジウム電解液の生産能力を年間 350MWh 以
上に増やす予定です。なお、鉱山開発によるバナジウムの採掘開始は 2024 年中を目標としています。


当社は、エネルギーを安定供給する責務を果たしながらカーボンニュートラル社会の実現に貢献するため、
2030 年ビジョンとして「責任ある変革者」を掲げています。また、昨年 11 月 16 日に公表した中期経営計画
(2023~2025 年度)において、2050 年ビジョン「変革をカタチに」を新たに設定しました。脱炭素化に向け
たエネルギー転換の動きが世界的に加速する中、当社は約 40 年にわたる豪州での石炭鉱山操業で築いた事業
基盤を生かし、レアメタル事業への参入と知見獲得を推進しています。化石燃料から再生可能エネルギーへ
の転換をリードする豪州において、日系企業として事業基盤を有することをチャンスととらえ、今後も豪州
のエネルギー転換に積極的に対応していくとともに、低炭素・脱炭素事業の創出に取り組んでまいります。


【参考】2022 年 10 月 26 日付けリリース
豪州でバナジウム事業を推進する Vecco 社へ出資
https://www.idemitsu.com/jp/news/2022/221026_1.html


以上





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