豪州でバナジウム事業を推進するVecco社へ出資

2022 年 10 月 26 日


各 位
会 社 名:出 光 興 産 株 式 会 社
代表者名:代表取締役社長 木藤 俊一
(コード番号:5019 東証プライム市場)
問合せ先:経理財務部 IR 室長 茂木 大輔
(TEL : 03 - 3213 - 9307)




豪州でバナジウム事業を推進する Vecco 社へ出資
高騰が進むバナジウムの安定供給に寄与


出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤俊一、以下「当社」
)は、豪州でバナジウ
ム事業を推進する Vecco(ヴェッコ)社(Vecco Group Pty Ltd、本社:ブリスベン)へ出資※1しました。


Vecco 社は、豪州クイーンズランド州でバナジウム鉱山と電解液プラントに関するプロジェクト(プロジェ
クト名:Debella Project、以下「デベラ PJ」
)を進めています。デベラ PJ は、バナジウム鉱石の採掘・バナ
ジウムを使用したレドックスフロー電池※2向けの電解液生産を行うプロジェクトです。当社は当プロジェク
トにおいてバナジウムの採掘・五酸化バナジウムへの精製・バナジウム電解液の生産を行う地産地消のバ
リューチェーンを構築し、地政学的に安定した豪州でのバナジウムの供給安定化と需要創出に貢献すること
を目指します。


クイーンズランド州政府が 9 月に発表したエネルギー計画(正式名称 Queensland Energy and Jobs Plan)の
下、同州では 2035 年までに再生可能エネルギー比率を 80%まで引き上げることを目標とし(2022 年現在
21%)
、再生可能エネルギー電源の開発・送電網の整備・需給調整を担う電力貯蔵設備といった分野に大規模
な投資が行われる予定です。特に電力貯蔵設備に対しては、州内で産出するバナジウムを活用した大型のレ
ドックスフロー電池の導入が期待されています。


脱炭素化に向けたエネルギー転換の動きが世界的に加速する中、当社は約 40 年にわたる豪州での石炭鉱山操
業で培ってきた事業基盤を生かし、重要鉱物(クリティカルミネラル)鉱山事業への参入と知見獲得を推進
しています。化石燃料から再生可能エネルギーへの転換をリードする豪州において、日系企業として事業基
盤を有することをチャンスととらえ、今後も豪州のエネルギー転換に積極的に対応していくとともに、低炭
素・脱炭素事業の創出に取り組んでまいります。





【プロジェクト概要】
1. プロジェクト名:デベラ プロジェクト
2. 採掘・生産を想定する資源:
主製品:五酸化バナジウム(V2O5)・バナジウム電解液
随伴副生品:高純度アルミナ(HPA)※3
3. 鉱山場所:クイーンズランド州・ジュリアクリーク(タウンズビルから 650km 西)
4.URL:https://veccogroup.com.au/operations/debella-v-hpa-project/




※1今回の出資は、豪州の当社子会社である出光オーストラリア(Idemitsu Australia Pty Ltd、本社:ブ
リスベン)が重要鉱物(クリティカルミネラル)鉱山事業推進を目的として設立した、出光ミネラルズオー
ストラリア(Idemitsu Minerals Australia Pty Ltd、出光オーストラリア出資 100%)を通じて実施しまし
た。


※2レドックスフロー電池
バナジウムなどのイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池です。他の蓄電池が電極の化学変化
で充放電をするのに対し、電解液の化学変化(酸化還元反応)で充放電を行います。電極や電解液の劣化が
ほとんどなく長寿命であり、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性が高く、
電力系統用蓄電池に適した特性を持っています。


※3高純度アルミナ(HPA)
発光ダイオード、時計窓用サファイア等の単結晶材料、高強度セラミックス工具、磁気テープ用研磨材など
に幅広く使用されています。近年では、エネルギー、自動車、半導体やコンピューターなど高い成長が期待
される分野での需要が拡大しています。


【参考】
Vecco 社 概要
名称:Vecco Group Pty Ltd
所在地:40 Creek St, Brisbane City QLD 4000, Australia
代表:Thomas Northcott
事業内容:バナジウム鉱物資源探鉱・生産、バナジウム電解液製造
URL:https://veccogroup.com.au/
以上





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