界面活性剤の皮膚刺激性をコンピュータ計算によって予測する手法を開発

News Release
2023 年 12 ⽉ 25 ⽇


界⾯活性剤の⽪膚刺激性を
コンピュータ計算によって予測する⼿法を開発
〜迅速かつ⾼精度に、シャンプーに汎⽤される界⾯活性剤の⽪膚刺激性を評価〜

美容室向けヘアケア・化粧品メーカーの株式会社ミルボン(本社︓東京都中央区 代表取締役社⻑・佐藤⿓⼆)は、
化粧品の安全性において重要な成分である界⾯活性剤*1 の⽪膚刺激性を、Hansen 溶解度パラメータ法*2(HSP 法)
を⽤いたコンピュータ計算によって予測する⼿法を新たに開発しました。この⼿法を活⽤して、より⽪膚刺激性が少なく安全
な製品の開発につなげていく予定です。なお、本研究の成果は以下の学会にて発表しました。


【外部発表】
発表学会︓⽇本動物実験代替法学会 第 36 回⼤会
発表タイトル︓Hansen 溶解度パラメータを⽤いたヒトパッチテスト結果予測法の開発
発表⽇︓2023 年 11 ⽉ 27 ⽇


【研究の概要】
美容室では、ヘアデザイナーは⼀⽇に何度もシャンプー施術を⾏います。そのため、⼿荒れに悩むヘアデザイナーも少なく
ありません。ミルボンでは、すべての商品について美容室での使⽤を前提とし、毎⽇何度でも安⼼してご使⽤いただける⾼
い安全性を⽬指し、研究に取り組んでいます。この安全性研究の取り組みの中で、これまで眼刺激性について HSP 法を
⽤いたコンピュータ予測計算の研究を⾏い、報告しています。
今回、シャンプーの主成分であり⽪膚刺激性に⼤きく関与するとされる「界⾯活性剤」について、計算によって⽪膚刺激
性を予測評価できると、安全性の⾼いシャンプーを迅速に開発することにつながると考えました。そこで新たに、⾚みを伴う
⽪膚の炎症を評価する⼿法として広く⽤いられている「ヒトパッチテスト*3」について、HSP 法を⽤いた予測計算⼿法の構
築に取り組みました。その結果、シャンプーに汎⽤されている界⾯活性剤の⽪膚刺激性について、⾼い精度で予測すること
が可能となりました。
界⾯活性剤は多くの化粧品に配合される成分であるために、今回⾒出した⽪膚刺激性の予測⼿法は、シャンプーのみ
ならず他の化粧品の⽪膚刺激性予測へも応⽤可能です。この研究成果をヒトパッチテストの補完システムとして活⽤する
ことで、安全性の⾼い製品の、迅速な開発につながると考えられます。


【今後の展望】
安全な化粧品開発のためには、⽪膚刺激性だけではなく、眼刺激性、アレルギーのリスクなど様々な試験で確認するこ
とが⼤切です。ミルボンの製品は、ヘアデザイナーのみならずお客様の⼤切なお肌に触れるものです。皆様に安⼼して美容
を楽しんでいただけるよう、ミルボンでは今後もより安全性の⾼い製品開発を⽬指し、研究に取り組みます。




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《⽤語解説》
*1 界⾯活性剤
⽔と油のように混じり合わないものを、混ぜ合わせるのに役に⽴つ物質であり、多くの化粧品に配合される。シャンプーにおい
ては、主に洗浄成分として配合される。


*2 Hansen溶解度パラメータ法
HSP法(Hansen Solubility Parameter法)ともいう。物質同⼠が互いに溶け合う場合はその性質は似ており、溶けに
くい場合は性質が異なるということを利⽤した物質の評価⽅法。


*3 ヒトパッチテスト
⽪膚刺激性を評価する安全性試験法の⼀種。上腕屈側部または背中に検体を⼀定時間貼り付け、貼り付け部位の⾚
みや腫れの有無によって刺激性を評価する。




■リリースに関するお問い合わせ先
広報室 東京都中央区京橋 2-2-1 京橋エドグラン
TEL 03-3517-3915 FAX 03-3273-3211
株式会社ミルボン/本社︓東京都中央区、社⻑︓佐藤⿓⼆、証券コード︓4919(東証プライム)


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