個人投資家の皆様からのご質問への回答について

2024 年2月 13 日
各 位
会 社 名 ク リ ン グ ル フ ァ ー マ 株 式 会 社
大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番 15 号
住 所
彩都バイオインキュベータ 207
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 安 達 喜 一
(コード番号:4884)
問い合わせ先 取締役経営管理部長 村 上 浩 一
TEL.072-641-8739



個人投資家の皆様からのご質問への回答について

先般、個人投資家の方から脊髄損傷急性期第Ⅲ相試験のトップラインデータに関してご質問を頂きましたの
で、以下の通り回答いたします。
なお、皆さまよりご質問頂きました内容は、引き続き弊社ホームページ上の「よくあるご質問」にまとめて
まいります。
https://www.kringle-pharma.com/faq/
お問い合わせいただく前にぜひご活用ください。




<ご質問>
第Ⅲ相試験の主要評価項目に関して、統計学的有意差が認められなかったが、承認申請にむけて準備を進める
と発表されておりますが、主要評価項目が未達の場合でも承認される可能性はあるのでしょうか?


<回答>
主要評価項目が未達でも承認された事例は、国内でも海外でもあります。脊髄損傷急性期は有効な治療薬が存
在しない状況で、かつ希少疾患でもあるため、当局と承認申請について相談を進めて参ります。



<ご質問>
第Ⅲ相試験の主要評価項目未達のデータで承認申請まで持っていけるのでしょうか?
実際のところ、今回の第Ⅲ相試験の結果(副次のみ有意差あり)を踏まえて承認申請にいける手応えはお持ちで
しょうか?



<回答>
主要評価項目を達成していても承認が認められない(有効性の差に臨床的意義がないとして)こともあるた
め、当局相談後に判明することもあると推測します。当社としましては、今回の第Ⅲ相試験により最も重度な
脊髄損傷患者に対して HGF の有効性と安全性を示すことができたので、承認申請に足る結果であったと考えて
おります。まずは、当局との相談に進めたいと考えます。





<ご質問>
第Ⅲ相試験の症例で CRP 値が高かったのは、交通事故による外傷の患者の方が多かったためと解釈しています
が、予後不良になる基準の CRP 値が 10.41 mg/dl 以上の患者の方で AIS 分類 B 以上へ移行した患者はいらっし
ゃるのでしょうか?またいらっしゃるのであれば、割合はどのくらいになるのでしょうか?


<回答>
必ずしも交通事故の患者の受傷 72 時間の CRP 値が高いわけではなく、交通事故患者でも改善例は認められま
した。一方で、CRP が高値の症例は全例が AIS A のまま治験期間を終了いたしました。



<ご質問>
AIS 分類の A から B への改善は、
「臨床的に意味のある改善」と言えるのでしょうか。


<回答>
第Ⅲ相試験においては自然回復例を出来るだけ除くために、72 時間時点で最も重度な AIS A の頚髄損傷患者
を対象としました。A から B への改善は HGF による二次損傷の抑制や脊髄神経保護効果を示しており、受傷後
早期に投与することや AIS B や C のより損傷が軽度な患者では更に効果が高くなることが推測されます。一方
で、頚髄損傷完全麻痺 A の患者が B の感覚不全麻痺に改善することで、全身の病態や異変に気付くことができ
るようになります。実際に、B の患者は A に対して褥瘡の発生率が低下することが報告されています。AIS A
の完全麻痺のまま慢性期に移行しますと、その後の回復はほとんど見込めませんが、急性期に HGF を投与する
ことで AIS B の不全麻痺に改善できれば、その後のリハビリテーションや将来的には細胞治療により、更に
AIS C 以上に改善する可能性も残されます。従いまして、AIS A から B への改善は、
「臨床的に意味のある改
善」であると言えます。



<ご質問>
通常の承認を目指すのでしょうか、条件付き承認となる可能性はあるのでしょうか。


<回答>
当局との相談次第になると考えます。通常の承認でも条件付き承認でも申請資料は同じですので、当社としま
しては、当局の了承が得られ次第速やかに承認申請できるよう、準備を進めてまいります。



<ご質問>
欧州、米国のデータベースとの比較でも、第Ⅲ相試験の AIS 分類 A から B への改善は、統計学的有意差がある
と言えるのでしょうか。


<回答>
現在まだ解析中でありますが、有意差はつくのではないかと考えております。



<ご質問>
今回の国内第Ⅲ相試験の結果で、米国での臨床開発を進めることはできるのでしょうか。





<回答>
今回の第Ⅲ相試験では、患者背景に関して非常に有益なデータが得られました。今回の結果を参考にして米国
での臨床試験を計画することにより、開発の成功確度を更に高めることができると考えます。一方で、米国で
の脊髄損傷受傷背景は、日本とは異なるところもあるため、プロトコールは全く同じにはならないと考えてお
ります。



<ご質問>
今回の第Ⅲ相試験の結果の学会発表はいつでしょうか。


<回答>
現在、層別解析を進めておりますが、解析結果を集積した段階で論文発表及び学会発表を行う予定です。



<ご質問>
今回の第Ⅲ相試験で、AIS A→B は有意な成果が出たのに、AIS A→C は出ませんでした。慶應大学の岡野栄之
先生のお話では、治療に加えて、リハビリが非常に重要と繰り返し強調されています。今回の治験の期間は、
コロナ禍に重なっていて、素人的な体感でも、ほとんどリハビリは出来ていなかったのではないかと思ってい
ます。コロナ禍のリハビリ実施状況は把握されていますか?そして、それが治験結果に与えた影響について、
どのように社として考えていますか?


<回答>
ご指摘の通り、リハビリは非常に重要です。治験施設には共通のリハビリプログラムを実施するようにお願い
しており、実施されたと考えております。一方で、コロナ禍の医療体制やご家族が面会できない状況が予想も
しない影響を与えた可能性は否定できないと考えております。



以 上





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