当社と慶應義塾大学による共同研究の記事が日経産業新聞に掲載されました

2023 年 12 月5日
各 位
会 社 名 ク リ ン グ ル フ ァ ー マ 株 式 会 社
大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番 15 号
住 所
彩都バイオインキュベータ 207
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 安 達 喜 一
(コード番号:4884 東証グロース)
問い合わせ先 取締役経営管理部長 村 上 浩 一
TEL.072-641-8739



当社と慶應義塾大学による共同研究の記事が日経産業新聞に掲載されました

当社と学校法人慶應義塾(理事長:伊藤公平、以下「慶應義塾大学」 )で進めております重度脊髄損傷
に対する共同研究ならびに当社が創薬開発を進めている HGF について紹介する記事が、日経産業新聞に
掲載されました。現在、
当社が実施している脊髄損傷急性期に対する治験の状況も紹介されていますので、
是非ご覧ください。



■ 日経産業新聞の記事 URL
2023 年 12 月4日(月)
「慶大、脊髄損傷治療で2手法併用」
https://webreprint.nikkei.co.jp/r/F5E892E612A04609B2796ECED0833F0B/



HGF(Hepatocyte Growth Factor, 肝細胞増殖因子)について
HGF は、成熟肝細胞の増殖を促進する生体内タンパク質として日本で発見されました。その後の研究か
ら、HGF は細胞増殖に加えて細胞運動促進、細胞死抑制、形態形成誘導、抗線維化、血管新生など多彩な
生理活性を有し、肝臓のみならず、神経系、肺、腎臓、心臓、皮膚など様々な組織・臓器の再生と保護を
担うことが明らかになりました。
HGF は神経保護作用や軸索伸展作用も有し、神経難病とされる脊髄損傷に対する薬理効果は、慶應義塾
大学医学部生理学教室 岡野栄之教授及び整形外科学教室 中村雅也教授らのグループの研究により明ら
かにされており、新たな脊髄損傷治療薬として、HGF への期待が高まっています。
他方、京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室 平野滋教授らのグループは、HGF の抗線維化
作用に着目し、線維化疾患である声帯瘢痕に対する薬理効果を明らかにしました。HGF には、声帯瘢痕を
端緒として、他の線維化疾患への適応拡大の可能性が期待されています。


iPS 細胞由来神経幹/前駆細胞について
ヒト iPS 細胞(人工多能性幹細胞)に由来し、未分化な状態を保ったまま増殖することが可能な自己複
製能と、中枢神経系を構成する3系統の細胞(ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイト)へ
と分化できる多分化能を併せ持つ細胞です。
現在、慶應義塾大学病院において、
「亜急性期脊髄損傷に対する iPS 細胞由来神経前駆細胞を用いた再
生医療」の臨床研究が実施されております。詳細は、同大学による 2022 年1月 14 日付けプレスリリース
をご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2022/1/14/220114-1.pdf


脊髄損傷について
脊髄の外傷による損傷のことで、受傷原因は平地転倒 交通事故 転落などの順に多いとされています。
・ ・
近年は、人口の高齢化に伴い、転倒による受傷が増加傾向にあります。国内では、年間に約6千人の脊髄
損傷患者が発生しており、慢性期までを含めた患者総数は 10~20 万人と言われています*。
適切な初期治療と専門的なリハビリテーションにより一定の回復が望めますが、運動麻痺や筋の痙性、
拘縮、知覚麻痺、体幹内臓機能不全(膀胱直腸障害、発汗体温調節機能障害、内臓機能低下、呼吸機能低
下)などの複合した重度の後遺障害が残る場合が多く、治療薬の開発が強く望まれています。
出典:Miyakoshi N et al. Spinal Cord 2021 Jun;59(6):626-634.



坂井宏旭ら「わが国における脊髄損傷の現状」(2010)


クリングルファーマ株式会社について https://www.kringle-pharma.com/
当社は「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供
し、社会に貢献すること」を企業理念とし、希少疾病を対象に HGF タンパク質医薬品の自社開発を推進す
るバイオベンチャー企業です。
現在、当社が有する HGF タンパク質医薬品の開発パイプラインでは、脊髄損傷急性期を対象とする開発
と、声帯瘢痕を対象にした開発の2つのいずれもが、それぞれ医薬品開発の最終段階である第Ⅲ相臨床試
験に進んでおります。
当社は、HGF タンパク質性医薬品の社会実装を通じて新たな価値を創造し、人々の健康と幸せに貢献し
てまいります。


以上

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