HGF(肝細胞増殖因子)の再生医療への応用研究に関する共同研究について

2022 年7月1日
各 位
会 社 名 ク リ ン グ ル フ ァ ー マ 株 式 会 社
大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番 15 号
住 所
彩都バイオインキュベータ 207
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 安 達 喜 一
(コード番号:4884 東証グロース)
問い合わせ先 取締役経営管理部長 村 上 浩 一
TEL.072-641-8739


HGF(肝細胞増殖因子)の再生医療への応用研究に関する共同研究について

当社は、国立大学法人京都大学(京都府京都市) HGF の再生医療への応用研究に関する共同研究契約

を締結しましたので、お知らせいたします。

京都大学医生物学研究所・田畑泰彦教授は、生物材料(バイオマテリアル)を応用した再生医療研究の
第一人者であり、当社が開発する組換えヒト HGF タンパク質(開発コード:KP-100)とバイオマテリアル
を組み合わせた再生医療応用に向けて共同研究を開始することとなりました。

再生医療とは、 機能が低下した組織・臓器に対して、 体外で調製した細胞等を投与し組織の機能再生を
促す治療法で、 近年では iPS 細胞等の幹細胞移植療法の研究に注目が集まっています。 再生医療において
バイオマテリアルの重要性が再認識されており、 移植細胞の足場として機能させるだけでなく、 効率的な
標的細胞への到達、 生体内の安定性向上、 徐々に放出する徐放化等の DDS ドラッグデリバリーシステム)

技術と薬剤の併用についても多くの研究が行われています。
HGF は、組織・臓器の再生修復を担う生体内タンパク質であり、様々な疾患の動物モデルに対して HGF
を投与することで機能回復することが報告されています。当社はこれまで、脊髄損傷急性期、ALS、声帯
瘢痕及び急性腎障害を対象に KP-100 の開発を進めてきましたが、今後他の難治性疾患に適応拡大するこ
とを目的として、 バイオマテリアル技術を応用し、 対象疾患に最適で効果的な次世代治療法の探索研究を
推進いたします。

当社は、本共同研究を端緒として HGF の新たな付加価値を創出し、最終的には、有効な治療法が十分に
確立されていない様々な難治性疾患に対する新たな治療薬を提供することを目指してまいります。



HGF(Hepatocyte Growth Factor, 肝細胞増殖因子)について
HGF は、成熟肝細胞の増殖を促進する生体内タンパク質として日本で発見されました。その後の研究か
ら、HGF は細胞増殖に加えて細胞運動促進、細胞死抑制、形態形成誘導、抗線維化、血管新生など多彩な
生理活性を有し、肝臓のみならず、神経系、肺、腎臓、心臓、皮膚など様々な組織・臓器の再生と保護を
担うことが明らかになりました。

バイオマテリアルについて
バイオマテリアルとは、体内で単独あるいは 細胞、タンパク質、核酸、細菌などの生物由来成分と併
用して使用するマテリアルのことです。バイオマテリアル技術(生体組織の形成を促すための足場、細胞
の分化・増殖作用をもつタンパク質や遺伝子などの生物活性を高める DDS 技術など) を活用して、細胞の
もつ生体組織の再生修復力を高めます*。

出典:田畑泰彦「DDS 技術からみた再生医療‐再生治療と再生研究‐」(2015)

クリングルファーマ株式会社について https://www.kringle-pharma.com/
「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、 難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供し、 社会
に貢献すること」を企業理念として、HGF タンパク質製剤の医薬品開発を中心に事業を進めています。現
在、神経難病の象徴的疾患である脊髄損傷急性期と ALS(筋萎縮性側索硬化症) 、及び声帯瘢痕を対象に
レイトステージの臨床開発を推進しています。当社は、HGF タンパク質性医薬品の社会実装を通じて新た
な価値を創造し、人々の健康と幸せに貢献してまいります。

以 上

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