MN-166(イブジラスト)の進行型多発性硬化症を対象としたSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験データ解析結果の論文掲載に関するお知らせ

2020 年 11 月 25 日




各 位
会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 JASDAQ)

東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com



MN-166(イブジラスト)の進行型多発性硬化症を対象とした SPRINT-MS
フェーズ 2b 臨床治験データ解析結果の論文掲載に関するお知らせ



2020 年 11 月 25 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォル
ニア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。 )は、MN-
*1 *2
166(イブジラスト) の進行型多発性硬化症 (進行型 MS) を対象として実施された SPRINT-
MS フェーズ 2b 臨床治験(以下「SPRINT-MS 治験」といいます。 *3 における OCT(Optical

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Coherence Tomography;光干渉断層計)データ解析 の良好な結果に関する論文が Multiple
Sclerosis Journal に掲載されたことをお知らせします。
OCT による網膜の評価は SPRINT-MS 治験における 二次的評価項目の一つでした。

「 Optical coherence tomography outcomes from SPRINT-MS, a multicenter, randomized,
double-blind trial of ibudilast in progressive multiple sclerosis」というタイトルの本論文は、
SPRINT-MS 治験における OCT データ解析の結果を報告したもので、 クリーブランド・クリニッ
ク Mellen Center for Multiple Sclerosis Treatment and Research の Robert A. Bermel 医師、
Robert J. Fox 医師らにより発表されました。
本論文において著者らは、 MN-166(イブジラスト)治療により進行型 MS 患者の網膜の菲薄化
を抑制する可能性があること以外に、サンプルサイズの推定によると、治療法が大きな治療効果
を持っている場合、 OCT 評価が進行型 MS 治験のアウトカム指標として有効であると示唆すると
結論づけています。

SPRINT-MS 治験に参加した 28 施設(計 244 人の治験参加者)のうち、22 の施設(183 人の治
験参加者)では Zeiss Cirrus OCT を、6 の施設(61 人の治験参加者)では Heidelberg Spectralis
OCT を OCT 評価に使用しました。その結果、すべての OCT 測定で、MN-166(イブジラスト)
治療群ではプラセボ群と比較して網膜組織の喪失が少ないことが示されました。

本論文で報告された主な結果は以下の通りです。
• pRNFL(網膜神経線維層)の厚さの変化は、MN-166(イブジラスト)治療群では+0.0424
uM/年、プラセボ群では-0.2630 uM/年であった(n=244、p=0.22)。
• Spectralis コホートにおいて、黄斑容積変化は、MN-166(イブジラスト)で-0.00503 mm3/
年、プラセボで-0.03659 mm3/年であった。(n=61、p=0.044)
• Cirrus コホートでは、黄斑容積の変化は、MN-166(イブジラスト)で-0.00040mm3/年であ


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ったのに対し、プラセボでは-0.02083mm3/年であった(n=183、p=0.1734)

• Cirrus 法で検出可能なガングリオン細胞-内側叢状体(GCIP)層の厚さの変化は、MN-166
(イブジラスト) では-0.4893 uM/年、プラセボでは-0.9587 uM/年であった(n=183、p=0.12)


当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は、以下のようにコメントしています。
「このデータは、MN-166 が進行型 MS 患者における網膜の菲薄化を抑制できることを示してお
り、網膜の菲薄化は脳容積減少やその他の MS 進行の指標と関連していることから、神経保護効
果のさらなる証拠となると考えられ、今回の OCT データが詳細に発表されたことを大変嬉しく
思います。


以 上



1 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)
、各種依存症、慢性神
経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依
存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物
依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。


2 進行型多発性硬化症(進行型 MS)について
米国多発性硬化症協会の統計によると、全世界に約 230 万人の多発性硬化症患者がいます。そのうち約 85%の患
者は最初の診断で再発寛解型と診断されます。しかしそのうちほとんどの患者が、 時間の経過とともに、 寛解期が
無いかまたは非常にまれで、健康状態が徐々に悪化する二次進行型多発性硬化症へ進行します。さらに、約 15%
の患者は発病時に一次進行型と診断され、再発や寛解を経ることなく、歩行、視覚、知力など身体機能の障害症状
が進行し続けます。これらの障害の進行については、 二次進行型も同様です。 多発性硬化症の現行の治療法は炎症
反応に対処するものですが、神経変性または脳組織の修復に対する効果は限られています。以上のように神経保
護作用を持つ薬剤に切実なニーズが存在する考えられます。


3 SPRINT-MS 臨床治験について
SPRINT-MS 治験(SPRINT-MS : The Phase 2b Secondary and Primary Progressive Ibudilast NeuroNEXT
trial in Multiple Sclerosis)は、米国全土 28 カ所の臨床施設において、一次進行型または二次進行型多発性硬化
症患者を対象として一日 2 回 MN-166(イブジラスト)またはプラセボを投与し、MN-166 の安全性、認容性及
び有効性をプラセボと比較し評価したものです。適格と認められた 255 名の被験者は、一日最大 100mg(50mg
×2)の MN-166 またはプラセボの投与を受ける群に無作為に(1:1 に)振り分けられました。進行型多発性硬
化症患者には、長期にわたりインターフェロンβやガラティラメルアセテート(GA)などの再発予防の治療を受
けている人もいれば、そのような治療を受けていない人もいます。したがって、治験グループ間の無作為化は、併
用治療方法 (インターフェロン治療あり/GA 治療あり/他の治療なし)対象疾患の病態 、 (一次進行型/二次進行型)
という 2 つの要素に関して行われました。本臨床治験の主たる目的は、①治療開始から 96 週後における脳実質率
を用いた MRI 定量分析による全脳萎縮についての MN-166 の活動性をプラセボに比較して評価すること、②一
次進行型または二次進行型多発性硬化症患者における MN-166(最大 100mg/日)の安全性・認容性をプラセボと
比較して評価することでした。副次的な測定項目には、身体障害、脳や網膜組織の画像分析、皮膚の萎縮、認識障
害、QOL 及び神経性疼痛などがあります。
なお、当該治験は NeuroNEXT ネットワーク、クリーブランド・クリニック、米国多発性硬化症協会及び当社に
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よる共同プロジェクト として実施されました。


4 OCT(Optical Coherence Tomography;光干渉断層計)データ解析について



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OCT 解析とは、近赤外光を利用して網膜の断面像を得ることのできる検査によるデータ解析です。患者さん自身
にほとんど負担をかけることなく眼底の断面図をミクロンレベルで繰り返し撮影することが可能な、非常に画期
的な検査方法で、加齢黄斑変性、黄斑円孔や網膜浮腫などの網膜疾患の診断や術後評価にも用いられます。特に
OCT のミクロンレベルの解像度データは治療効果判定や経過観察において信頼性のある判断材料になります。


5 共同プロジェクトについて
米国立衛生研究所(NIH)の支部である国立神経疾患脳卒中研究所(NINDS)傘下の臨床治験 NeuroNEXT ネッ
トワークは、学術会、民間財団及び医薬業界と提携して神経疾患治療を目的とする研究を行うために設立されま
した。Neuro NEXT ネットワークの治験参加施設には、米国内の有数の医療施設が含まれています。 NeuroNEXT
ネットワークの目指すゴールには、フェーズ 2 臨床治験において有望な神経療法をテストすること、臨床治験に
関して実績があるインフラを用いることで、神経疾患領域での医薬品の開発における時間/コストの最適化を図る
こと、及び、NINDS の持つ学術研究者または患者支援団体とのコネクションを活用して、官民の開発努力の調整
を図ることなどが含まれています。本ネットワークにおける臨床治験コーディネートセンターはマサチューセッ
ツ総合病院、 データ管理センターはアイオワ大学が担当しました。 クリーブランド・クリニックのフォックス博士
らは、NeuroNEXT ネットワークに参加する大学病院の医師・研究者らと共同で研究を実施しました。また、米国
多発性硬化症協会は、本臨床治験の公示、患者への治験参加呼びかけなどの協力をしました。
当社は、MN-166 について FDA の神経医薬品部門からの治験許可(IND)を保持している他、MN-166 に関する
科学データ、分析面のサポート及び医薬品とプラセボの供給を行っています。



メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など) 、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。

当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




注意事項
このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、 当社が米国証券取引委員会に提出した 2019 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
いその他のリスクや不確定要素があります。したがって、 「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社
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とにご留意下さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




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