米国心理学会2020年次総会におけるMN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害および離脱を適応とするフェーズ2臨床治験の良好な結果発表に関するお知らせ

2020 年 8 月 6 日




各 位
会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 JASDAQ)

東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com



米国心理学会 2020 年次総会における MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害
および離脱を適応とするフェーズ 2 臨床治験の良好な結果発表に関するお知らせ



2020 年 8 月 6 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。 )は、アルコ
ール使用障害*1を適応として実施されたフェーズ 2 臨床治験 (以下 「本臨床治験」 といいます。)
の良好な結果について、治験責任博士であるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)Brain
Research Institute の心理学科および精神医学・生物行動科学教授のララ・レイ博士が、米国心
理学会 2020 年次総会において発表したことをお知らせします。

本臨床治験は、無作為二重盲検法プラセボ対照のフェーズ 2 臨床治験で、アルコール使用障害
(AUD)と診断された患者を対象に、14 日間の MN-166(イブジラスト)*2 治療効果を、大量
アルコール摂取の抑制、アルコール神経誘発に対する反応性及び磁気共鳴(fMRI)神経画像検査
で評価されるアルコール神経誘発に対する神経活性反応が、その後のアルコール摂取を予測でき
るか等を評価しました。合計 52 人のアルコール使用障害(AUD)患者がこの試験に登録されま
した。本臨床治験は UCLA ララ・レイ博士と当社との共同研究で、オピオイド受容体および薬物
濫用研究所(CSORDA)より研究助成金(国立薬物乱用研究所助成金番号:P50-DA005010)を
受けて行われました。

ララ・レイ博士による学会発表のハイライトは以下の通りです。

⚫ アルコール摂取量:
イブジラスト治療は、プラセボと比較して大量飲酒の日数を大幅に削減した(p = 0.03)
⚫ アルコール神経誘発性:
アルコール飲料画像(ALC)と非アルコール飲料画像(BEV)による神経誘発反応を fMRI
で評価したところ、イブジラスト治療により脳の両側腹側線条体におけるシグナル変化 (%)
に有意な影響がみられた(p = 0.02)
o イブジラスト治療はプラセボと比較し、アルコール飲料画像で誘発される両側腹側線条
体のシグナル活性を有意に減衰させた
⚫ アルコール摂取予測:
“イブジラスト治療”と fMRI で評価された“両側腹側線条体の活性”には後のアルコール
摂取の予測において有意な相互作用がみられた(p = 0.02)

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o fMRI スキャン翌週のアルコール摂取量を評価したところ、イブジラスト治療により両
側腹側線条体のシグナル活性が低下した患者は、最もアルコール摂取量が少なかった
⚫ 神経画像検査(アルコール神経誘発反応性パラダイム)が、新しい薬物療法の神経生物学的
作用機序の認識に有用であることを示唆する



当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は、次のようにコメントしています。
「本臨床治験は、脳内の異常活性を弱める MN-166(イブジラスト)のポジティブな効果を初め
て神経学画像検査で示したスタディです。僅か 14 日間の治療により、MN-166(イブジラスト)
がアルコール大量摂取を大幅に減少させたことは非常に印象的です。 ニールセンレポートよると、
小売店舗でのアルコール販売量は本年 3 月下旬では 1 年前と比べて 54%増加、オンラインでのア
ルコール販売量は本年 4 月下旬において 1 年前と比べて 500%近くも増加しており、さらに大き
なパックサイズのワインとスピリッツには過去にない需要がみられているということです。米国
心臓協会によると、COVID-19 のパンデミックは、ストレスによる過度のアルコール消費という
新たな問題をもたらしたと伝えています。アルコール使用障害という増大する社会・医療問題を
軽減する大きな可能性を MN-166(イブジラスト)が示したことに、私たちは喜んでいます。 」

本臨床治験責任研究者であるララ・レイ博士は、次のようにコメントしています。
「アルコール使用障害を適応とするフェーズ 2 臨床治験の良好なデータを報告できることを非常
に嬉しく思います。私たちの最初の臨床治験では、イブジラスト治療がアルコール使用障害患者
の日々の基礎アルコール渇望度を有意に減少させることを示しました。今回の研究では、イブジ
ラスト治療がアルコール摂取量を改善し、患者脳内でのアルコールによる報酬効果を減少させる
ことがわかりました。この知見は、イブジラストのアルコール使用障害に対する新しい薬物療法
としての可能性を示しています。」
以 上



1 アルコール使用障害について

アルコール使用障害(AUD)は、アルコール摂取(飲酒)による精神的、肉体的作用に依存し、アルコールに対
し抗し難い渇望を呈し、飲酒のコントロールが困難になる薬物依存症の一種で、飲酒をやめると、抑うつ状態、悪
心、発汗、振戦などの離脱症状、禁断症状をきたすことが知られています。アルコールによる脳神経へのダメー
ジ、日常行動の異常などをもたらす精神疾患です。アルコール乱用およびアルコール依存症に関する国立研究所
(NIAAA)によると、米国で推定 1,600 万人が AUD を患っており、10%未満がこの疾患の治療を受けています。
現在はまだ、治療オプションが限られており、より良い治療法に対する高い医療ニーズがあります。


2 MN-166(イブジラスト)について

MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)
、各種依存症、慢性神
経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依
存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物
依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。




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メディシノバについて

メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。

当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




注意事項

このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証券取引委員会に提出した 2019 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
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