グリオブラストーマ 腫瘍微小環境におけるMN-166(イブジラスト)に関する良好な研究結果のFrontiers in Immunology誌への論文掲載のお知らせ
2020 年 6 月 26 日
各 位
会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 JASDAQ)
東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com
グリオブラストーマ 腫瘍微小環境における MN-166(イブジラスト)に関する
良好な研究結果の Frontiers in Immunology 誌への論文掲載のお知らせ
2020 年 6 月 25 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)
(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。 )は、MN-166
(イブジラスト) を用いて行われたグリオブラストーマ(神経膠芽腫;GBM)*2腫瘍微小環
*1
境における腫瘍誘発免疫抑制に関する研究論文が免疫学専門誌「Frontiers in Immunology」誌に
掲載されましたのでお知らせいたします。
なお、本論文は当社 CMO(最高医学責任者)の松田和子が共著者になっております。
“ Glioblastoma myeloid-derived suppressor cell subsets express differential macrophage
migration inhibitory factor receptor profiles that can be targeted to reduce immune
suppression”というタイトルの本論文は、クリーブランドクリニック・ラーナー研究所、脳腫瘍
研究および先端治療開発センターの共同ディレクターで、ケースウエスタンリザーブ大学分子医
学部准教授を兼任する Justin Lathia(ジャスティン・ラティア)博士(以下「Lathia 博士」と
いいます。、Tyler Alban(タイラー・アルバン)研究員と当社による共同研究の成果をまとめた
)
論文です。
過去に、Lathia 博士は Michael Vogelbaum 博士(前クリーブランドクリニック、現フロリダ州
タンパ Moffitt 癌センター)と共に GBM 患者の腫瘍微小環境では免疫抑制骨髄由来サプレッサ
ー細胞(MDSC)のレベルが高いこと、それらがマクロファージ遊走阻止因子(MIF)依存性で
耐性を持つ傾向があることを報告しています。
今回の研究では Richard Bucala 博士(イェール大学)と共同で、GBM 腫瘍微小環境では単球サ
ブセット MDSC(M-MDSC)が高レベルの MIF 受容体 CD74 を発現していたことを確認しまし
た。さらに重要な研究結果として、イブジラストで M-MDSC を標的にすると、腫瘍微小環境で
MDSC 機能が低下し、細胞障害性 CD8 T 細胞活性が増強されました。
本論文で Lathia 博士らは、これまでの臨床試験の結果では免疫刺激療法単独治療だけでは GBM
の治療に効果的ではなかったが、腫瘍誘発性免疫抑制を阻害するイブジラストを免疫刺激療法に
併用することで、患者さんにとって、良い臨床結果が期待出来るだろうと結論づけています。
Lathia 博士は次のようにコメントしています。
「我々は GBM 腫瘍微小環境における主要な MDSC サブセットが M-MDSC であり、MIF 受容
体 CD74 を高く発現していたことを確認し、CD74 が GBM-MDSC 生態でより大きな役割を果た
-1-
す可能性があることを発見しました。 これらの研究結果は、 GBM 患者の治療にとって重要です。
我々が検証した複数の MIF 阻害剤の中で、最も M-MDSC を減少させたのはイブジラストでし
た。イブジラストは、血液脳関門を容易に通過できるという他の薬剤に勝る利点がある上に、高
い安全性プロファイルを持っています。 我々は、イブジラストを免疫刺激療法に併用することで、
GBM の進行が抑制されることが臨床試験によって証明されることを期待しています。 」
当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は以下のようにコメントしています。
「現在、 ハーバード大学医学部のダナファーバー癌研究所で、 GBM を対象とするテモゾロミドと
MN-166 の併用療法の臨床試験が進行中です。最近、治療対象を拡大し、再発だけでなく新規に
診断された GBM の患者を含めることになりました。以前発表した GBM 動物モデルスタディで
は、MN-166 とテモゾロミドの併用治療グループでは、テモゾロミド単独治療グループよりも生
存期間中央値が延長したことが示されました。今回 Lathia 博士らが報告した新しい発見により、
免疫チェックポイント阻害剤などの免疫刺激療法と MN-166 の併用療法が、最も深刻で難治性癌
の一つである GBM の治療法に繋がり、GBM 患者さんの新たな治療選択になることを期待して
います。 」
以 上
*
1 MN-166(イブジラスト):MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロ
ファージ遊走阻止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイト
カイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄
養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、
ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神
経保護作用を有することが確認されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS
など)
、各種依存症、慢性神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発
性硬化症及び ALS、薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型
多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しており
ます。
*
2 グリオブラストーマ(神経膠芽腫):原発性悪性脳腫瘍は、小児と若年者における癌死因の中で最も高く、メラ
ノーマによる死亡よりも多いとされています。米国脳神経外科学会によると、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)
は脳グリア細胞(アストロサイト、オリゴデンドサイト)から発生し急速に周囲の脳組織に拡がる、進行が非常に
早く、致死性も非常に高い脳腫瘍で、世界保健機関(WHO)脳腫瘍悪性度分類で、最も悪性度の高いグレード IV
に分類されます。米国脳腫瘍学会によるとグリオブラストーマは全脳腫瘍の 15%、グリオーマ(神経膠腫) 56%
の
近くを占めており、悪性脳腫瘍のなかでも最も多く、米国では、2018 年中に約 12,760 名の患者が新たに診断さ
れたと考えられています。近年の脳神経画像検査、脳外科手技、化学療法や放射線治療などの進展向上にも関わら
ず、グリオブラストーマ患者の予後については、わずかな改善がみられているにすぎません。グリオブラストーマ
と診断された患者の生存期間中央値は 14.6 ヵ月、2 年生存率は 30%といわれています。また、診断後 36 ヵ月以
上生存可能な患者は、わずか 5%といわれています。
メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。
-2-
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。
注意事項
このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証券取引委員会に提出した 2019 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
いその他のリスクや不確定要素があります。したがって、
「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社
の状況を述べているにとどまり、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があるこ
とにご留意下さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。
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