第28回 米国神経腫瘍学会年次総会におけるMN-166(イブジラスト)のグリオブラストーマを対象とするフェーズ2臨床治験のデータ発表に関するお知らせ

2023 年 11 月 20 日




各 位

会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 東証スタンダード)

東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com



第 28 回 米国神経腫瘍学会(Society for Neuro-Oncology)年次総会における
MN-166(イブジラスト)のグリオブラストーマを対象とする
フェーズ 2 臨床治験のデータ発表に関するお知らせ

2023 年 11 月 19 日 米国 ラ・ホイヤ発 – メディシノバ(MediciNova,Inc.)
(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。 )は、2023 年
11 月 15 日から 19 日にかけてカナダのブリティシュコロンビア州バンクーバーにて開催された
第 28 回 米国神経腫瘍学会(SNO)年次総会において、共同研究者であるジャスティン ラシア
(Justin Lathia)博士(クリーブランド・クリニック ラーナー研究所 脳腫瘍研究及び治療法開
発 中核研究拠点 共同責任者、 ケース・ウェスタン・リザーブ大学 クリーブランド・クリニック・
ラーナー医学大学 分子医学部門 教授)とパトリック ウェン(Patrick Wen)医師(ダナ・ファ
ーバーがん研究所 神経腫瘍学センター長、ハーバード大学 医学部 神経学教授、ハーバード大学
医学部 神経腫瘍学センター所長)らによって、MN-166(イブジラスト)*1 の再発・初発グリオ
ブラストーマ(神経膠芽腫)*2(以下「GBM」といいます。 )を対象とするフェーズ 2 臨床治験
(以下「本フェーズ 2 臨床治験」といいます。 )データ及び腫瘍組織解析データについて発表され
たことをお知らせします。
なお、 本発表では、 フェーズ 2 臨床治験に関するデータに加え、 GBM 前臨床モデルにおける MN-
166(イブジラスト)と抗 PD1 療法又は抗 PD-L1 療法との併用療法に関する有効性データも発
表されました。

本フェーズ 2 臨床治験の主要評価項目は、MN-166(イブジラスト)とテモゾロミド(TMZ)併
用療法の安全性と忍容性、及び RANO 基準を用いた 6 ヵ月時点の無増悪生存率で定義される併
用療法の有効性です。MN-166(イブジラスト)と TMZ 併用療法は安全かつ忍容性は良好で、予
期せぬ副作用は報告されませんでした。

“ Immunohistochemistry evaluation on pre-treatment tumor tissue predicts treatment
response to MN-166 (ibudilast) and Temozolomide combination therapy in glioblastoma
patients”
(和訳:治療前の腫瘍組織における免疫組織化学的評価は膠芽腫患者における MN-166 とテモゾ
ロミド併用療法に対する治療効果を予測する)と題された発表の要旨は以下の通りです。

本フェーズ 2 臨床治験及び免疫組織化学試験結果
⚫ 新規に GBM と診断された(初発 GBM)患者 36 人と再発性 GBM 患者 26 人、合計 62 人が

-1-
治験に登録された。
- 治験参加者のスクリーニング時の平均年齢は、初発 GBM 患者群が 58.9 歳、再発 GBM
患者群が 59.6 歳であった。
- 両群とも患者の 39%が女性であった。
- 初発 GBM 患者の 94%、再発性 GBM 患者の 100%が白人であった。
⚫ 全ての治験参加者が TMZ と MN-166(イブジラスト)の併用治療を受けた。
⚫ 6 ヵ月後の無増悪生存率(PFS6)は初発 GBM 群で 44%、再発 GBM 群で 31%であった。
⚫ 初回の手術又は生検時に切除された腫瘍組織サンプル(治療前サンプル)が得られた患者に
ついて、免疫組織化学的評価を行い、MIF(マクロファージ遊走阻止因子) 、pERK、Ki67、
CD3、CD11b、CD74 を評価した。
- 再発 GBM 群において病気が進行した患者では、進行のなかった患者に比べて、治療前
の腫瘍細胞への CD3 の浸潤が高く(p<0.05)腫瘍細胞における CD3 発現は、MN-166
(イブジラスト)と TMZ 併用治療における腫瘍進行の良好な予測因子であった。

前臨床 GBM モデル試験結果
C57BL/6 マウスに生後 4 週で SB28 腫瘍細胞を頭蓋内注射し、アイソタイプネガティブコン
トロール、ネガティブコントロール、MN-166(イブジラスト) 、抗 PD1、抗 PDL1、又は併用
療法のいずれかを投与した。
- PD-1 阻害剤を評価する実験での生存期間中央値は、無治療群で 17 日間、PD1 阻害剤単
独投与で 28 日間、PD1 阻害剤治療に MN-166(イブジラスト)を追加した併用療法では
66 日間(p<0.001)と有意に延長した。
- PD-L1 阻害剤を評価する実験での生存期間中央値は、無治療群で 18 日間、PD-L1 阻害
剤単独投与で 26 日間、PD-L1 阻害剤に MN-166(イブジラスト)を追加した併用療法
では 34 日間(p<0.05)と有意に延長した。


当社取締役兼 CMO(最高医学責任者)である松田和子は次のようにコメントしています。
「まずは、この治験に参加してくださった患者さんとご家族に心より感謝いたします。そして
MN-166 の GBM を対象とする最初の臨床治験における良好な安全性と有効性に関する結果を報
告できることを大変嬉しく思います。
GBM は急速に進行し、その治療抵抗性は深刻な課題です。TMZ との併用療法として評価した
MN-166 は概ねにして安全で、忍容性も良好でした。主要有効性評価項目である PFS-6 率におい
ては、再発性 GBM 群の PFS-6 率は過去の多くの治験と比較して高い結果が得られました。
また今回、治験結果とともに発表された前臨床 GBM モデル試験の良好な結果は、MN-166 を既
存の抗がん剤(例えば、TMZ、抗 PD1 阻害剤又は抗 PD-L1 阻害剤)に追加することで、これら
の個々の単独治療よりも生存期間が改善するという私たちの仮説を支持するもので、尊敬する共
同研究者から発表されたデータは大変心強いものです。
私たちは本フェーズ 2 臨床治験の全てのデータ解析が完了することを楽しみにしています。将来
的には、MN-166 を抗 PD1 療法及び抗 PD-L1 療法とともに臨床治験で評価することを切望して
います。 」
以 上



1 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認


-2-
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)
、各種依存症、慢性神
経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依
存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物
依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。


2 グリオブラストーマ(神経膠芽腫)について
原発性悪性脳腫瘍は、小児と若年者における癌死因の中で最も高く、メラノーマによる死亡よりも多いとされて
います。米国脳神経外科学会によると、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)は脳グリア細胞(アストロサイト、オ
リゴデンドサイト) から発生し急速に周囲の脳組織に拡がる、 進行が非常に早く、 致死性も非常に高い脳腫瘍で、
世界保健機関(WHO)脳腫瘍悪性度分類で、最も悪性度の高いグレード IV に分類されます。米国脳腫瘍学会に
よるとグリオブラストーマは全脳腫瘍の 15%、グリオーマ(神経膠腫)の 56%近くを占めており、悪性脳腫瘍の
なかでも最も多く、米国では、2018 年中に約 12,760 名の患者が新たに診断されたと考えられています。近年の
脳神経画像検査、 脳外科手技、 化学療法や放射線治療などの進展向上にも関わらず、 グリオブラストーマ患者の予
後については、わずかな改善がみられているにすぎません。グリオブラストーマと診断された患者の生存期間中
央値は 14.6 ヵ月、2 年生存率は 30%といわれています。また、診断後 36 ヵ月以上生存可能な患者は、わずか 5%
といわれています。


メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、臨床開発ステージにあるバイオ医薬品開発企業であり、炎症性疾患、線
維化疾患、神経変性疾患などの様々な疾患領域において、新規低分子化合物の広範な後期パイプラインを開発し
ています。主要な開発品である 2 つの化合物、MN-166(イブジラスト)と MN-001(タイペルカスト)は、複
数の作用機序と高い安全性プロファイルを有しており、当社は、これら 2 つの化合物について現在 11 の臨床開
発プログラムを有しております。
当社の主力開発品である MN-166(イブジラスト)は、現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び変性性頸椎脊椎
症(DCM)で臨床第Ⅲ相(フェーズ 3)段階、進行性の多発性硬化症(MS)において臨床第Ⅲ相(フェーズ
3)準備段階にあります。加えて、MN-166(イブジラスト)は、膠芽腫(グリオブラストーマ) 、急性呼吸窮迫
症候群(ARDS)及び薬物依存症の治療薬として臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)段階にあります。
MN-001(タイペルカスト)は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)について、臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)
の準備段階にあります。
当社は、公的機関からの資金助成を受け、多くの医師主導型臨床治験を実施してきた強固な実績を有していま
す。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。本社所在地はアメリカ合衆国カリフォルニア州
ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。


注意事項
このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、 当社が米国証券取引委員会に提出した 2022 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
いその他のリスクや不確定要素があります。したがって、 「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社
の状況を述べているにとどまり、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があるこ
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