MN-166のアルコール使用障害を適用とするフェーズ2臨床治験二次解析結果「The American Journal of Drug and Alcohol Abuse」掲載に関するお知らせ

2022 年 12 月 6 日




各 位

会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 東証スタンダード)

東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com



MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害を適用とするフェーズ 2 臨床治験
二次解析結果の医学専門誌「The American Journal of Drug and Alcohol Abuse」への
論文掲載に関するお知らせ


2022 年 12 月 5 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.) (米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。
)は、MN-166
*1 *2
(イブジラスト) のアルコール使用障害(AUD) を適応として実施されたフェーズ 2 臨床治
験(以下「本臨床治験」といいます。 )の二次解析におけるポジティブな結果が、医学専門誌「The
American Journal of Drug and Alcohol Abuse」に論文掲載されたことをお知らせします。

本臨床治験は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)脳研究所の心理学部門及び精神医
学・生物行動学部門の教授である Lara Ray (ララ・レイ)博士との共同研究で、National Institute
on Drug Abuse(米国国立薬物乱用研究所)からの資金援助(助成金番号:P50 DA005010-33)
を受けて実施されました。
本臨床治験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照のフェーズ 2 臨床治験として、治療法を積極
的に求めていない AUD 患者 52 名を対象に、14 日間の投与で、抑うつ気分、大量アルコール摂
取、脳内神経報酬シグナルに対する MN-166(イブジラスト)の治療効果を評価しました。トッ
プラインの結果として、MN-166(イブジラスト)がプラセボと比較して、アルコールの大量摂取
を抑制し、アルコールキュー刺激による神経活性化を抑制したことを報告しています。 (Grodin
et al, Transl Psychiatry, 2021)
神経及び末梢での炎症は、AUD の発症と維持に関わる因子の一つであることが示唆されており、
実際に、患者での炎症レベルの亢進が観察されています。本臨床治験の二次解析として、末梢に
おける炎症性タンパク質、具体的には C 反応性タンパク(CRP)のレベルが高い治験参加患者に
おいて、MN-166(イブジラスト)が、臨床(飲酒日における飲酒量:DPDD、アルコールを大量
摂取した日の割合:PHDD)及び生物学的(キュー刺激による神経活性化)転帰に対して有効性
を示すかどうかを検証しました。

医学専門誌「The American Journal of Drug and Alcohol Abuse」に掲載された、UCLA のララ・
レイ博士らの論文のタイトルは、 “Baseline C-reactive protein levels are predictive of treatment
response to a neuroimmune modulator in individuals with an alcohol use disorder: a
preliminary study,”
(和訳:アルコール使用障害におけるベースラインの CRP 値は神経免疫調節
剤の治療反応性を予測する:予備的研究)で、当該論文で報告された本臨床治験の主なポイント
は以下の通りです。
-1-
⚫ ベースラインの CRP 値が高い、つまり炎症性が高い患者では、ベースラインの CRP 値が低
い患者に比べて DPDD 及び PHDD が高かった。
⚫ ベースラインの CRP 値が高く、且つ、MN-001(イブジラスト)投与の患者群では、ベース
ライン CRP 値が低く、且つ、MN-001(イブジラスト)投与の患者群と比べて DPDD がが
有意に少なかった。 = 0.007)
(p
⚫ DPDD の値は、他の患者群間では有意な差を認めなかった。
(いずれの群間の p 値に対して
も p > 0.17)
⚫ DPDD に関して、MN-166(イブジラスト)投与と log CRP(CRP 値の対数)のレベル(連
続変数)には有意な相関関係が存在した(p = 0.03)
⚫ ベースライン CRP 値が低く、且つ、MN-001(イブジラスト)投与の患者群では、ベースラ
イン CRP 値が高く、且つ、MN-001(イブジラスト)投与の患者群に比べて、いくつかの脳
部位におけるアルコールキュー刺激(報酬シグナル)で誘発される活性化が大きかった。 (p
< 0.001)
⚫ ベースラインの CRP 値が高く、且つ、プラセボ投与の患者群では、ベースラインの CRP 値
が高く、且つ、MN-166(イブジラスト)投与の患者群に比べて、いくつかの脳部位における
アルコールキュー刺激で誘発される活性化が大きかった。 < 0.001)
(p
⚫ ベースラインの CRP 値が高く、且つ、プラセボ投与の患者群では、ベースラインの CRP 値
が低く、且つ、プラセボ投与の患者群に比べて、いくつかの脳部位におけるアルコールキュ
ー刺激で誘発される活性化が大きかった。 < 0.001)
(p

当社取締役兼 CMO(最高医学責任者)の松田和子は次のようにコメントしています。
「このアルコール使用障害(AUD)患者を対象としたフェーズ 2 臨床治験の二次解析結果が医学
専門誌に掲載されたことを大変うれしく思います。MN-166(イブジラスト)が、AUD かつ炎症
レベルが高い患者群に対して、明確に臨床的な有用性をもたらすポテンシャルを示したこと、そ
れにより、AUD の治療の成功確率が高められることは大変すばらしいことです。 」

UCLA のララ・レイ博士は、次のようにコメントしています。
「このフェーズ 2 臨床治験の結果は、MN-166(イブジラスト)のアルコール消費に対する効果
に炎症が関与しているという仮説を強化するものです。 そして、CRP 値が高い患者群は、MN-166
(イブジラスト)の投与により最も利益を得ることが示唆されました。これは、この患者群が、
より低い DPDD、PHDD 及び低いアルコールキュー刺激誘発による神経活性化を示したことによ
ります。 」
以 上



1 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)
、各種依存症、慢性神経
因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依存
症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存
などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。



-2-

2 アルコール使用障害について
アルコール使用障害(AUD)は、アルコール摂取(飲酒)による精神的、肉体的作用に依存し、アルコールに対
し抗し難い渇望を呈し、飲酒のコントロールが困難になる薬物依存症の一種で、飲酒をやめると、抑うつ状態、悪
心、発汗、振戦などの離脱症状、禁断症状をきたすことが知られています。アルコールによる脳神経へのダメー
ジ、日常行動の異常などをもたらす精神疾患です。米国国立アルコール乱用・アルコール依存症研究所(NIAAA)
によると、米国では 1,600 万人が AUD に罹患していると推定されていますが、現在はまだ、治療オプションが限
られており、治療を受けているのは 10%未満です。そのため、AUD のより良い治療法に対する高い医療ニーズが
あります。


メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、臨床開発ステージにあるバイオ医薬品開発企業であり、炎症性疾患、線
維化疾患、神経変性疾患などの様々な疾患領域において、新規低分子化合物の広範な後期パイプラインを開発し
ています。主要な開発品である 2 つの化合物、MN-166(イブジラスト)と MN-001(タイペルカスト)は、複
数の作用機序と高い安全性プロファイルを有しており、当社は、これら 2 つの化合物について現在 11 の臨床開
発プログラムを有しております。
当社の主力開発品である MN-166(イブジラスト)は、現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び変性性頸椎脊椎
症(DCM)で臨床第Ⅲ相(フェーズ 3)段階、進行性の多発性硬化症(MS)において臨床第Ⅲ相(フェーズ
3)準備段階にあります。加えて、MN-166(イブジラスト)は、膠芽腫(グリオブラストーマ) 、急性呼吸窮迫
症候群(ARDS)及び薬物依存症の治療薬として臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)段階にあります。
MN-001(タイペルカスト)は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)について、臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)
段階にあります。
当社は、公的機関からの資金助成を受け、多くの医師主導型臨床治験を実施してきた強固な実績を有していま
す。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。本社所在地はアメリカ合衆国カリフォルニア州
ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




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