国際糖尿病学会議年会「IDF 2022 Congress」におけるポスター発表に関するお知らせ

2022 年 12 月 7 日




各 位

会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 東証スタンダード)

東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com



国際糖尿病学会議年会「IDF 2022 Congress」におけるポスター発表に関するお知らせ
~高中性脂肪症、NAFLD 患者における血清脂質プロファイル改善の糖尿病歴による
サブグループ解析の結果~


2022 年 12 月 6 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)
(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。 )は、2022 年
12 月 5 日から 8 日にかけて開催中の国際糖尿病学会議年会「IDF 2022 Congress」 (公式 Web サ
イト:https://idf2022.org/)において、過去に完了した MN-001(タイペルカスト)*1 のフェーズ
2 臨床治験のサブグループ解析の良好な結果についてポスター発表を行ったことをお知らせいた
します。

過去に完了したフェーズ 2 臨床治験では、MN-001(タイペルカスト)による治療が高中性脂肪
血症(HTG)を伴う非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎
(NASH)*2 患者の血清中性脂肪値を顕著に低下させることを確認しました。その後、脂質代謝
メカニズムを探る in vitro(試験管や培養器などの中で)の研究において、MN-001(タイペルカ
スト)が CD36 のmRNA 発現を抑制し、ABCG1 のmRNA 発現を上昇させることを見出しまし
た。両因子ともに、2 型糖尿病*3 の病態に関連していることが知られています。
これらの知見から、 MN-001(タイペルカスト)の血清中性脂肪値改善効果は 2 型糖尿病(T2DM)
を有する NAFLD 患者群でより効果的なのではないかという仮説に基づき、T2DM 病歴の有無で
グループ分けしたサブグループ解析を実施しました。

「Improvement of Serum Lipid Panel by Tipelukast(MN-001)in Type 2 Diabetes Mellitus
and Non-alcoholic Fatty Liver Disease Patients」
(和訳:タイペルカスト(MN-001)は、T2D
及び NAFLD の併発患者で血清中の脂質プロファイルを改善する。(抄録番号 #LI2022-1192) )
という演題のハイライトは以下の通りです。

T2DM 併発群では非併発群に比べ、MN-001(タイペルカスト)8 週間投与時点で
⚫ 平均血清中性脂肪値の低下が大きかった。
(T2DM 群 50.8%低下 vs 非 T2DM 群 17.8%低下、 p = 0.098)
⚫ 平均血清 HDL 値が優位に上昇した。
(T2DM 群 15.8%上昇 vs 非 T2DM 群 1.0%上昇、p < 0.0002)
⚫ 平均血清 LDL 値の低下が大きかった。
(T2DM 群 15.4% 低下 vs 非 T2DM 群 6.7%低下)
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当社取締役兼 CMO(最高医学責任者)の松田和子は次のようにコメントしています。
「過去に実施した MN-001 のフェーズ 2 臨床治験のサブグループ解析の良好な結果を国際学会で
詳細に発表できたことを嬉しく思います。高中性脂肪症を伴う NAFLD 患者において、基礎疾患
に 2 型糖尿病もしくは境界型糖尿病を有する患者群では、そうでない患者群と比べ、血清中性脂
肪値だけでなく他の脂質プロファイルも大きく改善することが見出されました。 これらの知見は、
MN-001 が、脂質異常症や NAFLD を有する 2 型糖尿病に対して有効な治療薬となる可能性を示
しています。
現在、2 型糖尿病による脂質異常症と NAFLD を有する患者を対象として、MN-001 の効果と安
全性を評価する臨床治験が進行中です。 」

以 上



1 MN-001(タイペルカスト)について
MN-001(タイペルカスト)は、複数のメカニズムを有する経口投与の新規低分子化合物です。
主な作用メカニズムはロイコトリエン受容体拮抗作用、ホスフォジエステラーゼ(PDE、主に-3 および 4)の阻
害作用、5-リポキシゲナーゼの阻害などで、これらの複数のメカニズムを通して 5-リポキシゲナーゼ(5-LO)経
路を介した炎症抑制効果や線維化予防効果が知られています。
当社が過去に実施した臨床治験から、MN-001 が血中の中性脂肪(トリグリセリド:TG)を減少させる事を見出
しました。高中性脂肪症を呈する NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)又は NAFLD(非アルコール性脂肪性肝
疾患)患者を対象としたフェーズ 2 臨床治験では、中性脂肪以外の脂質プロファイルも改善しました。
現在、当社は糖尿病性脂肪異常症による NAFLD を適応とする新薬として開発しております。
当社は、北米(米国、カナダ)、ヨーロッパ、東アジア(日本、中国、韓国)などにおいて、高中性脂肪血症、高
コレステロール血症及び高リポタンパク血症などの脂質代謝異常疾患をカバーする特許や NASH 及び NAFLD を
カバーする特許、線維化疾患をカバーする特許を有しています。


2 NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)/NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)について
NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)は、肝細胞に脂肪が蓄積するだけの単純性脂肪肝と、炎症や肝細胞への
ダメージを伴う NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)に大きく分けられます。NASH(非アルコール性脂肪性肝
炎)とは、近年メタボリックシンドロームの増加により認識されるようになった、肝臓に脂肪が貯まり、炎症・肝
組織へのダメージが症状としてみられる肝疾患です。発生原因にアルコールが含まれないにも拘わらずアルコー
ル性肝障害に類似した進展を示すことが特徴です。米国国立消化器病情報クリアリングハウスの統計によれば、
アメリカにおける NASH の有病率は 2~5%、これに加えて 10~20%のアメリカ人が脂肪肝であると言われてい
ます。発生に至る機序はまだはっきりとは判っておりませんが、肥満の中年に有病率が高く、NASH 患者には、
血中脂質濃度が高く、糖尿病、またはその予備軍であることが多く見られます。NASH が進行するとしばしば肝
硬変を引き起こすことがありますが、現時点では、肝不全を伴う肝硬変には薬物による治療法はなく、治療は最終
的には肝臓移植に頼らざるを得ません。


3 2 型糖尿病について
糖尿病は、血糖値と呼ばれる血液中のブドウ糖濃度が、適正値よりも高い状態が慢性的に続く病気で、血液中のブ
ドウ糖を細胞へ届けるインスリンというホルモンの分泌不足や働きに異常が生じることで発症します。そして、
糖尿病は発症の原因によって、 型」と「2 型」「その他」「妊娠糖尿病」に分類されます。
「1 、 、
「2 型」糖尿病は、遺伝的な要因に運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症すると考えられています
が、はっきりとした原因はまだわかっていません。糖尿病患者の 95%以上が 2 型といわれていて、中高年に多く
発症します。2 型糖尿病では、インスリンは分泌されているものの、働きが悪くて血糖値が下がらない(インスリ
ン抵抗性)場合や、分泌そのものが減っている(インスリン分泌低下)場合があります。




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メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、臨床開発ステージにあるバイオ医薬品開発企業であり、炎症性疾患、線
維化疾患、神経変性疾患などの様々な疾患領域において、新規低分子化合物の広範な後期パイプラインを開発し
ています。主要な開発品である 2 つの化合物、MN-166(イブジラスト)と MN-001(タイペルカスト)は、複
数の作用機序と高い安全性プロファイルを有しており、当社は、これら 2 つの化合物について現在 11 の臨床開
発プログラムを有しております。
当社の主力開発品である MN-166(イブジラスト)は、現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び変性性頸椎脊椎
症(DCM)で臨床第Ⅲ相(フェーズ 3)段階、進行性の多発性硬化症(MS)において臨床第Ⅲ相(フェーズ
3)準備段階にあります。加えて、MN-166(イブジラスト)は、膠芽腫(グリオブラストーマ) 、急性呼吸窮迫
症候群(ARDS)及び薬物依存症の治療薬として臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)段階にあります。
MN-001(タイペルカスト)は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)について、臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)
段階にあります。
当社は、公的機関からの資金助成を受け、多くの医師主導型臨床治験を実施してきた強固な実績を有していま
す。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。本社所在地はアメリカ合衆国カリフォルニア州
ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




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