アサシス社による急性呼吸窮迫症候群に対する探索的臨床試験結果のお知らせ

2019 年1月 24 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代 表 者 名 代 表 執 行 役 社 長 CEO 鍵 本 忠 尚
(コード番号:4593 東証マザーズ)




アサシス社による急性呼吸窮迫症候群に対する探索的臨床試験結果のお知らせ

当社は、米国 Athersys, Inc.(以下、アサシス社といいます。)の創製した幹細胞製品 MultiStem®を用いて、
日本国内において脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とした治療法開発を進めており
ます。
米国東部時間 2019 年1月 23 日、アサシス社より、同社が米英にて ARDS 患者に対して実施した、MultiStem
を用いた細胞治療の探索的治験結果の速報が発表されましたので、その概要をお知らせいたします。


アサシス社は MultiStem を用いた、中等度から重症の ARDS 患者を対象とした探索的試験を実施しておりま
す。本試験の試験デザインは、用量検討試験(フェーズ 1 パート)とプラセボ対照二重盲検試験(フェーズ 2
パート)の 2 つで構成され、ARDS 患者に ARDS と診断されてから 4 日以内に MultiStem を投与します。本試
験に組入れられた患者はフェーズ 1 パートが 6 名、フェーズ 2 パートが 30 名(MultiStem が投与された患者は
20 名、プラセボが投与された患者は 10 名)でした。本試験は MultiStem 又はプラセボ投与後 1 年間のフォロ
ーアップ期間が設定されていますが、今回の結果は投与後 28 日後における評価になり、結果は以下の通りで
す。
 死亡率は MultiStem 投与群では 25%、プラセボ群では 40%
 人工呼吸器から離脱できた日数が 40.2%長かった(MultiStem 投与群では 12.9 日、プラセボ群では 9.2
日)
 ICU 管理が必要でなかった日数が 27.2%長かった(MultiStem 投与群では 10.3 日、プラセボ群では 8.1
日)
また、重症の ARDS 患者においては
 死亡率は MultiStem 投与群では 25%、プラセボ群では 50%
 人工呼吸器から離脱できた日数は MultiStem 投与群では 14.6 日、プラセボ群では 8.0 日
 ICU 管理が必要でなかった日数は MultiStem 投与群では 11.4 日、プラセボ群では 5.9 日
であり、MultiStem 投与群とプラセボ群の差が拡大していました。
また、本試験では因果関係が否定できない重篤な有害事象は発現しておらず、ARDS 患者に対する忍容性及
び安全性は良好でした。なお、当初の発表の通り、本試験は有効性を検出するものとしては計画されてはおり
ません。
今後アサシス社は全ての患者の 1 年間のフォローアップを継続し、データ解析を進めます。またアサシス社
と治験責任医師により追加解析が行われた後、いずれかの学会で発表される予定です。
※全文はアサシス社からの発表をご覧ください。


当社は、2018 年 11 月8日に「体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 の日本における急性呼吸窮迫症候群を対象と
する臨床試験の実施について」にて発表いたしましたとおり、治験計画届書を提出し、現在各医療機関での必
要な手続きを進めております。アサシス社の実施した探索的治験とは一部試験デザインが異なり、肺炎を原因
とする ARDS 患者を対象とし、非盲検下にて標準治療を対照として有効性及び安全性を検討する予定です。
今後、医療機関での治験審査委員会等の手続きが完了し、患者投与が開始された際にはお知らせいたします。


以上


本件に関するお問合せ先
株式会社ヘリオス 広報担当
pr@healios.jp

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