ステムアクソン社とのライセンス契約締結に向けたオプション権行使のお知らせ

2022 年7月 12 日
各 位

会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代表者名 代表執行役社長 CEO 鍵 本 忠 尚
(コード番号: 4593 東証グロース)



ステムアクソン社とのライセンス契約締結に向けた
オプション権行使のお知らせ


当社は、カナダのバイオベンチャー企業である STEMAXON(本社:カナダ モントリオ
ール、CEO:Gilbert Bernier, PhD、以下、ステムアクソン社と言います。)と、iPS 細胞を含
めた幹細胞から視細胞への分化誘導技術に関するライセンス契約締結に向け、オプション
権を行使して独占交渉を開始したことをお知らせいたします。

当社は、遺伝子編集技術を用い免疫拒絶反応の抑制を可能にする他家 iPS 細胞、ユニバ
ーサルドナーセル※1(Universal Donor Cell: 以下、UDC と言います。 )の研究・開発を進め
ており、網膜疾患を対象にステムアクソン社と UDC を用いた視細胞の分化誘導方法の確
立を目的とした共同研究※2 を進めてまいりました。 今般、 UDC より分化誘導した視細胞の
動物モデル(ミニブタ)での移植実験において視機能回復が確認されたことを受け、ステ
ムアクソン社が有する知的財産について、世界での独占的ライセンス権を取得するための
独占交渉を開始しました。なお、本独占交渉権は、上記共同研究契約のオプションとして
当初より予定されていたものです。

視細胞は、網膜を構成する細胞の1つで、特に光に反応する細胞であり、様々な網膜疾
患において、その損傷により視力が低下します。ステムアクソン社と当社の技術を組み合
わせることで、二次元大量培養での作製に成功した視細胞は、色を感じる錐体細胞優位の
極性を持った視細胞シートであり、視力改善の障害となりうる双極細胞など不要な細胞の
混入が少ないことを確認しています。今後、様々な網膜疾患に対する治療薬への利用が期
待されます。

当社は、『生きる』を増やす。爆発的に。
「 」というミッションの下、幹細胞技術をもって
難治性疾患を罹患された方々に治癒と希望を届けるべく、様々な分野で新たな治療法の研
究を行っております。ヘリオス独自の UDC を用いた iPSC プラットフォームを活用し、さ
らなるパイプラインの充実を図るとともに、引き続き他の製薬企業等とのパートナーリン
グを目指してまいります。

本件による新たな費用の発生はなく、当社連結業績への影響はありません。今後、開示
すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

以上





*1 UDC
免疫拒絶反応を抑えた他家 iPS 細胞です。 通常、 移植細胞は患者との HLA 型を一致させ
ない場合には、免疫拒絶反応を起こします。そのため、移植時には免疫抑制剤の投与が必
要となりますが、患者の負担も大きくなります。免疫抑制剤の投与を回避するためには、
自らの細胞から作製する自家 iPS 細胞の使用が望ましいものの、 この作製には多くの時間
と多額の費用が必要となります。UDC は、遺伝子編集技術を用い、免疫拒絶反応の抑制を
可能にする iPS 細胞です。当社の UDC は、他家 iPS 細胞から拒絶反応を引き起こす HLA
遺伝子を除去し、その細胞に免疫抑制関連遺伝子、および安全装置としての自殺遺伝子を
導入した、安全な細胞医薬品の原材料となりうる細胞です。iPS 細胞本来の特長である無
限の自己複製能力や、様々な細胞に分化する多能性を維持しながら、免疫拒絶を抑え安全
性を高めた再生医療等製品創出のための次世代技術プラットフォームです。

*2 ステムアクソン社との共同研究契約
2017 年 11 月 24 日に、錐体細胞(色を感じる細胞)優位な視細胞の分化誘導技術を有するス
テムアクソン社との共同研究及び、彼らが所有する視細胞分化に関する知財の独占的オプション
権取得を含む契約を締結しました。本契約に基づき、ヘリオスは UDC を提供し、ステムアクソン社
は UDC から視細胞を分化誘導し、動物モデル(ミニブタ)での生着、視力改善を確認しました。

■ステムアクソン社について
ステムアクソン社は、モントリオールにあるカナダのバイオテクノロジー企業で、幹細
胞技術を専門としています。散発性アルツハイマー病の薬剤開発と疾患モデリングでのリ
ーダーとなることを目指しています。また、細胞治療アプリケーションのための光受容細
胞 (視細胞) への iPS 細胞からの分化技術の開発を進めています。 https://www.stemaxon.com/
Article:
Differentiation of human embryonic stem cells into cone photoreceptors through
simultaneous inhibition of BMP, TGFβ and Wnt signaling

■株式会社ヘリオスについて
再生医療は、世界中の難治性疾患の罹患者に対する新たな治療法として期待されてい
る分野であり、製品開発・実用化へ向けた取り組みが広がり、近い将来大きな市場となる
ことが見込まれています。ヘリオスは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)等を用いた再生医
薬品開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有する
バイオテクノロジー企業です。2011年に設立、2015年に株式上場(東証グロース:4593)
し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。
独自の遺伝子編集技術を用いて免疫拒絶のリスクを低減する次世代iPS細胞、ユニバー
サルドナーセル(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、がん免疫領域、眼科領域、肝疾
患等において、iPS細胞技術を用いた新たな治療薬の創出のための取り組みを進めていま
す。iPS細胞由来の再生医療等製品としての第一候補であるHLCN061は、固形がんに対す
る殺傷能力を遺伝子編集により強化した次世代のNK細胞治療薬です。また、体性幹細胞
再生医薬品を用いて日本国内における脳梗塞急性期および急性呼吸窮迫症候群に関する治
験を実施し、申請に向け規制当局との協議を進めています。https://www.healios.co.jp/

本件に関するお問合せ先
コーポレートコミュニケーション室
ir@healios.jp





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