eNK細胞を用いた治験に関する再生医療等製品品質相談を実施

2022 年7月 12 日
各 位

会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代表者名 代表執行役社長 CEO 鍵 本 忠 尚
(コード番号: 4593 東証グロース)



eNK 細胞を用いた治験に関する再生医療等製品品質相談を実施


当社は、iPSC 再生医薬品分野において、固形がんを対象に、遺伝子編集技術により特定
機能を強化した他家 iPS 細胞由来 NK 細胞*1(開発コード:HLCN061、以下、eNK 細胞と
言います。 )を用いた次世代がん免疫細胞療法の研究・開発を推進しております。この度、
eNK 細胞を用いた治験開始に向け、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) *2 より
治験製品の品質に関する助言を受けるため、再生医療等製品品質相談*3(以下、 「本相談」
と言います。 )を実施しました。

本相談を開始した背景として、当社では、eNK 細胞の作製に成功するとともに、eNK
細胞が肺がんモデルマウスやヒト肝がんモデルマウスに対して抗腫瘍効果を有することを
確認し、引き続き評価を進めております。また、国立研究開発法人国立がん研究センタ
ー、国立大学法人広島大学大学院並びに兵庫医科大学との共同研究を通じて、様々な病態
モデルマウスを用いた抗腫瘍効果等の評価を進めております。さらに今後の治験製品の製
造を想定し、効率的かつ安定的な eNK 細胞の大量生産が可能な三次元培養法(バイオリ
アクターを用いた三次元灌流培養法)を確立し、これらの技術をベースとした細胞加工製
造用施設(Cell Processing Center)の本稼動を開始しました。


このように治験開始に向けた準備を進める中、その一環として、HLCN061 に関するゲ
ノム解析及びその評価についての相談を実施しました。当社は、2024 年度中に計画して
いる治験届提出ならびに治験開始に向け、引き続き開発の段階に応じて PMDA との相談
を進めてまいります。


がん疾患は、分子標的薬やがん免疫療法の登場により、その治療成績の向上が見られ
ていますが、未だ治療効果の低い疾患領域です。当社は引き続き固形がんに対する有効な
治療法の研究・開発を推進いたします。
以上



*1 NK 細胞
NK(ナチュラルキラー)細胞は、人間の体に生まれながらに備わっている防衛機構で、
がん細胞やウイルス感染細胞などを攻撃する白血球の一種です。さらに白血球の分類にお
いてはリンパ球に分類されます。NK 細胞を用いた治療の有効性としては延命効果、症状
の緩和や生活の質の改善、治癒が期待されています。





*2 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を
図り(健康被害救済) 、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験
前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査) 、市販後における安全性に関す
る情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献する
ことを目的としています。
治験依頼者等からの申し込みに応じて、医薬品・医療機器・再生医療等製品等の治験
や再評価・再審査にかかる臨床試験について指導・助言を行っています。


*3 再生医療等製品品質相談
加工細胞等及び再生医療等製品の規格・試験方法、安定性、製造方法等の品質に関す
る事項に特化した相談として指導及び助言を受けるものです。
https://www.pmda.go.jp/review-services/f2f-pre/consultations/0035.html



■ヘリオス eNK細胞について
eNK 細胞は、遺伝子編集技術により細胞傷害活性の増強だけでなく、患者免疫細胞のリ
クルート (呼び込み) や固形がんへの浸潤特性も強化された、 当社独自の遺伝子編集 iPSC-
NK 細胞プラットフォームです。
当社では、自社研究の成果として、eNK 細胞の作製に成功するとともに、eNK 細胞がヒ
ト肺がん細胞生着マウスモデルやヒト肝がん細胞生着モデルマウスに対して抗腫瘍効果を
有することを確認しました。また、国立研究開発法人国立がん研究センターと現在共同研
究にて、国立がん研究センターが保有する複数種類のがん種に由来する PDX(Patient-
Derived Xenograft:患者腫瘍組織移植片)マウスを用いて eNK 細胞の抗腫瘍効果等の評価
を進めております。さらに、国立大学法人広島大学大学院と、eNK 細胞を用いた肝細胞が
んに対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を、兵庫医科大学と、eNK 細胞を用いた中
皮腫に対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を進めております。当社は、治験の開始
に向けて、eNK 細胞が抗腫瘍効果をより発揮しやすい固形がんの種類の探索・評価を進め
ています。



■株式会社ヘリオスについて
再生医療は、世界中の難治性疾患の罹患者に対する新たな治療法として期待されてい
る分野であり、製品開発・実用化へ向けた取り組みが広がり、近い将来大きな市場となる
ことが見込まれています。ヘリオスは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)等を用いた再生医
薬品開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有する
バイオテクノロジー企業です。2011年に設立、2015年に株式上場(東証グロース:4593)
し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。
独自の遺伝子編集技術を用いて免疫拒絶のリスクを低減する次世代iPS細胞、ユニバー
サルドナーセル(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、がん免疫領域、眼科領域、肝疾
患等において、iPS細胞技術を用いた新たな治療薬の創出のための取り組みを進めていま
す。iPS細胞由来の再生医療等製品としての第一候補であるHLCN061は、固形がんに対す
る殺傷能力を遺伝子編集により強化した次世代のNK細胞治療薬です。また、現在、体性
幹細胞再生医薬品を用いて日本国内における脳梗塞急性期および急性呼吸窮迫症候群に関





する治験を実施し、申請に向け規制当局との協議を進めています。
(詳細はhttps://www.healios.co.jp/をご覧ください。)



本件に関するお問合せ先
コーポレートコミュニケーション室
ir@healios.jp





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