脳梗塞を対象とした米国フェーズ1/2a試験結果を国際幹細胞学会(ISSCR)で発表

2016 年 6 月 27 日
サンバイオ株式会社




脳梗塞を対象とした米国フェーズ 1/2a 試験結果を
国際幹細胞学会(ISSCR)で発表

2016 年 6 月 24 日(日本時間 2016 年 6 月 25 日)、米国カリフォルニア州マウンテンビュー発―神経
系疾患を対象に再生細胞薬の開発・製造を手掛ける当社グループ(サンバイオ株式会社及びその子会
社である SanBio, Inc.) は、今般、米国サンフランシスコで開催された国際幹細胞学会(ISSCR)にて、
脳梗塞により運動障害をきたした慢性期の患者を対象に行ったフェーズ 1/2a 試験で得られた結果を発
表しましたので、お知らせします。これまでの試験では、当社グループが開発している再生細胞薬
SB623(以下、「本剤」)の安全性および忍容性のほか、脳梗塞発症後 6 ヵ月から 5 年が経過した患者
様の運動機能の改善が確認されています。


本試験は、北米において脳梗塞の治療として脳内へ細胞を移植した最初の臨床試験です。患者 18 例
を対象とした非盲検単回投与試験であり、脳梗塞発作後 6 ヵ月以上が経過した運動障害を有する慢性
期の患者様を対象に実施しました。本剤は、健康な成人ドナーの骨髄から採取し一過性に遺伝子導入
した間葉系幹細胞を培養したもので、脳内の神経組織に投与されると細胞の自然な再生機能を誘発す
ることで機能の改善を促します。


本試験では、本剤を投与した患者 16 例について、European Stroke Scale、National Institutes of
Health Stroke Scale、Fugl-Meyer Total Score 及び Fugl-Meyer Motor Function Total Score など多
くの有効性評価項目において統計学的に有意な運動機能の改善が示されました。当社グループのチ
ーフ・メディカル・オフィサー兼リサーチヘッドのダミアン・ベイツ医師は、「これは、脳梗塞によって慢性
的な運動障害を持つ患者様にとって有効な治療法を提供する大きな一歩になりました」とコメントしてい
ます。


本試験における本剤の投与は安全でかつ忍容性は良好でした。すべての患者で本治療に関連する軽
度の有害事象が報告されましたが、そのほとんどが頭痛であり、本剤を起因とする重篤な副作用の報告
はありませんでした。当社グループの臨床開発部長のジェリー・ルー医師は、「本試験の投与後 12 か月
後の試験結果を受け、その素晴らしい結果に大変満足しています。」とコメントしています。


本試験については、投与後 24 か月まで経過観察を行い、その結果については、今後公表する予定で
す。本試験における良好な結果を受け、当社グループは、北米地域における共同開発パートナーであ
る大日本住友製薬株式会社とともに、2015 年に慢性期脳梗塞を対象としたフェーズ 2b 試験を米国で



開始しました。外傷性脳損傷を起因とする慢性期の運動障害を対象としたフェーズ2試験については、
2015 年に当社グループ単独で試験を開始しています。



再生細胞薬について
当社グループが手掛ける再生細胞薬は、病気・事故等で失われた身体機能の自然な再生プロセスを
誘引ないしは促進させ、運動機能、感覚機能、認知機能を再生させる効能が期待される医薬品です。


SanBio, Inc.およびサンバイオ株式会社(以下「当社グループ」という)について
当社グループは、再生細胞薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける再生細胞事業を展開していま
す。当社独自の再生細胞薬である SB623 は、米国において、慢性期脳梗塞を対象に第 2b 相臨床試
験を、および、外傷性脳損傷を対象に第 2 相臨床試験を実施中です。東京を本社とし、米国のカリフォ
ルニア州マウンテンビューに研究開発の主たる拠点を構えています。



本件に関するお問い合わせ先
サンバイオ株式会社
経営管理部
電話:03-6264-3481





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