脳梗塞を対象とした米国フェーズ1/2a試験の投与後12ヵ月経過時の結果をStroke誌に発表

脳梗塞を対象とした米国フェーズ 1/2a 試験の
投与後 12 ヵ月経過時の結果を Stroke 誌に発表

2016 年 6 月 2 日、米国カリフォルニア州マウンテンビュー発―神経系疾患を対象に再生細胞薬の開
発・製造を手掛ける当社グループ(サンバイオ株式会社及びその子会社である SanBio, Inc.) は、今般、
American Heart Association(米国心臓協会)が発刊している専門誌 Stroke に、論文「脳梗塞患者を
対象とした、一過性に遺伝子導入した 骨髄由来間 葉系幹細胞を 用いたフェーズ 1/2a 試験 結果
(Clinical Outcomes of Transplanted Modified Bone Marrow-Derived Mesenchymal Stem Cells in
Stroke: A Phase 1/2a Study)」を発表しましたのでお知らせします。本論文では、脳梗塞により運動障
害をきたした慢性期の患者を対象に再生細胞薬 SB623(以下、「本剤」)を投与した 2 年間の臨床試験
で得られた、本剤投与後 12 ヵ月までの試験データを発表しています。本論文では、脳梗塞発症後 6 ヵ
月から 5 年が経過した慢性期の運動障害を持つ患者に対する、本剤投与の忍容性および有効性のデ
ータが示されました。


当社グループのチーフ・メディカル・オフィサー兼リサーチヘッドのダミアン・ベイツ(Damien Bates)医
師は次のように述べています。「北米において、本試験が脳梗塞治療としては脳内へ細胞を移植した最
初の臨床試験であり、本治療の素晴らしい成果に関する論文が Stroke 誌に掲載されることとなり、大変
嬉しく思っています。本試験データは、本剤の患者への投与の忍容性が確認されただけでなく、投与後
に運動機能の有意な改善が認められたことを示しています。この結果によって、慢性期脳梗塞の治療
に取り組んでいる先生方や脳梗塞により長期にわたり苦しんでおられる多くの患者様を勇気づけること
ができると考えております。」


本試験は、患者 18 例を対象とした非盲検単回投与試験であり、対象は、脳梗塞発作後 6 ヵ月以上が
経過した運動障害を有する慢性期の患者で、3つの異なる用量グループに分けられ実施されました。


当社グループ独自の再生細胞薬 SB623 は、健康な成人ドナーの骨髄から採取された間葉系幹細胞を
加工・培養したものであり、脳内の神経組織に投与されると、自然な再生機能を誘発することで運動機
能の改善を促します。


今回のデータにより、European Stroke Scale、National Institutes of Health Stroke Scale、Fugl-
Meyer Total Score 及び Fugl-Meyer Motor Function Total Score など多くの有効性評価項目におい




て、本剤投与後 12 か月を経過した患者 16 例について、統計学的に有意な運動機能の改善が示され
ました。


また、本試験における本剤の投与は安全でかつ忍容性は良好でした。すべての患者で本治療に関連
する軽度の有害事象が報告されましたが、そのほとんどが頭痛であり、本剤を起因とする重篤な副作用
の報告はありませんでした。


再生細胞薬について
当社グループが手掛ける再生細胞薬は、病気・事故等で失われた身体機能の自然な再生プロセスを
誘引ないしは促進させ、運動機能、感覚機能、認知機能を再生させる効能が期待される医薬品です。


SanBio, Inc.およびサンバイオ株式会社(以下「当社グループ」という)について
当社グループは、再生細胞薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける再生細胞事業を展開していま
す。当社独自の再生細胞薬である SB623 は、米国において、慢性期脳梗塞を対象に第 2b 相臨床試
験を、および、外傷性脳損傷を対象に第 2 相臨床試験を実施中です。東京を本社とし、米国のカリフォ
ルニア州マウンテンビューに研究開発の主たる拠点を構えています。



本件に関するお問い合わせ先
サンバイオ株式会社
経営管理部
電話:03-6264-3481





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