東京慈恵会医科大学との共同研究の成果に関する論文掲載のお知らせ

2019 年 11 月 26 日
PR 情報

各 位
会 社 名 株式会社カイオム・バイオサイエンス
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 小 林 茂
(コード:4583 東証マザーズ)



東京慈恵会医科大学との共同研究の成果に関する論文掲載のお知らせ



当社は、東京慈恵会医科大学・内科学講座 消化器・肝臓内科(光永眞人 講師)との共同研究(以下、本
研究)において、当社が開発した LIV-2008b ヒト化抗 TROP-2 抗体を用いて胆道がん・膵がんを標的とした光
免疫療法の可能性について検討し、その研究に関する研究成果が米国の論文誌「Cancer Medicine」に掲載さ
れましたので、お知らせいたします。


 論文概要
タイトル: 「Photoimmunotherapy targeting biliary-pancreatic cancer with humanized anti-TROP2
antibody」
(和訳:ヒト化抗 TROP2 抗体を用いた胆道がん・膵がんを標的とする光免疫療法)


著 者: Takashi Nishimura, Makoto Mitsunaga, Ryoichi Sawada, Masayuki Saruta, Hisataka
Kobayashi, Noriko Matsumoto, Toru Kanke, Hiroyuki Yanai, Koji Nakamura


概 要:
本試験では、ヒト化抗 TROP-2 モノクローナル抗体に、光感受性色素である IR700 を結合させた抗体複合
体(TROP2-IR700)を合成し、膵臓がんと胆道がん細胞株に対する抗腫瘍効果を検討した。がん細胞に
TROP2-IR700 を添加し、近赤外光を照射して IR700 を活性化させると TROP-2 選択的にがん細胞株を殺傷
し、更にがん細胞株を移植した担がんマウスにおいて、TROP2-IR700 を投与し腫瘍部に近赤外光を照射する
と腫瘍形成が有意に阻害されることが明らかとなった。TROP-2 は膵臓がんや胆道がんを含む多くの癌にお
いて高発現している膜タンパク質であり、予後やがんの悪性度との相関が示されている。今回の研究の成果
は、TROP-2 を標的とした光免疫療法が、予後不良で治療法の選択枝が少ない膵臓がんや胆道がんの新たな
治療方法となりうる可能性を示唆する。


掲 載 先: 米国医学論文誌 Cancer Medicine*1
▼論文全文は下記よりご覧いただけます。
(英語サイト)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cam4.2658?af=R



*1 Cancer Medicine
米国に本社を置く John Wiley & Sons 社が 2012 年に創刊した、がん生物学、がん臨床研究、がん予防学を中心とした
分野に関する研究をカバーする査読つき医学論文誌です。
(https://onlinelibrary.wiley.com/journal/20457634)




<LIV-2008/LIV-2008b について>
LIV-2008/LIV-2008b は、当社が開発した、細胞膜タンパク質である TROP-2 をターゲットとしたヒト化モノ
クローナル抗体です。TROP-2 は、多くの固形がんにおいて正常組織に比べ発現が増大しており、がんの悪性
度に関連していることが複数報告されている分子です。LIV-2008 と 2008b は同じ TROP-2 をターゲットとしま



すがそれぞれ特徴の異なる抗体であり、LIV-2008 の Naked 抗体は動物モデルでの単回投与試験で複数の癌種
において腫瘍増殖阻害効果を示しております。LIV-2008b は、インターナリゼーション活性*2 を有しているた
め、ADC 抗体*3 としての開発も期待できる抗体です。2019 年 11 月現在、LIV-2008/LIV-2008b は導出活動中で
あり、複数の海外企業での評価が継続しています。


*2 抗体が標的抗原に結合した後で、細胞内に取り込まれる現象。
*3 抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate)のこと。薬剤や放射性物質等を結合し、標的分子を発現する細胞特異
的に障害を誘導する抗体との複合体
以 上



【本件に関する問い合わせ】
株式会社カイオム・バイオサイエンス IR 担当
電話:03-6383-3746





4708