CDC7阻害剤monzosertibに関するアメリカ癌学会(AACR)年次総会でのポスター発表概要

2024年4月10日
各 位
会 社 名 カルナバイオサイエンス株式会社
代表者名 代表取締役社長 吉野 公一郎
(コード番号:4572)
問合せ先 取締役経営管理本部長 山本 詠美
(TEL: 078-302-7075)


CDC7阻害剤monzosertibに関するアメリカ癌学会(AACR)年次総会でのポスター発表概要

当社は、米国カリフォルニア州サンディエゴで2024年4月5日から10日まで開催中のアメリカ癌学会
年次総会(American Association for Cancer Research Annual Meeting 2024) において、当社が開発
中のCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141)の非臨床研究に関する発表を行いましたので、その概要をお知
らせいたします。
monzosertibは当社が創製したCell division cycle 7 (CDC7)キナーゼの強力かつ選択的な阻害剤で
あり、現在、日本国内において進行・再発・難治性又は遠隔転移を伴う悪性腫瘍患者を対象とした臨床
試験を実施中です。
急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML)は、骨髄系の血液細胞ががん化する疾患であり、
治療を行わないと急速に進行します。血液がんの治療法は近年進歩がみられるものの、再発・難治性
AML患者では化学療法の効果が不十分であり、また治療選択肢が限られていることから、AML全体とし
て予後はいまだ不良です。そのため、AMLの予後改善が期待できる新しい治療法の開発が非常に望まれ
ています。本ポスターでは、ヒトAML細胞株に対するmonzosertib単剤の抗腫瘍効果および、monzosertib
と既存のAML治療薬との組み合わせによる併用効果に関して報告いたしました。本ポスターの発表概要
は以下のとおりです。


<発表の概要>
ポスタータイトル:Synergistic effect of the CDC7 inhibitor, monzosertib (AS-0141) with
current therapies in AML models


 monzosertibはCDC7キナーゼを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能な医薬品候補化合物であ
る。
 monzosertibは時間依存的にCDC7を阻害する新しい阻害様式を有する低分子阻害剤である。
 monzosertibは様々ながん種のヒト細胞株パネルにおいて細胞増殖抑制活性を示したが、特にAML
細胞株に対して強い活性を示した。
 AML治療薬であるDNAメチル基転移酵素(DNMT)阻害薬のアザシチジンやデシタビンとの組み合わ
せで、monzosertibはヒトAML細胞株に対して優れた併用効果を示した。
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 B細胞リンパ腫因子-2(BCL-2)阻害薬ベネトクラクスとの組み合わせにおいても、monzosertibは
ヒトAML細胞株に対して優れた併用効果を示し、ヒトAML細胞株のひとつであるMV-4-11細胞を移植
したAMLマウスモデルにおいて優れた抗腫瘍効果を示した。
 monzosertibは進行・再発・難治性又は遠隔転移を伴う悪性腫瘍患者を対象としたフェーズ1試験
用量漸増パートを日本国内で実施中である。


以上


CDC7阻害剤monzosertibについて
monzosertib(AS-0141)は当社が創製した CDC7 キナーゼを選択的に強く阻害する医薬品候補化合物で
す。CDC7 (cell division cycle 7) キナーゼは、細胞周期において染色体複製開始の制御に重要な役割
をしていますが、細胞周期制御が異常であるがん細胞において CDC7 活性を阻害すると、がん細胞が死ぬ
ことが知られています。一方で、正常細胞は、細胞周期が正常であるため、CDC7 活性が阻害されても死
ぬことはなく、
この点から CDC7 阻害剤は非常に副作用の少ない新しい治療薬になると期待されています。
CDC7 は、いくつかのがんで過剰発現していることが報告されており、CDC7 阻害薬は、これらのがんの新
しい治療薬として期待が寄せられています。カルナバイオサイエンスでは、特異的な CDC7 阻害剤
monzosertib の創出に成功しており、様々ながんを標的とした画期的な治療薬の開発を目指しています。




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