SLAS2024におけるBioPhase 8800を用いた次世代プロファイリングの 開発進捗発表のお知らせ

2024年2月8日
各 位
会 社 名 カルナバイオサイエンス株式会社
代表者名 代表取締役社長 吉野 公一郎
(コード番号:4572)
問合せ先 取締役経営管理本部長 山本 詠美
(TEL: 078-302-7075)


SLAS2024におけるBioPhase 8800を用いた次世代プロファイリングの
開発進捗発表のお知らせ


当社は、次世代モビリティーシフトアッセイ(MSA)機器(キャピラリー電気泳動機器)として、SCIEX
社の BioPhase 8800 を使用したプロファイリングサービス開始に向けた開発進捗の結果を、2月3日から
米国ボストンにて開催されているSLAS2024 International Conference and Exhibition(SLAS2024)で
発表いたしました。


Caliper Lifesciences/Perkin Elmer (Revvity)社 によって商業化されたMSAは、様々な酵素反応の基
質と生成物とを分離するための手法で、創薬研究において20年以上にわたって広く利用されています。
当社は、自社のキナーゼ創薬研究のためだけでなく、キナーゼたんぱく質(キナーゼ)の製造時の活性測
定や化合物プロファイリングなどのために、この技術を早期に採用した企業の一つです。しかしながら、
Perkin Elmer社が、同社MSA測定機器であるEZ Reader IIのサポートを本年末で完全に終了することを発
表したため、当社プロファイリングチームはこれまで培ってきたMSAの専門知識を活用して、SCIEX社の
BioPhase 8800を代替機として選定し、BioPhase 8800向けのMSAの新しいプロトコルと測定システムを開
発しました。
バイオ医薬品の複数サンプルを同時処理する為に開発された高感度且つハイスループットな分析用機
器であるBioPhase 8800をキナーゼの活性測定に応用するために、蛍光標識された基質ペプチドとキナー
ゼによりリン酸化された基質ペプチドの分離条件を徹底的に検討しました。また、数百種類のキナーゼ
に対して、分離するためのバッファー条件、測定電圧やキャピラリーにかける圧力などの条件設定、さら
にはソフトウェアのピーク認識と統合や複数サンプルを大量に処理するための測定の自動化まであらゆ
る側面について検討しました。自動化については、別途導入したロボットアームやスタッカーを組み合
わせ、多数の測定プレートを無人で連続的に測定するシステムを完成させました。 その結果、完成した
新しいシステムにより中程度のスループットで従来のMSAと同等の品質で多数の測定を実施することが
可能となりました。また、本システムによるデータは、ポスターに示したようにこれまでのEZ Reader II
のデータと高い相関性を示すことが確認されました。
BioPhase 8800を用いたMSAを確立したことにより、当社は、自社の組み換えタンパク質製品を迅速か
つ正確に品質管理できるだけでなく、キナーゼ阻害剤プロファイリングサービスをこれまで通りの高品
質で継続することが可能になりました。現在、さらなる測定条件の最適化とデータ解析の自動化が進行
中であり、今春のサービス開始を目指しています。BioPhase 8800を用いた信頼性の高い次世代のMSAに
よるプロファイリングサービスの継続は、当社のプロファイリングビジネスの成長に大きく貢献すると
期待しています。


また、本発表の会場においては、学会参加者から過去のデータとの相関性の高さに感銘を受けた、優れ
た品質でのプロファイリングデータを継続的に提供されることに確信を得た、など本BioPhase 8800を用
いたMSAによるプロファイリングサービスに期待するコメントが寄せられました。


本発表のポスターにつきましては当社ホームページで公開しておりますので、ご参照下さい。
(URL)https://www.carnabio.com/output/catalog_download/26_ja.pdf




新プロファイリングシステム
ScieX 社 BioPhase8800 に、専用にプログラ
ミングしたロボットアームを連動


以 上


SLAS2024について
SLASは技術を科学的に活用することにフォーカスした世界中の産官学の研究者からなる非営利の専門家
のコミュニティーです。本年の学会では生命科学に関する技術とラボオートメーションに関する、9つに
及ぶ教育的セッションをはじめとする150以上の革新的な発表がされました。




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