静岡大学「農知創造研究所」との共同研究内容の発表に関するお知らせ

2022 年 9 月 20 日
各 位


会 社 名 株式会社 大和コンピューター
代表者名 代表取締役社長 中村 憲司
(コード番号:3816 東証スタンダード)
問合せ先 取締役専務執行役員 林 正
電話番号 072(676)2221


静岡大学「農知創造研究所」との共同研究内容の発表に関するお知らせ

株式会社大和コンピューター(所在地:大阪府高槻市、代表取締役社長:中村憲司)は、国立大学法人静岡大学(所
在地:静岡県静岡市、学長:日詰一幸)との農知創造研究に関する共同研究により、温室メロンの網目の品質を
認識可能な等級判定 AI(人工知能)の研究開発に成功しましたので、お知らせいたします。

■論文情報
掲載誌: 情報処理学会 研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS), 2022-CDS-35(32)
(https://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/event/mbl104ubi75cds35asd24.html)
論文タイトル: メロン画像特徴量の類似度を用いた等級判定技能習得支援システムの提案
著者: 小池 誠(静岡大学大学院 自然科学系教育部情報科学専攻) 小川 晋(
、 (株)大和コンピューター)、
峰野博史(静岡大学 学術院 情報学領域/グリーン科学技術研究所)
※本研究は、JST 創発的研究支援事業の支援も受けて実施されました。
研究課題名: マルチモーダルフェノタイピングによる適応型情報協働栽培手法の確立
研究代表者: 峰野博史


概要: 温室メロンは、国内では贈答用などに用いられる高級果実として認知されています。そのため、大き
さや糖度といった品質に加え、果実の形状が整っていることや網目の色合い、網目形状の均一さなどの外観の品
質も重要視されています(図1)。現状、このような外観の品質の判断は熟練生産者が目視確認で行ってきました
が、判定作業には多くの時間を要することや、生産者ごとに判断基準がバラつくため等級付けの一貫性が保たれ
ないことが課題でした。
(株)大和コンピューターと静岡大学の峰野研究室では、一般的な RGB カメラで取得したメロン表皮の 360°
全周映像データ(図2)からメロン表皮の全周を表した網目画像と輪郭画像を生成し、等級判定に寄与した部位
を表現する Activation Map と深層距離学習によって網目の品質を定量化(ベクトル化)することで、熟練生産
者の等級判定を約 82%で再現する等級判定 AI を開発しました。本技術を用いて、熟練生産者の等級判断の根拠と
なった網目の部位の可視化(図3)や、等級ごとの類似度をレーダーチャートで表示(図4)でき、熟練生産者
の見立てでも妥当(約 98%)であるという基礎実験結果を得ました(特許出願中)。
本技術は、温室メロンだけでなく、外観の品質判定が重要な農産物や工業製品に展開することが可能です。今
後、開発した等級判定 AI を活用することで、一貫性を持った等級判定と出荷作業の効率化を図り、生産者の負荷
軽減や新規就農者への等級判定技術の継承に貢献すると共に、 との協働による持続可能な地域社会の実現を目
AI
指していきます。
図1.メロンの等級判定の例




図2.AI が学習するメロン全周画像(BigRoots(*1)農場にて収穫)




図3.メロン等級判定の根拠となる部位(特徴)を可視化した様子
図4.AI による等級判定度合いをレーダーチャートで表現




■当社は、「IT で結ぶ農業『i-農業®(*2)』」をテーマに、静岡県袋井市において自社農場を用いて、農産物の
生産・販売、栽培システムなどの構築を推進し、農業の ICT 化に取り組んでいます。

なお、本共同研究の締結により、農業に関する活動の推進に寄与することと考えておりますが、当社の
2023 年 7 月期の業績に与える影響は、現時点においては軽微となる見通しであります。

(*1) BigRoots は、㈱大和コンピューターが静岡県袋井市で運営している農場です。
(*2) i-農業®は、㈱大和コンピューターの登録商標です。 (登録商標第 5243687 号)

以 上

5337