デジタル地域通貨「近鉄ハルカスコイン」の実用化に向け、大阪市、地元商店会と連携して第2回社会実験を実施

2018年9月7日

近鉄グループホールディングス株式会社
株式会社三菱総合研究所




デジタル地域通貨「近鉄ハルカスコイン」の実用化に向け、
大阪市、地元商店会と連携して第 2 回社会実験を実施
~あべの・天王寺エリアに利用範囲を拡大~
近鉄グループホールディングス株式会社(本社:大阪市天王寺区、代表取締役社長:吉田 昌功、 「近鉄」
以下 )
と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森崎 孝、以下「MRI」 )は、
ブロックチェーン技術を活用したデジタル地域通貨「近鉄ハルカスコイン」の実用化に向け、大阪市、地元商店
会と連携して第2回社会実験を実施します。このデジタル地域通貨は、お客さまが自らのスマートフォンを使っ
て簡単にお支払いできるもので、現在、国が掲げる「キャッシュレス社会」の実現を推進していくものです。
今後、近鉄とMRIは、社会実験の成果をもとに、ブロックチェーン技術にさまざまなサービスを付加した、
地域創生に資するイノベーションプラットフォームの確立を共同で図ります。 さらに、このプラットフォームを
全国の企業や自治体などに積極的に提供していく予定です。
(1)第2回社会実験概要
①期 間:10月1日(月)から12月10日(月)まで、2カ月以上にわたり実施します。
②参加施設:利用可能施設数が前回より大幅に増加します(200店舗から約400店舗に増加)
・あべのハルカス:近鉄百貨店、あべのハルカス美術館、ハルカス300(展望台)
、Hoop、
あべの and
・周辺テナントビル等:きんえいアポロビル・ルシアスビル、あべのアポロシネマ、てんしば
・大阪市:大阪市立美術館、天王寺動物園
・商店会:あべの巴通り商店会、阿倍野筋一丁目東商店会
③参 加 者:約165万人の KIPS 会員(※)のうち希望者全員(期間中に入会いただいた方も対象です。

④通貨発行:現金+期間限定プレミアム10%(1コイン=1円相当)
※現金は千円単位で、10万円までチャージ可能
⑤機能拡充:・固定 QR コード決済方式の追加
・鉄道用の自動券売機を活用したコインチャージ機の試験運用
・期間限定プレミアムの付与
・参加者同士によるコインの受け渡し(個人間譲渡)
・期間中、いつでも実験参加が可能
※来年度中の本格実施を見据え、準備を進めます。
(2)実験に協力する会社
本実験では、お客さまの利便性向上に関する検討について株式会社三菱 UFJ 銀行と協力して進めるととも
に、プラットフォームの開発・運用については三菱総研 DCS 株式会社、チャージ機の試験運用についてはオ
ムロン ソーシアルソリューションズ株式会社がそれぞれ開発パートナーとして参画します。また、ブロック
チェーン技術の開発については株式会社 chaintope の協力を得ています。
第 2 回社会実験に関する詳細は「別紙」、第 1 回社会実験の結果については「参考」のとおりです。
※ 近鉄グループホールディングス㈱が提供するグループポイントサービスを利用するカード(KIPS カード)の会員

≪社会実験に関するお問い合わせ≫
近鉄グループホールディングス株式会社 事業開発部 林(電話:06-6775-3645)
≪システムに関するお問い合わせ≫
株式会社三菱総合研究所 社会 ICT イノベーション本部 奥村
電話:03-6705-6058 メール:kg-coin@ml.mri.co.jp
本資料配付先:近畿電鉄記者クラブ、青灯クラブ、国土交通記者会、東海交通研究会、金融記者クラブ、大阪商工記者会、
関西金融記者クラブ
別紙
「近鉄ハルカスコイン」第2回社会実験の詳細について
1.実験期間 2018年10月1日(月)~12月10日(月)
2.実験施設 あべの・天王寺エリアの商業施設 約400店舗
・あべのハルカス
(近鉄百貨店、展望台「ハルカス300」
(入場券) あべのハルカス美術館
、 (入場券)

・その他近鉄グループ施設
(てんしば、Hoop、あべのand、きんえいアポロビル・ルシアスビル、あべの
アポロシネマ)
・大阪市施設
(大阪市立美術館、天王寺動物園)
・あべのハルカス周辺商店会
(あべの巴通り商店会、阿倍野筋一丁目東商店会の一部店舗)
3.実験参加者 約165万人の KIPS 会員のうち希望者全員
期間中に KIPS 会員に入会された方もご参加いただけます。
(ただし、実験用アプリが動作するスマートフォンをご用意いただけるなどの参加条件
を満たすことが必要です。

4.参加者募集期間 2018年8月20日(月)~11月30日(金)
(実験開始後も随時申込が可能です。)
5.通貨発行 現金+期間限定プレミアム10%(1 コイン=1 円相当)
※現金は千円単位で、10万円までチャージ可能
6.システム機能の拡充など
(1)固定QRコード決済方式の導入(店舗側の運用にかかる負担を大幅に軽減します。

QRコードを紙などに印刷して店舗に備え付け、お客さまのスマートフォンで読み取る「固定Q
Rコード決済方式」を新たに導入します。
なお、第1回社会実験で用いた、店舗のタブレットに表示されるQRコードをお客さまのスマー
トフォンで読み取る「店舗用端末読取決済方式」も継続して利用可能で、店舗側の運営形態にあっ
た決済方式を選択できるようになります。
(2)デジタル地域通貨特有の機能を追加
①通貨の追加発行(チャージ)
現金によりデジタル地域通貨の追加発行を受けられるチャージ機を導入します。
(近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店ウイング館 9 階 KIPS カウンターに設置します。





-1-
②期間限定プレミアムの付与
デジタル地域通貨の発行の際に付与されたプレミアム分について、有効期限を細かく設定できる
ようにします。この機能により、デジタル地域通貨の流通を促進し、経済効果を高めることが期待
されます。
③実験参加者間での譲渡
実験参加者の端末操作だけで、他の実験参加者にデジタル地域通貨を譲渡できるようにします。
お勘定の割り勘などに利用できるほか、日本赤十字社への寄付の受付を行います。
(3)実用化以降も継続して利用できるシステムの構築
第1回社会実験で開発した、ブロックチェーン技術を活用したシステムのプラットフォームを強
化し、参加者、施設の拡大や法制度に対応した基盤を構築しました。また、顧客情報や取引情報(ト
ランザクション)など、お客さまの大切な情報については、インターネットからのアクセスができ
ないプライベートクラウドに保管することで、セキュリティ面も一層強化しました。
7.実験参画各社の役割

近鉄グループホールディングス ブロックチェーンを活用したデジタル地域通貨「近鉄ハルカス
株式会社 コイン」の発行、KIPS システム基盤の活用および実際の運用
に向けた実験を行う。

株式会社三菱総合研究所 システム全体の開発および運用のマネジメントを行う。

三菱総研 DCS 株式会社 システム全体の開発および運用、プライベートクラウド基盤
(FINEQloud)などのプラットフォームの提供を行う。

株式会社三菱 UFJ 銀行 社会実験における近鉄ハルカスコインの利用者の利便性向上
に関わる項目のアドバイスおよび技術に関する情報連携を行
う。

オムロン ソーシアルソリュー 鉄道用の自動券売機を活用した近鉄ハルカスコインのチャー
ションズ株式会社 ジ機の開発を行う。

株式会社 NTT ドコモ 近鉄百貨店内における端末・通信ネットワークの提供を行う。

株式会社 chaintope ブロックチェーン技術の開発および提供を行う。


※実験概要は現時点での予定であり、変更される場合があります。


以 上




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参考
「近鉄ハルカスコイン」第1回社会実験の結果について
1.第1回社会実験の実施概要について
(1)通貨名称 「近鉄ハルカスコイン」
(2)発行者 近鉄グループホールディングス株式会社
(3)実施期間 2017年9月1日(金)~10月1日(日)
(4)実験参加者 KIPS 会員から5千人を募集
(5)実験店舗 「あべのハルカス」約200店舗
・近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店
・展望台「ハルカス300」
(入場券、展望台内店舗)
・あべのハルカス美術館(入場券)
(6)利用方法 実験店舗での通常の商品お買い上げ時に、店舗のタブレット端末に表示される商
品購入内容のQRコードをお客さまのスマートフォンで読み取り、お客さまが店
舗のタブレット端末に「近鉄ハルカスコイン」を送り、支払い(モバイル決済)
を行います。
(7)通貨発行 現金5千円に対し1万コインを発行(1コイン=1円相当)
2.第1回社会実験におけるブロックチェーンを活用したシステムの検証結果について
(1)検証結果 決済に支障をきたすトラブルは無く、実用可能性が実証されました。
(2)購買処理回数 1.5万回
(3)決済速度 電子マネーと遜色ない速度(平均0.5秒)となりました。
(4)通信環境 LTE通信で問題なく動作しました。
(5)そ の 他 発生したトラブルは計13件で、購買処理回数の0.1%未満。
(うち利用者端末関連7件、アプリ関連3件、電波関連2件、店舗端末関連1件)
3.社会実装に向けた主な運用課題と対応
(1)QRコードによる決済
参加者(利用者)アンケートで、88.8%が「操作は簡単だった」と回答しており、10歳代
から80歳代まで問題なく受け入れられました。店舗側も「特に問題は無かった」「慣れれば簡単
である」と肯定的でした。双方高評価であったため、QRコードによる決済を継続採用しました。
(2)多様な支払い方法への対応や利用店舗の拡大
参加者(利用者)アンケートで、カード式電子マネーと比べて「便利だ」との回答は35.5%
でした。カード式電子マネーに近い使い勝手を実現できるよう、第2回社会実験では、追加チャー
ジを可能にするとともに、利用可能施設数を大幅に増加させました。
(3)店舗オペレーションの円滑化
タブレット端末の最適な配置場所・数、従業員の習熟機会の確保など、円滑な初期導入のための
項目を整理します。さらに、既存のレジシステムとの連携や組み込みについて検討します。第2回
社会実験では、お客さま用と従業員用の操作説明動画をそれぞれ制作するとともに、従業員向け説
明会の回数の増加と内容の充実を図りました。




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【詳細】第1回社会実験に関するアンケート調査およびヒアリング調査結果について


1.第1回社会実験参加者へのアンケート調査結果について
(1)回答人数 3180人
(2)回答方法 KIPS 会員向けホームページへの入力
(3)回答期間 2017年10月4日(水)~10月9日(月)
(4)回答者属性
①性別と年齢の分布

20%


15%


10%


5%


0%



男性 女性

回答者の50%が30歳代から50歳代女性
②参加者の居住地分布
あべのハルカス近辺、近鉄沿線の住宅地、大阪府南西部方面が中心
(5)主な結果
Q1「以前から仮想通貨を知っていましたか」

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%


よく知っている 9.7%


あまり知らない 90.3%


「あまり知らなかった」人が90.3%




Q2「スマートフォンの支払い操作はどうでしたか」

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%


簡単 88.8%


難しい 11.2%


操作は「簡単」と答えた人が88.8%




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Q3「今後も使ってみたいですか」

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%


使いたい 85.7%


使いたくない 14.3%


今後も「使ってみたい」人が85.7%




Q4「再発行(チャージ)ができれば利用したいですか」

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

利用したい 61.2%

使用しない 17.6%

わからない 21.2%


「再発行(チャージ)したい」人が61.2%




Q5「ハルカスコイン以外の利用(追加利用)はありましたか」

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%


追加利用した 73.2%


追加利用しなかった 26.8%


「追加利用した」人が73.2%




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2.第1回社会実験参加店舗へのアンケート調査およびヒアリング調査について
(1)アンケート調査の概要
①調査対象 182店舗
②調査方法 調査票への記入
③調査時期 2017年10月
④回答形式 単一回答および自由記述方式
⑤主な結果
・回答者属性(性別と年齢の分布)

30%

25%

20%

15%

10%

5%

0%
~20 30 40 50 60~ その他

男性 女性



回答者の70%が40歳代までの女性



Q1「店舗端末の操作感はどうでしたか」




「簡単」と回答した人が80%。年代別に見ても大きな差はなし



Q2「店舗端末の操作手順はいかがでしたか」




「特に問題ない」と回答した人が67%。年代別に見ても大きな差はなし




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(2)ヒアリング調査の概要
①調査対象 17店舗(17人)
②調査方法 グループインタビュー
③調 査 日 2017年11月10日(金)
④調査方法 3グループに分かれてのグループインタビュー
⑤主な意見
Q1「アプリについて」
 操作性については問題ない。慣れれば簡単。
 字の大きさ、色目もちょうど良い。
<考察>
実験本番前に実機操作の機会を設け、操作性や視認性についての意見をもとに改修を行っ
たことが本番での肯定的意見につながったと考えています。


Q2「操作の練習機会について」
 練習機会がもう少しあると良かった。スタッフが多いから仕方ないが、ほぼ練習なし
で本番を迎えるメンバーもいた。
 店の代表者が講習を受け、スタッフに講習するスタイルだったが、対象者が多く操作
周知が難しかった。
<考察>
実機に触れることのできる練習機会を多く確保する、わかりやすいマニュアルを整備する
などの対処が必要であったと考えています。




※QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です。


以 上




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