ユーグレナ社とデンソーの包括的提携による成果 微細藻類コッコミクサ KJ が歯周病の進行を抑えることを示唆する研究データを確認

2021 年 5 ⽉ 21 ⽇

ユーグレナ社とデンソーの包括的提携による成果※1
微細藻類コッコミクサ KJ が歯周病の進行を抑えることを示唆する研究データを確認

株式会社ユーグレナ


株式会社ユーグレナ(本社︓東京都港区、代表取締役社⻑︓出雲充)は、株式会社デンソー(以下「デ
ンソー」)と共同で、⽇本⼤学⻭学部の⽥村宗明准教授の協⼒の下、微細藻類コッコミクサ KJ※2(以下、
「コッコミクサ KJ」
)が、⻭周病の原因菌であるジンジバリス菌の増加を抑制し、⻭周病の進⾏を抑える
ことを⽰唆する研究データを確認しました。なお、今回の研究結果は、「第 64 回春季⽇本⻭周病学会学
術⼤会」※3 で発表されます。
※1 2019 年 2 ⽉ 20 ⽇のニュースリリース︓「ユーグレナ社×デンソー、微細藻類を活⽤した事業開発で包括的提携」
https://www.euglena.jp/news/20190220/
https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2019/20190220-01/
※2 コッコミクサ KJ︓デンソーの登録商標
※3 第 64 回春季⽇本⻭周病学会学術⼤会︓2021 年 5 ⽉ 21 ⽇〜6 ⽉ 22 ⽇に Web ⽅式で実施



●研究の目的
近年、⻭周病が、糖尿病や動脈硬化症、⼼筋梗塞などの⽣活習慣病と関係があることが明らかになって
います※4。このことから、⻭周病の原因菌である⼝腔内のジンジバリス菌の増加を抑制することにより、
⻭周病の予防・進⾏抑制を介して、様々な病気のリスクを下げることが期待できます。これまでに、コッ
コミクサ KJ が、免疫⼒向上の効果を持つこと、ウイルスの感染⼒を低下させることが確認※5 されていま
す。今回、⻭周病を発症させたモデルマウスを⽤いて、⼝腔内にコッコミクサ KJ を塗布することで、⻭
周病の進⾏を抑制する可能性について検討しました。
※4 ⽇本臨床⻭周病学会 https://www.jacp.net/perio/effect/
※5 デンソーリリース 2019 年 2 ⽉ 15 ⽇ https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2019/20190215-01/



●研究内容
本研究では、⻭周病の進⾏を観察するため、7 週齢マウスの⻭に絹糸を巻き付けて固定し、⻭ぐきに
ジンジバリス菌を塗布、3 週間後にマウスの⼝腔内のジンジバリス菌数と、⻭周病の進⾏による⻭槽骨
吸収※6 を測定しました。
使⽤したマウスは、
・「⼝腔内にコッコミクサ KJ の乾燥粉末を塗布したマウス(⻭周病+⼝腔内塗布)

・コントロールとして
「ジンジバリス菌の塗布をしないマウス(無処置)」
「⼝腔内にプラセボを塗布したマウス(⻭周病+プラセボ塗布)」
・経⼝摂取による影響を調べるため
「コッコミクサ KJ を胃内投与したマウス(⻭周病+胃内給与)」
の 4 通りです。
※6 ⻭槽骨吸収︓⻭周病が進⾏し、⻭の根を⽀える⻭槽骨が溶ける症状
●研究結果
⼝腔内にプラセボを塗布したマウス(⻭周病+プラセボ塗布)では、ジンジバリス菌の塗布をしない
マウス(無処置)と比べて、⼝腔内のジンジバリス菌数が増加し、コッコミクサ KJ の乾燥粉末を塗布
したマウス(⻭周病+⼝腔内塗布)と、コッコミクサ KJ を胃内投与したマウス(⻭周病+胃内給与)
では、ジンジバリス菌数の増加が抑えられました(表)。


表︓微細藻類「コッコミクサ KJ」による⼝腔内のジンジバリス菌の減少




次に、⻭周病の進⾏を観察するため、⻭槽骨吸収を測定しました(図1)。




図1︓⻭周病の進⾏による⻭槽骨吸収の測定
セメント質エナメル質境界-⻭槽骨頂⻑(赤線)の各⾅⻭における平均値を、各⾅⻭の⻭槽骨吸収量としました。
コッコミクサ KJ の乾燥粉末を塗布したマウス(⻭周病+⼝腔内塗布)では、⼝腔内にプラセボを塗
布したマウス(⻭周病+プラセボ塗布)と比べて、⻭周病の進⾏による⻭槽骨吸収が抑えられました
(図2)。




図2︓微細藻類「コッコミクサ KJ」による⻭槽骨吸収の抑制
HC︓無処置、IC︓⻭周病+プラセボ塗布、IO︓⻭周病+⼝腔内塗布、IG︓胃内給与
横棒は平均値を表します。 * p<0.05, ** p<0.01, *** p<0.001



今回の研究結果から、コッコミクサ KJ が、⼝腔内のジンジバリス菌数の増加を抑制し、⼝腔内の患
部に直接作⽤して、⻭周病の進⾏を抑える可能性が⽰唆されました。


今後も、当社は、様々な分野において微細藻類の研究開発を推進していきます。




●微細藻類「コッコミクサ KJ」について
コッコミクサ KJ(旧名シュードコリシスチス)は、農林⽔産省委託事業
において、国⽴⼤学法⼈京都⼤学とデンソーが共同で開発した微細藻類で
す。成⻑が速く、丈夫で培養しやすい点が特徴で、ビタミン類やアミノ酸
など、毎⽇の元気なカラダづくりをサポートする栄養素をバランスよく含
んでいます。 コッコミクサ KJ の乾燥粉末
<株式会社デンソーについて>
デンソーは、先進的な⾃動⾞技術やシステム、製品を、世界中の⾃動⾞メーカーに提供する⾃動⾞部品
サプライヤーであり、⾃動⾞関連分野を中⼼としながら、農業・FA 事業など、⾃動⾞分野で培ってき
た技術を応⽤し様々な事業を展開しています。バイオ事業においては、2008 年から微細藻類を活⽤し
たバイオ燃料の研究に取り組むとともに、愛知県および熊本県天草市にて、屋外における⼤量培養技術
を確⽴し、多様な⽤途での事業化を推進しています。https://www.denso.com/jp/ja/




<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名︓ミドリムシ)の⾷⽤屋外⼤量培養技術の確⽴に成
功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活⽤した⾷品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の
⽣産に向けた研究も⾏っています。また、2014 年より⾏っている、バングラデシュの⼦どもたちに豊
富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナ GENKI プログラム」の対象商品を、2019
年 4 ⽉より化粧品を含む全グループ商品に拡⼤。2012 年 12 ⽉東証マザーズに上場。2014 年 12 ⽉に
東証⼀部市場変更。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロ
ソフィーと定義し、事業を展開。https://euglena.jp

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