新しいファッションコーディネートの流行発生を自動検知するためのデータ抽出理論を東京大学と共同開発

報道関係各位
NEWS RELEASE
2020 年 10 月 6 日
ニューラルポケット株式会社




新しいファッションコーディネートの流行発生を自動検知するための
データ抽出理論を東京大学と共同開発
AI 応用分野における世界最高峰の国際学会「ACM Multimedia」にて研究論文が採択




ニューラルポケット株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:重松路威、以下ニューラルポケット)
は、ファッショントレンド解析における新たなデータ分析手法を開発しました。大量のファッショントレンドデータの
中から、新しいコーディネートトレンドの発生を AI が自動検出する技術で、これによりアパレル企業の商品企画
をさらに効率化する情報提供が可能になります。本研究は、東京大学工学部田中研究室 宮崎邦洋氏との共同
研究であり、本内容を記載した論文は AI 応用分野における世界最高峰の国際会議である ACM Multimedia
2020 注 1 のメイントラックにて 10 月 15 日に発表します。


新手法に使われている技術は、ソーシャルメディアの投稿分析で「盛り上がっている話題」を抽出するために
用いられる「Emerging Topic Detection (新規トピック検出)」技術を一般化したものです。従来の Emerging Topic
Detection はユークリッド距離においてクラスタリングを行い、新しく発生したクラスタを新規トピックとして検出す
るものが主流でしたが、本手法ではファッション画像におけるアイテム・色・模様・シルエットなどのカテゴリカル変
数にも適用可能にするため、ハミング距離注 2 におけるクラスタリング手法と、それを用いた Emerging Topic
Detection を開発しました。2019 年の各月に発生した新しいコーディネートトレンドについて、アパレルの専門家
のヒアリング結果と答え合わせを行い、統計的に有意な水準でファッショントレンドを検出する結果を得ています
注3

新手法では、AI がファッショントレンドデータそのものを解析することで、新しく生まれたコーディネートの流行
を自動的に抽出します。AI の活用により、アパレル企業の企画担当者でも気付いていなかった新たなファッショ
ンの潮流の始まりに目を向けるきっかけを作ることで、機会損失を防ぎ、“これから売れる商品”の企画に活かす
ことができます。


2017 年の国内のアパレル市場は 9.2 兆円注 4 にのぼりますが、その裏側には大量の余剰在庫や商品値引き
の常態化といった課題が山積しています。ニューラルポケットは、創業当初からファッション分野における AI 活
用を進めてまいりました。アパレル企業が効率的な商品企画を進めるための定量的な判断材料を提供し、これ
ら課題の解決を目指していきます。


注 1:ACM Multimedia は、AI 応用分野における世界最高峰の国際学会の一つ。世界
各国のトップ大学の研究者や Google、Alibaba といったグローバル企業のエンジニア
が参加する国際会議です。
URL:https://2020.acmmm.org/


注 2: 「2 つのカテゴリの組の中で、異なる要素の数」によって定義される距離。

注 3: アパレル専門家 2 名が認識する 2019 年各月のコーディネートの新規トレンドと、AI が検出した流行を比
較。ランダムな予測を、それぞれ有意水準 0.10, 0.05 で棄却し、統計的に有意に AI の予測性能を示しました。


注 4:出所、矢野経済研究所「繊維白書 2018」


■ニューラルポケット株式会社について
ニューラルポケットは、画像や映像を解析する独自の AI 技術の研究開発と事業化を行っております。スマート
シティ、デジタルサイネージ(広告)、ファッション等の領域での AI 技術を活用した事業拡大を通じ、ミッションで
ある「世界を便利に、人々を幸せに」の実現を目指しております。スマートシティ関連サービスでは、不動産デベ
ロッパー・官公庁・小売業等各種企業・団体へ AI ソリューシ ョンを提供しております。


社名:ニューラルポケット株式会社
代表者:代表取締役社長 重松 路威
所在地:東京都千代田区有楽町一丁目 1 番 2 号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー32 階
事業内容:AI エンジニアリング事業
URL: https://www.neuralpocket.com/

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