ニチレイ統合レポート2018

主な海外グループ会社




ニチレイ統合レポート 2018
ニチレイフーズ Nichirei Suco Vietnam Co., Ltd. Shanghai Fresh Line Express Co., Ltd.
ap Hoa Binh, xa Binh Nghi, No. 8, Lane 3509, Hongmei (S) Rd.
Nichirei do Brasil Agricola Ltda. huyen Go Cong Dong, Shanghai 201108, China
Avenida Luis de Souza, Lotes 14 a 17, tinh Tien Giang, Vietnam Tel: 86 (21) 3350-5301
Quadra H, Distrito Industrial, Tel: 84 (273) 6262-100 Fax: 86 (21) 5463-3273

Petrolina/PE - CEP 56308-420, Brasil Fax: 84 (273) 6262-110
Tel: 55 (87) 2101-1408 Jiangsu Freshline Logistics Co., Ltd.
Fax: 55 (87) 2101-1400 ニチレイロジグループ No.177 sub Boulevard, Lingang street,
Jiangyin Jiangsu, China
Nichirei Australia Pty. Ltd. Nichirei Holding Holland B.V. Tel: 86 (510) 6852-1166
Suite 2, Level 6, South Tower,
Chatswood Central, 1-5
Abel Tasmanstraat 1, 3165 AM
Rotterdam, The Netherlands
Fax: 86 (510) 6852-1155
ニチレイ統合レポート 2018
Railway Street, Chatswood, NSW 2067, Australia Tel: 31 (10) 429-2699 SCG Nichirei Logistics Co., Ltd.
Tel: 61 (2) 9411-4277 Fax: 31 (10) 429-7903 173 Moo 16, Bangsaothong,
Fax: 61 (2) 9411-4077 Samutprakarn 10570, Thailand
Eurofrigo B.V. Tel: 66 (2) 706-1710
Shandong Nichirei Foods Co., Ltd. Abel Tasmanstraat 1, 3165 AM Fax: 66 (2) 706-1578
No60, Huangshan Road Yantai Rotterdam, The Netherlands
Economic & Technological Development Zone, Tel: 31 (10) 491-3100 ニチレイフレッシュ
Shandong 264006, China Fax: 31 (10) 429-3251  
Tel: 86 (53) 5637-6942 Nichirei Seafoods, Inc.
Fax: 86 (53) 5637-5141 Hiwa Rotterdam Port Cold Stores B.V. 2101 4th Avenue, Suite 2030,
Vierhavensstraat 20, 3029 BE Seattle, WA 98121, U.S.A.
Nichirei Enterprise Management Rotterdam, The Netherlands Tel: 1 (206) 448-7800
Consulting (Shanghai) Co., Ltd. Tel: 31 (10) 244-5222 Fax: 1 (206) 443-5800
Unit 13, Floor 29, Building A Fax: 31 (10) 476-8099
Hongqiao Nanfeng Town, No.100, Zunyi Rd, Amazonas Industrias Alimenticias S.A.
Changning Dist., Shanghai 200051, China Thermotraffic Holland B.V. Rodovia Arthur Bernardes, 7903,
Tel: 86 (21) 6209-0802 Abel Tasmanstraat 1, 3165 AM Km 14 Pratinha (Distrito de Icoaraci)
Fax: 86 (21) 5272-7468 Rotterdam, The Netherlands Belem-Para-Brasil, CEP:66816-000, Brasil
Tel: 31 (10) 428- 2866 Tel: 55 (91) 3258-6900
Nichirei Corporation Shanghai Ltd. Fax: 31 (10) 429- 6290 Fax: 55 (91) 3258-6925
Unit 13, Floor 29, Building A
Hongqiao Nanfeng Town, No.100, Zunyi Rd, Thermotraffic UK Ltd. Rizhao Mei Leng Food Trading Co., Ltd.
Changning Dist., Shanghai 200051, China CEME Campus, Marsh Way Rainham, The First Haikou Road,Rizhoo,
Tel: 86 (21) 5272-7477 Essex RM13 8EU, United Kingdom Shandong 276826, China
Fax: 86 (21) 5272-7468 Tel: 44 (20) 85-96-54-06 Tel: 86 (633) 298-2398
Fax: 44 (20) 85-96-54-16 Fax: 86 (633) 298-2399
Surapon Nichirei Foods Co., Ltd.
22/5 M004, Theparak Road Bangpleeyai, Thermotraffic GmbH Nichirei Fresh Hong Kong, Ltd.
Bangplee, Samutprakarn, 10540, Thailand Im Industriegelaende 66 D-33775, Office No.9, 30th Floor, Saxon Tower,
Tel: 66 (3) 720-4438 Versmold, Germany No.7 Cheung Shun Street, Lai Chi Kok,
Fax: 66 (3) 720-4263 Tel: 49 (54) 239-680 Kowloon, Hong Kong
Fax: 49 (54) 2396-8294 Tel: 86 (852) 2617-2311
GFPT Nichirei (Thailand) Co., Ltd. Fax: 86 (852) 2617-3930
77 Mu 4, Hang Sung, Nong Yai, Frigo Logistics Sp. z o.o.
Chon Buri 20190, Thailand ul.Fabryczna 4, 88-400 Znin, Poland Nichirei Fresh Vietnam Co., Ltd.
Tel: 66 (3) 893-2900 Tel: 48 (52) 303-3600 Floor 3, Room A1, Linco Building,
Fax: 66 (3) 893-2999 Fax: 48 (52) 303-11-79 61A-63A Vo Van Tan Street, Ward 6, Dist 3,
Ho Chi Minh City, Vietnam
InnovAsian Cuisine Enterprises Inc. Transports Godfroy S.A.S. Tel: 84 (28) 3930-8051
116 Andover Park E, Suite 200, 27. Rue de L'avenir 14650 Fax: 84 (28) 3930-8053
Tukwila, WA 98188, U.S.A. Carpiquet, France
Tel: 1 (425) 251-3706 Tel: 33 (2) 31-71-13-13
Fax: 1 (425) 251-1565 Fax: 33 (2) 31-26-75-68

Nichirei Foods U.S.A., Inc. Entrepots Godfroy S.A.S.
2101 4th Avenue, Suite 2030, 27. Rue de L'avenir 14650
Seattle, WA 98121, U.S.A. Carpiquet, France
Tel: 1 (206) 448-7800 Tel: 33 (2) 31-71-13-16
Fax: 1 (206) 443-5800 Fax: 33 (2) 31-26-99-40




IR 情報に関するお問い合わせ 株式会社ニチレイ 財務 IR 部
〒104-8402 東京都中央区築地六丁目 19 番 20 号 ニチレイ東銀座ビル
TEL 03-3248-2167 FAX 03-3248-2237
URL https://www.nichirei.co.jp/
ニチレイグループの企業経営理念 外部評価

ミッション SRI インデックスへの組み入れ(2017 年度)



くらしを見つめ、
人々に心の満足を提供する
 ニチレイグループは、

人々のくらしに本当に役立つ商品やサービスを一所懸命に創り出し、

健康でこころの豊かな生活の実現に貢献します。



ビジョン

評価・表彰
 ニチレイグループは、卓越した食品と物流のネットワークを備える
● 健康経営優良法人 ホワイ 500 2017 年度、
ト ( 2018 年度)
「食のフロンティアカンパニー」
として、 ● 東京証券取引所 第6回 企業価値向上表彰 優秀賞 2017 年度)

お客様にご満足いただける優れた品質と価値ある商品・サービスを創造・提供し、 ● グリーン物流パートナーシップ会議 優良事業者 表彰 2017 年度)


広く好感と信頼を寄せられる企業として、社会とともに成長します。



Web サイトのご案内
コミュニケーションメッセージ
その他の詳細情報につきましては、当社 Webサイトをご覧ください。

ニチレイ企業情報 株主・投資家情報

おいしい瞬間を届けたい Web Site
https://www.nichirei.co.jp/corpo/

CSR 情報
https://www.nichirei.co.jp/ir/


https://www.nichirei.co.jp/csr/




目次 ニチレイグループの企業経営理念/外部評価 ................. 01 コーポレートガバナンス ................................................ 21
役員一覧 .................................................................... 23
ニチレイの価値創造 社外取締役メッセージ .................................................. 25
ニチレイのあゆみ ........................................................ 03
ニチレイグループの全体像 ........................................... 05 事業戦略 対象組織 将来の見通しに関する注意事項
ニチレイの価値創造モデル ............................................ 07 セグメントハイライ ..................................................... 27
ト 株式会社ニチレイおよび国内外の連結子会社  本レポートに記載されている業績見通しなどの将来に関する記述は、現在入手
加工食品事業 ............................................................. 29 可能な情報に基づき合理的であると判断したものであり、不確実性を含んでいま
トップメッセージ 低温物流事業 .............................................................. 31 対象期間 す。実際の業績はさまざまな要素により異なる場合があります。
トップメッセージ .......................................................... 09 水産・畜産事業 ........................................................... 33 2017 年 4 月1 日∼ 2018 年 3 月31 日
バイオサイエンス事業 ................................................... 35 (一部対象期間外の情報も含みます) 編集方針
ESG の取組み
不動産事業 ................................................................. 36  ニチレイ統合レポート2018 は、ニチレイグループの姿を財務・非財務の両面か
ESGの取組み .............................................................. 13
安全な商品とサービスの提供 ........................................ 15 財務・非財務ハイライ ................................................ 37
ト 発行日 ら総合的にお伝えすることを目的として発行します。ニチレイグループの企業価
持続可能なサプライチェーンの構築 ............................... 17 株式情報 .................................................................... 39 2018 年 8 月 値向上に向けた戦略やESGに関する情報を中心に掲載しています。詳細な情報
環境の取組み/働き方改革 ........................................... 19 会社情報 .................................................................... 40 は当社 Webサイトをご参照ください。



01 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 02
ニチレイの価値創造
 ニチレイは、戦後の深刻な食料不足のなか、安全な食品の安定的な供給を使命として設立され、日本の食生活を支え


ニチレイのあゆみ
る企業として多彩な事業を展開しながら成長してきました。食のフロンティアカンパニーとして社会からの期待に応え、信
頼され続ける企業を目指します。




ニチレイグループの誕生 冷力を基盤とした事業の拡大 「ニチレイ」
ブランドの確立 新たな顧客価値を創造
事業の多角化を推進 低温物流ネットワークの充実 事業の国際化を推進 さらなる成長を目指す ニ

戦後、国策会社から民間企業に生まれ変わった。復 高度経済成長期に冷蔵庫など家電製品が普及する過 コーポレートアイデンティティにより
「ニチレイ」
ブラン 多様化する生活スタイルに対応し、経営を迅速化す レ

興期に、冷蔵・水産事業に加え、加工食品事業や畜産 程で
「日冷」
ブランドを積極的に展開。科学技術庁が発 ドを確立。新規事業や国際化に取り組んだ。女性の社 るため、持株会社体制に移行。グループの特色と総合 の

事業を多角的に推進した。将来のコールドチェーン、 表したコールドチェーン構想を追い風に、大型冷蔵倉庫 会進出や世帯構成の多様化が進み
「食の外部化」
が進 力を生かした新たな価値の創出により、さらなる成長 値

冷凍食品といった冷力に根ざした事業の発展を確信し、 を結ぶ長距離低温輸送車両を開発し、冷凍食品販売会 展。業務用冷凍食品の拡充や電子レンジ調理向け家庭 を目指す。 造

調理冷凍食品の開発・普及を進めた。 社を設立した。 用冷凍食品の発売など、時代の変化に対応。




1940~1950 年代 1960~1970 年代 1980~1990 年代 2000 年 ~ 現在



1942 年 1960 年 1982 年 2000 年 メ


帝国水産統制株式会社設立 「日冷」
ブランド展開  バイオテクノロジー分野へ進出 品質保証体制の強化 ー
当時は星印の日冷スターマーク 中国産冷凍野菜の残留農薬問題などを受けて ジ
管理体制や品質保証力を強化

2001 年
1943 年
家庭用冷凍食品「本格炒め炒飯 ® 」
発売
水産事業、製氷・ (1967 年発売)
1963 年
冷蔵・凍結事業を開始 1985 年
長距離冷凍貨物車を開発 「ニチレイ」
に社名変更 2005 年
E
低温物流ネットワークを構築し、
持株会社体制へ移行 S
政府主導の
「コールドチェーン構想」
に貢献 1985 年ごろ G

通過型物流センター事業の開始 取

小売流通事業者向け物流センターの先駆け み
1945 年
1987 年 2007 年
民間企業
日本冷蔵株式会社設立 アセロラドリンクの誕生 直営の養鶏場設立
岩手県の洋野町で
「純和鶏 ® 」
養鶏開始
現在サン リーフーズ
ト (株)
が販売

家庭用冷凍米飯 2011 年
1953 年ごろ
の販売強化 高機能大型冷蔵倉庫の新設
冷凍ミカン・イチゴ/凍果ジュースを発売 家庭用冷凍食品 神奈川県川崎市の東扇島物流センターにて免震構造・顔認証システ
1964 年 「えびピラフ」
発売 ムなどの先進技術を業界に先駆けて導入 事
1954 年 業
調理冷凍食品の発売 東京オリンピックに貢献 (1987 年当時) 戦

選手村へ多種多彩な冷凍食材を大量に提供
1955 年 1988 年
水産物の洋上輸出開始 低温物流事業の海外進出
1956 年 1994 年

畜産事業を開始 電子レンジ調理向け
コロッケの開発
南極観測隊に冷凍食材を提供 電子レンジ対応冷凍食品の先駆け
「新・レンジ生活 ® 」
発売
2017 年
家庭用冷凍食品「特から® 」
発売

03 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 04
ニチレイの価値創造


ニチレイグループの全体像

ニチレイグループ 低温物流事業

ニチレイグループは、加工食品事業と低温物流事業を中心に、水産・畜産事業、バイオサイエンス事業、不動産事業な ■ 事業内容
(国内) 位 〉
〈冷蔵倉庫庫腹※ 5 シェア 1 ニ

どを展開しています。グループ全体戦略を担う持株会社のもと、各事業会社が機動的に業務を遂行することで新たな顧 輸配送を軸とした物流ネットワーク事業と、冷蔵倉庫機能 レ
能力 能力シェア
順位 企業グループ イ
客価値を創造し、中長期的な企業価値向上を目指します。 を担う地域保管事業、欧州・中国・タイ・マレーシアに展開し (万トン) (%)

1 ニチレイロジグループ 151 10 価
ている海外事業、低温物流設備の企画・設計から保守管理ま 値
2 横浜冷凍 86 6 創
  売上構成比率 ※1 ※2
 営業利益構成比率 ※2 でを行うエンジニアリング事業で構成される国内最大規模の
マルハニチログループ


(2017 年度) (2017 年度)
低温物流事業グループです。高度な物流情報システムで結ば
低温物流事業 4 東洋水産グループ 49 3
低温物流事業
れた輸配送・保管・流通加工から、物流センターの設計・施 5 C&Fロジホールディングス 48 3
加工食品事業
32% 38% 工・メンテナンスにいた 出典 ( 一社 ) 日本冷蔵倉庫協会資料を当社で加工 2018 年 4 月現在)
: (
39% ※ 5 倉庫の収容スペース
不動産事業 加工食品事業 るまで、サプライチェー
1% 49% ン全体にわたって高品 (世界) 位 〉
〈冷蔵倉庫庫腹シェア 5 ト
売上高 営業利益 質なサービスを提供し 能力 ッ
不動産事業 順位 社名・グループ名 主たる事業展開国
(万トン) プ
ます。
5,680 億円 その他 299 億円 7% 1 Americold Logistics 1,083 米国など



1% 畜産
〈低温物流事業の売上高内訳〉 4

2 Lineage Logistics 869 米国など ー
水産・畜産事業 その他 (2017 年度) ジ
3 Swire Group 406 米国など
28% 4% その他・共通
畜産 水産
3% 4 AGRO Merchants Group., LLC 245 米国など
水産 水産・畜産事業 海外 3%
15% 13% 調整費 5 ニチレイロジグループ 197 日本など
-2% 1% 5% 18%
6 Kloosterboer 187 オランダなど

7 NewCold Coöperatief U.A. 159 オランダなど
物流ネットワーク
※ 1 構成比率は外部顧客への売上高により算出しています。 ※ 2 金額および%は四捨五入しています。 8 VersaCold Logistics Services 150 カナダ
地域保管
46%
9 Interstate Warehousing, Inc. 114 米国
33% メキシコ
E
10 Frialsa Frigorificos S.A. De C.V. 110
S

加工食品事業 出典 I (世界冷蔵倉庫協会)Global Top 25 List を当社で加工
: ARW G
※ 4 サブセグメント内の消去を含みません。 (2018 年 4 月現在) の



■ 事業内容
人々のくらしを見つめ、食を通じて、健康で豊かな社会の 水産・畜産事業 バイオサイエンス事業
実現に貢献することを目指し、 おいしさ」健康」楽しさ」安
「 「 「 「
全・安心」簡単・便利」安定供給」リーズナブルな価格」 7
「 「 「 を ■ 事業内容 ■ 事業内容
つの基本価値としています。冷凍食品、 トルト食品、
レ ウエル グローバルな調達機能を活かし、 鮮度」おいしさ」安全」
「 「 「 バイオテクノロジーを通じて、一人でも多くの方の心と身体
ネス食品を通じて、常に独自能力を磨き卓越した価値を創造 「安心」健康」環境にやさしい」
「 「 をキーワードに、水産品・畜 の健康に貢献するために、 セルバイオロジー分野」 ニチレ
「 と、
することで、世界で最も信頼される食品企業を目指します。 産品の
「こだわり素材」
の開発を進めています。あわせて
「持 イグループの素材調達力を活かし 事

続可能性」
を念頭に、資源や環境にも配慮しながら、より高い た
「機能性素材分野」 高品質
で、 戦

〈冷凍食品の国内出荷額シェア〉 〈家庭用調理冷凍食品ランキング〉 〈加工食品事業の売上高内訳〉 3

「生活者価値の創出」
を目指します。 な製品・サービスを提供します。
(2016 年度) (2017 年度) (2017 年度)

順位 会社名 その他
業務用調理

マルハニチロ
1 ニチレイフーズ 7% 冷凍食品
その他
23.7% 2 マルハニチロ 44%

不動産事業
3 味の素冷凍食品 海外
日本水産
8.5%
ニチレイ 4 テーブルマーク 14%
味の素冷凍食品 23.4%
11.7% 5 日本水産 家庭用調理
農産加工品
テーブルマーク ※全国個人消費者パネル調査 
冷凍食品 ■ 事業内容
11.9% 2017 年 4 月∼ 2018 年 3 月までの累計 9% 26% 社有地の活用を目的とした、オフィスビルの賃貸と管理な
(出典) 株式会社インテージ SCI 
(冷凍調理 100 人当たり購入金額 
出典 日経産業新聞 2017 年 8 月21 日版より
: ※ 3 サブセグメント内の消去を含みません。 どを行っています。
購入ルート =生協店舗を含む)



05 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 06
ニチレイの価値創造
ニチレイグル ープはさまざまな機会とリスクに対して 、加工食品と低温物流を中心とした事業を通じて 、社会に


ニチレイの価値創造モデル
多様な価値を提供しています。継続的に企業価値を拡大し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。




機会とリスク 主要な事業 社会へ提供する価値 成果と目標(グループ連結)

( ) 2018 年度目標
内は


気候変動
加工食品事業 おいしく味わう



冷凍食品ブランド力
豊かな時間 イ

機会 品質保証力 本格的な味と 価
売上高 値
● 冷凍保管による食品供給調節機能の需要 世界の旬を届ける
商品開発力 創
● 環境配慮型商品とサービスの需要
設備能力 5,680 億円 造


リスク 幅広い販路と営業網 (5,860 億円)
● 温暖化による原材料産地の変動 安全な商品と
● 温暖化対策などのコストの増大 サービス
研究開発 調達 製造 販売 高品質な食品を
安全に届ける

サプライチェーンマネジメント ッ


機会 ッ

● 食のトレーサビリティの需要 お客様とお取引先 世界中から フードロスの削減 海外売上高比率 ー

● エシカルな商品とサービスの需要 ビジネスエコシステム
調達する 品質劣化の防止
● 持続可能な原材料の需要 コールドチェーン
顧客基盤 自然の恵み
調理ロス削減 12.9%
リスク (13.1% )
● 持続可能なサプライチェーン構築のコスト
総資産 持続可能な
連結従業員数
3,687 億円
私たち  の資本
サプライチェーン
E
フードロス 15,787 名 人と地球に優しい S
格付 A ※1 (2018 年 3 月末) G
商品とサービス の
機会 (2018 年 3 月末)


● 冷凍素材の需要 み
● 低温保管サービスの需要 営業利益
生産工場 
おいしさ再現技術
国内 15 工場 海外 4 工場

環境負荷低減
モーダルシフト
299 億円
倉庫庫腹 ※2 ※3 ※4
低温物流ノウハウ
健康志向 共同配送 (310 億円)
国内 151 万 t 海外 46 万 t
機会
● 健康志向商品の需要


低温物流トータルソリューション 健康な社会 戦

日本の人口減少 健康を支える食品

低温物流事業
機会
ROE
● 女性の社会進出と世帯構成の変化による
  簡単便利な食品の需要の高まり
● 労働力不足に対応する新たな商品とサービスの需要
低温物流ブランド力
立地優位性
11.9%
効率化への貢献 (10% 以上)
冷蔵倉庫庫腹国内 No.1※3 世界No.5※4
リスク
調理負担軽減
低温物流ワンス ップサービス

● 人材不足と技術・ノウハウの継承 3PL ※5とBPO ※6
冷蔵倉庫設備技術力



※ 1 R&I, JCR ※ 2 倉庫の収容スペース ※ 3 出典(一社)
: 日本冷蔵倉庫協会資料 2018 年 4 月現在)
( より ※ 4 2018 IARW Global Top25 List 2018 年 4 月現在)
( より ※ 5 3PL:Third Party Logistics の略 ※ 6 BPO Business Process Outsourcing の略


07 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 08
トップメッセージ


トップメッセージ

先に述べたような理由で冷凍食品の需要が拡大している 地道に取り組んできたことの成果だと考えています。特に国
ことを受けて、量販店だけではなく、ドラッグストアやコンビ 内では、持続的な利益成長と資本効率向上のための施策を
中期経営計画は順調に進 ニエンスストアなどでも取り扱いが増えています。あわせて、 実行し、業績は堅調に推移してきました。 ニ


技術革新で新たな価値を生み出し
畜産物や水産物などの輸入品も首都圏を中心に年々搬入が また、私たちは気候変動への対応、人権尊重、資源保全な イ

増加しており、低温物流のニーズは確実に広がっています。 ど顕在化しているさまざまな社会課題に対応しながら、持続 価

お客様に 心の満足」
「 を提供する こうした状況に対応するため、
や咲洲
(大阪)
ここ数年では、
に物流センターを新設するなど、
東扇島
(神奈川)
計画的に設備
的な成長を実現していかなくてはなりません。今、
ける重要な社会課題の一つが 、
日本にお
少子高齢化などによる深刻



を増強し、保管需要を取り込んできたことが収益の増加につ な労働力不足です。これに対応するためには、あらゆるもの
株式会社ニチレイ 代表取締役社長
ながりました。 がネットにつながるIoT や人工知能 AI )
( のさらなる活用が急
水産・畜産事業については、えびの調達コスト上昇などで、 務だと考え、技術革新に力を注いでいます。例えば 、特に労
調達・販売の両面で苦戦し減益となりましたが 、顧客ニーズ 働力不足が喫緊の課題となっている低温物流事業において
に合った最適な加工度の商品の提供による外食・中食ルート は、庫内作業のデジタル化、トラックの事前予約システム導 ト

向け販売の拡大などの経営課題への対応は進みました。全 入による待機時間の短縮、データ解析を通じた効率的な人員 プ

体としては着実に進 していると考えています。 配置など、省力化・省人化を推進するためのさまざまな取組 ッ

バイオサイエンス事業については、事業規模拡大に向けた みを進めています。また、加工食品事業では近畿大学と共同 ー

中期経営計画の進 単位 億円
: 2017 年度の実績 研究・生産拠点の移転を予定しており、今後償却費負担や要 で、 を活用した原料選別技術を開発し、
AI 野菜などに混入し
実績 予想 2017 年度の前年比 主力の加工食品事業と低温物流事業が 員増によるコストが発生しますが 、事業成長という意味では た異物や鶏肉の三大 夾 雑物
(硬骨・羽・血合い)
を取り除く作
(年度) 2016 2017 2018 増減 率 順調に推移し増収増益 確実に前に進んでいる状況だと認識しています。 業の自動化へ道筋をつけることができました。
 加工食品 2,050 2,207 2,290 157 7.6% 一方、海外では加工食品事業と低温物流事業を中心に展開
 水産 694 715 750 21 3.1% ニチレイグループの 2017 年度の実績は、主力の加工食品 中期経営計画 POWER UP 2018」
「 の進 と2018 年度に向けて していますが 、当初の計画よりも事業規模拡大が遅れている
 畜産 881 904 920 23 2.6% 事業と低温物流事業がけん引し、売上高は前期比5.3%増の 持続的な利益成長に向けた投資に注力 状況にあります。その理由の一つは、海外事業展開を担う人
E
 低温物流 1,869 1,951 2,000 82 4.4% 5,680 億円、営業利益は前期比2.0%増の 299 億円となりま 材の不足です。今後、積極的に人材投資を実行していきたい S
G
 不動産 46 49 48 2 5.0% した。経常利益は持分法投資利益が拡大したことで前期比 私は、企業経営における課題とは、突き詰めれば
「売上げ と考えています。ただし、やみくもに事業規模を拡大するの の

 その他 45 53 57 9 19.2%
5.3%増の 307 億円となり、固定資産除却損など 15 億円の特 をどう増やすか」コスト競争力をどう上げるか」仕組み
「 「 ・組 では意味はありません。目指すのは、ニチレイグループの、 組

 調整額
別損失がありましたが、当期純利益は191 億円で前期比1.8% 織 体 制をどう変えていくか」
という3点だと考えています。 優れた技術力と国内で培った事業ノウハウを活かしながら、
-189 -199 -205 -10 -
の増益となりました。振り返ると、全般に堅調に推移した1年 そのような認識のもと、2016 年度に3カ年の中期経営計画 現地のニーズに沿った価値を提供することです。その原点を
売上高合計 5,397 5,680 5,860 284 5.3%
であったといえるでしょう。 「 POWER UP 2018」
をスタートさせました。 忘れず、適正な規模の資源投入を通じて海外展開を加速させ、
 加工食品 139 146 150 7 5.0%
加工食品事業の増収については、世帯構成の急速な変化 昨年度はその2年目にあたりますが 、売上高と営業利益は 海外売上比率を2017 年度の 12.9% から5年後には20%程
 水産 8 3 7 -5 -61.6%
が背景にあると考えています。単身世帯や高齢世帯が増加し、 すでに計画で掲げた目標額を達成しており、順調な進 を遂 度にまで引き上げたいと考えています。
 畜産 16 13 14 -3 -19.2%
冷凍食品の利用が広がり、需要にマッチした商品を供給する げています。これは、計画策定時に設定した課題の解決に、 また、ニチレイグループの事業戦略に合った会社であれば
 低温物流 106 113 115 6 5.9%
ことで売上げが大きく伸びました。また、主力商品であるチ
 不動産 21 22 22 0 1.3% 事
キン加工品や米飯類については、タイや日本の主力工場で生 業
 その他 6 8 8 2 34.1% 中期経営計画 2016 年度∼ 2018 年度)
( 戦
産能力を増強したことに加え、テレビCMなどのプロモーショ 略
 調整額 全体戦略
POWER UP 2018
-3 -5 -6 -2 -
ンを継続的に実施したことで認知度が上がり、これまでニチ
● 持続的な利益成長と資本効率の向上を確かなものとする。
営業利益合計 293 299 310 6 2.0% レイフーズの商品を食べたことのなかった人が手に取ってく
● 海外事業は引き続き規模拡大を追求する。
2018 年度も、原材料費や人件費の上昇など厳しい事
経常利益 291 307 310 15 5.3% れるようになるなど、投資と販売の好循環をうまくつくれた ● グループ全体の品質保証力のさらなる向上を図る。
業環境となることが想定されます。経営環境の変化を確 ● コーポレートガバナンスなど ESG 関連の取組みを引き続き強化する。
当期純利益 188 191 198 3 1.8% ことが順調な伸びにつながったと考えています。
実にとらえ、事業を通じて社会的な課題の解決に貢献しつ ● 多様な人材の活躍推進に注力する。
※当期純利益は「親会社株主に帰属する当期純利益」
を表しています。 同じく好調だったのが低温物流事業です。人件費や電力料 2018 年度全体目標数値 2016 年 11 月 1 日外部発表)

※金額および %は四捨五入しています。
つ、持続的な成長の実現を目指します。
金の上昇、輸配送コストの増加など、 トアップ要因は多数
コス 売上高 5,670 億円
主力である加工食品事業と低温物流事業を中心に設備
営業利益 286 億円
ありましたが 、保管需要を着実に取り込みつつ、業務効率化 投資を実施し、グループの成長基盤を強化することで企 当期純利益 182 億円
や適正な運送料金の収受などの施策を進め、増益を確保する 業価値の向上を図ります。 3カ年の設備投資総額
(リース含む) 905 億円
ことができました。


09 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 10
M&Aも経営の選択肢の一つだと考えていますし、それだけ くのお客様に
「満足」
を提供していきたいと思っています。 を実現できているという自負があります。また、社外取締役 DOE 株主資本配当率) %以上の水準を維持していきます。
( 2.5
の財務余力があることも強みの一つです。D/Eレシオ
(負債 また、より長期的な視点を持った経営の実践が重要だと考 のうち2名が女性であり、多様性に富んだ視点からの意見を 2019 年 3 月期の配当は2 円増配となる年間 32 円を予定して
は現在 0.5 倍程度であり、
資本倍率) さらにレバレッジを効か えています。2018 年度は
「安全な商品とサービスの提供」持
「 取り入れることができる環境にしています。 います。 ニ


せればかなり規模の大きい会社を買収することも可能だと考 続可能なサプライチェーンの構築」
を優先的に取組む重要な このような取組みを今後より一層進化させ、当社が 100 周 イ

えています。ただし、やはり単純に規模を拡大すればよいわ 事項として位置づけました。食品事業や低温物流事業では、 年を迎える2045 年までには、ニチレイグループの創出するお ステークホルダーの皆さまへ 価

けではありませんから、一つひとつの案件をしっかりと検討 安全な商品とサービスを提供できなければ 、社会に大きな損 客様の
「くらし」
に対する価値を世界中に広げ 、 ありがとう 」
「 ! ミッションの実現に向け 創

しながら慎重に進めていく必要があります。 失を与えてしまいます。その前提となるサプライチェーンも と感謝していただけるような企業になっていたい。それが 、 建設的な対話を重ねていきます
持続可能なものでなくてはなりません。これらの重要な事項は、 今の大きな目標です。
今後の成長に向けたビジョン 私たちにとって価値創造に向けた大きなチャンスをもたらし、 また、2030 年には世界共通目標である国連の
「持続可能 本レポートの製作にあたっては、社内の数多くの部門がディ

くらしをみつめ、ニチレイならではの 同時に大きなリスク要因でもあります。その二つの観点を常 な開発目標 SDGs )のゴール年を迎えますので、
( 」 SDGs の達 スカッションを重ね、意見をまとめ上げるというプロセスを丁

新しい価値を創造する に意識しながら、事業を展開していくことが大切です。 成に向けてさらに貢献していきたいとも考えています。飢餓、 寧に行ってきました。実績も今後の目標も、現状を正確に記
「 ES 従業員満足)
( なくしてCS 顧客満足)
( なし」 私の信
も、 イノベーション、気候変動、海洋・陸上の資源保全など、私た した内容であることは、私自身が確認しています。ニチレイ ト

ニチレイグループには
「くらしを見つめ、人々に心の満足を 念の一つです。お客様にしっかりと満足を提供するためには、 ちが貢献できる分野は数多くありますが 、中でも事業と密接 グループを知っていただくために、一人でも多くの方にお読 プ

提供する」
というミッションがあります。食であれ物流であれ、 まず従業員が働きたいと思える会社にしていかなくてはなり に関連するのがゴール 12 の
「持続可能な生産と消費」
です。 みいただきたいと考えています。 ッ

人々が生活する姿をきちんと見つめ、身体的な満足だけでは ません。つまり、従業員同士が互いに信頼関係で結ばれた
「働 冷凍食品、水産・畜産物や低温物流サービスをうまく活用し 「くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する」
というミッショ ー

ない、総合的な満足を提供する。私たちが社会からより評価 きやすい会社」
であることと、誰もが仕事を通じて達成感を得 たフードロスの削減に取り組むことなどによって、SDGsの達 ンに従い、私たちは今後も、ステークホルダーの皆さまのくら
される企業になるためには、まずこのミッションを誠実に実 られる
「働きがいのある会社」
であることが大切です。この二 成に貢献できるのではないかと考えています。 しを見つめながら、皆さまにご満足いただける価値を提供し
現していくことが重要です。それを目指して、 地球の恵みを
「 つが相まって、初めて
「働きたい会社」
が実現するのだと考え 続けてまいります。ぜひ、本レポートをご覧のうえで、忌憚の
生かす」強い社会インフラ」
「 をキーワードに、ニチレイならで ます。
「働きたい会社」
をつくることで、従業員のモチベーショ 財務戦略 ないご意見をお寄せください。皆さまとの対話を深め企業と
はの新しい価値を創造していきたいと思っています。具体的 ンが上がり、生産性が向上し、新たな価値が生まれます。結 投資と株主還元への適正な配分 して成長していきたいと考えています。
には、大きな強みでもある独自の調理技術を活用して、 冷凍
「 果として売上げが伸びて、組織としても強くなっていくこと
E
食品だからこそおいしい」
と言っていただけるような商品を ができる。そうした好循環を生み出すことが 、私たち経営層 財務戦略についても、おおむね中期経営計画の目標どおり S
G
生み出すこと。そのために、日々の地道な技術改良を積み重 の重要な役割だと考えています。働き方改革や健康経営といっ に進 しています。今後も引き続き、成長のための投資に加 の

ねて、高い付加価値を生み出していきたいと考えています。 た取組みは、そのための施策の一環です。 えて、中長期的な競争力の維持・向上を目的とした事業基盤 組

ニチレイグループの低温物流サービスの品質は、世界的に コーポレートガバナンスにおいては、まず何よりも経営の 強化への投資を積極的に行っていきます。
見ても高い水準にあります。 IoTやAIを活用した先端技術の 透明性を高めることが重要だと認識しています。当社では、 また、事業資金を効率的・安定的に調達できるよう、資本
導入を進めて、さらに高度化・効率化したオペレーションを構 従来から社外取締役3名体制を取っており、監査役も5名中3 効率性、成長性、健全性を考慮しながら、バランスの良い資
築していく。そのビジネスモデルを国内だけでなく世界各地 名が社外です。これらの社外役員の皆さんには、取締役会な 本構成を維持しつつ、株主の皆さまへの安定的な配当も継続
で展開し、質の高い低温物流網を各地で提供することで、多 どでも積極的に発言していただいており、透明性の高い経営 していきます。具体的には、 (自己資本利益率) %以上、
ROE 10


財務戦略
持続可能な開発目標 SDGs )
( とは 事
● 中計期間の営業キャッシュ・フローの配分(見込) ● 1株当たり配当金の推移 業

2015 年に国連の
「持続可能な開発サミッ に 150 以上の国々 の首脳
ト」 略
投資から創出されるキャッシュ増分 (円)
が参加し、人間や地球のより良い将来のため 、2030 年を目標とした行
動計画「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」
が採択されました。
リースを除く設備投資等 現中期経営計画
営業 CF 3年間累計 556 億円
この行動計画が 17 の目標と169 のターゲットからなる
「持続可能な開発 主な内訳
「 POWER UP 2018」
3年間累計
目標 Sustainable Development Goals:SDGs )です。
( 」 政府や企業、市  加工食品 237 億円
1,113 億円 32
 低温物流 185 億円 30
民社会が連携して取り組むことが求められています。ニチレイグループ 28
注 設備投資等には無形固定資産を含む

は事業活動や
「ニチレイの約束」
の取組みを通じて、SDGs に取り組んで 24
リース債務返済 20
営業資金の増
いきます。 3年間累計 114 億円
減などに伴う
借入金の増減 配当金
ニチレイグループが優先的に取り組む重要な事項

主 目標 DOE 2.%を継続

● 安全な商品とサービスの提供 資産流動化か 還 注 DOE=配当総額/自己資本=ROE×配当性向


● 持続可能なサプライチェーンの構築 ら創出される 自己株式取得 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3 予定
キャッシュ
10 百万株程度(取得済)
注 2016 年 10 月1 日に実施した株式併合後の数値に置き換えて表示




11 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 12
ESGの取組み


ESG の取組み

ESG の取組み 重要な事項の特定プロセス

ニチレイグループは、企業経営理念に基づき、持続的な成 月1 日付で定めたのが、 ニ
CSR 基本方針
「ニチレイの約束」
です。
長と中長期的な企業価値の向上を実現することを目指して 「ニチレイの約束」 従来の方針を明確化するとともに、
は、 事
Step1 2014 年度∼ 2015 年度 チ



事業活動を行っています。2016 年度に開始した中期経営計 業の根幹につながる
「安全な商品とサービスの提供」
および ● 全社横断的なCSR 経営プロジェクトにて、 価

画 POWER UP 2018」
「 では、持続的な成長の実現のために、 その基礎となる
「持続可能なサプライチェーンの構築」
を新た ニチレイグループの重要な事項の特定に向けたワークショップを実施 創

「コーポレートガバナンスなど ESG の取組みを引き続き強化 に追加したものです。追加した2つのテーマを
「優先して取り
する」
ことを掲げました。この方針を受け、2016 年に、コーポ 組む重要な事項」
と位置づけ、関連する取組みと、情報の開
レートガバナンス・環境・社会・持続可能なサプライチェーン 示を強化しています。
Step2 2016 年度
などの課題にグループ全体で取り組むため、 CSR 経営推進
「 今後は、サプライチェーン上の人権課題に関する取組みを ● CSR 経営推進会議を開始
会議」
を設置しました。当会議では持続可能な社会の実現に 推進するなど、グループ全体で ESG の取組みをさらに強化し
向けて、ニチレイグループにとって重要な事項を明確にする ていきます。 ト
ため、CSR 基本方針の改定に取り組みました。翌 2017 年 4 Step3 2017 年度 ッ


● CSR 基本方針
「ニチレイの約束」 持続可能なサプライチェーン基本方針」
、「 を制定 ッ

取組み体制 ● 社外有識者へのヒアリングにより、重要な事項の選定過程の妥当性を確認 ー

【社外有識者】
ニチレイグループは、持株会社である株式会社ニチレイ全 能なサプライチェーンの構築などを議論しています。同会議
冨田 秀実氏 ロイ レジスタージャパン株式会社 取締役 事業開発部門長
: ド
体を CSR 本部」
「 とし、CSR 本部長を代表取締役社長が兼務 で議論した内容は取締役会や経営会議に報告され、経営層
関 正雄氏 :損害保険ジャパン日本興亜株式会社 CSR 室 シニアアドバイザー
してグループ横断的に環境・社会・ガバナンスの取組みを推 の承認を得て、推進しています。
明治大学経営学部特任教授 2018 年 4 月より)

進しています。また、CSR 本部副本部長である取締役がオー 加えて、2017 年度には株式会社ニチレイ経営企画部に ● 経営会議にて優先的に取り組む重要な事項を特定
ナーとなり、グループ各社のメンバーで構成する CSR 経営
「 「 CSR 経営推進グループ」
を設置し、各事業会社の取組みを
E
推進会議」
を設置しています。同会議ではグループ共通の基 後押ししています。 S
G
本方針や各事業会社の社会・環境課題への取組み、持続可 の
優先的に取り組む重要な事項 取





ニチレイの約束 ∼ 持続可能な社会の実現に向けて ∼ 安全な商品とサービスの提供 持続可能なサプライチェーンの構築
ニチレイグループは、食と健康を支える企業として事業活動を通じて新たな顧客価値を創造し、社会課題の解決に貢
「安全な商品とサービスの提供」
は当社グループの 「持続可能なサプライチェーンの構築」 グループ
は、
献します。また、経済的・社会的・環境的側面に配慮しながら事業活動に取り組み、その活動をステークホルダーの皆様
事業の根幹であり、かねてから重要事項と考えてきた の事業活動を支える土台です。お取引先を含めたサ
に広く公表し、理解と対話を深めてまいります。
ものを明文化しました。 プライチェーン全体で、社会・環境に対する責任を果

新たな顧客価値の創造 新たな商品やサービスを創り出し、事業を通じてお客様および社会の課題を解決します
お客様と生活者の信頼を獲得できるよう、高品質で たすことが求められています。ニチレイグループは
「ニ 業

安全な商品・サービスの提供にグループ全体で取り チレイグループ 持続可能なサプライチェーン基本方 略
安全な商品とサービスの提供 高い品質と安全性を実現し、お客様の信頼を獲得します
組んでいます。 針」
に基づき、お取引先と協力しながら、サプライチェー
持続可能なサプライチェーンの構築 持続可能なサプライチェーンの構築に努めます
ン全体での持続的な発展を目指していきます。
環境負荷の低減 地球環境に配慮し、環境負荷を低減します

社会との共生 社会と地域コミュニティの一員として共に考え、行動します

働く人の多様性を尊重するとともに、個々の能力を最大限に発揮し活き活きと働ける環境を ■ 関連する SDGs 目標 ■ 関連する SDGs 目標
働きがいの向上
実現します

コーポレートガバナンスの充実 適切な資源配分や意思決定の迅速化に努め、公正かつ透明性の高い経営を推進します

コンプライアンスの徹底 ニチレイグループが事業を展開する各国の法令と社会規範を遵守し、倫理性を高めます




13 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 14
ESGの取組み


安全な商品とサービスの提供

品質保証の考え方 グローバルなマネジメントシステム認証取得への取組み

ニチレイグループではグループ企業経営理念とCSR 基本 的として、品質保証に関する基本方針を定めています。 ニチレイグループではグローバルマネジメント 認証を取得した事業所数 ニ


方針
「ニチレイの約束」
に基づき、ニチレイグループが提供す 社会的に問題となった食品への意図的な異物混入事件を システムへの対応を進めています。事業特性に 認証規格 事業会社 認証取得事業所数 イ

る商品・サービスの品質および安全性を確保することで、生 受け、従来の食品衛生予防活動に食品防御の考え方を導入し あった各種のISOマネジメントシステム認証の取得 ニチレイフーズ 13 価

活者の健康被害を防止し、ニチレイグループ全体の品質管理・ ています。また、健康被害をもたらす事件・事故が発生した や食品安全マネジメントシステムFSSC22000※1、 ISO9001 創
ニチレイフレッシュ 8
品質マネジメントシステム 造
品質保証水準および 、顧客満足の維持・向上を図ることを目 際に迅速に的確な情報を発信する仕組みを構築しています。 ISO22000※2、 ※3の認証取得を進めています。
SQF
ニチレイロジグループ 105
※1 FSSC22000 はISO22000を基盤とする食品安全に関する国際
的なマネジメン トシステム ISO14001 
※ 2 ISO22000 はHACCP の食品衛生管理手法をもとに食品安全 ニチレイフーズ 11
環境マネジメントシステム
のリスクを低減する食品安全マネジメントシステムに関する国
品質保証に関する基本方針 際規格
※ 3 SQF Safe Quality Food )
( 認証は、購入する製品が 、HACCP ISO13485 
ニチレイバイオサイエンス 2
などの食品安全と品質における厳格な国際基準に合格してい 医療機器・体外診断用医薬品
1.食品関連法令等により要求される事項を遵守すること。 ることを保証するもの。 ヨーロッパ以外の国で、世界食品安全
イニシアティブ GFSI )
( によって認められている唯一のプログ ト
2.食品の安全・安心に対する生活者・取引先の要求事項を確実に把握し、グループ全体の品質管理・品質保証力を継 FSSC22000 ※1、ISO22000 ※2 ニチレイフレッシュ 6 ッ
ラム 

続的に高めること。 SQF ※3 ニチレイロジグループ 2 メ

3.生活者の健康被害を防止するために、食品安全 Food Safety ) 危機管理 Food Crisis Management )
( 、 ( のみならず 2018 年 3 月31 日現在


食品防御 Food Defense )
( の考え方を取り入れること。 ジ




ニチレイフーズ ニチレイロジグループ
品質保証体制
食 品 安 全 マネジメントシステム 規 格 である、 PC 事業※4を行っている仙台と大阪の2 拠点でSQF
FSSC22000 認証の 2018 年度中の取得を目指して を取得しています。
ニチレイグループは、食品の安全性を確保し、お客様にご 各事業会社の品質保証部門は、自社の商品・サービスに対
います。FSSC22000 に則った適切なマネジメントに SQFは、FSSC22000と同じくGFSIによって承認さ E
満足いただくために、商品開発からお客様対応に至るすべ する品質監査を行い、安全な商品とサービスが提供されてい S
より、原材料の受け入れから出荷まで、すべての工 れた食品品質に関する認証です。 G
てのプロセスで、品質管理・品質保証の基準やルールを定め、 るか、確認しています。 の
程で食品危害リスクを低減させることを目的として ※ 4 PC 事業 Process Center の略。
: (畜産品や水産品の加工から計量・

「安全な商品とサービスの提供」
に努めています。 これらの品質保証の取組みの状況はグループ各社で共有 包装・配送まで同一拠点で行うワンス ップサービス) ト

います。 み
株式会社ニチレイの品質保証部は、品質管理・品質保証に するとともに、各事業会社の
「品質保証委員会」
および
「グルー
関する規程や基準を制定し、品質マネジメント基準に基づく内 プ品質保証委員会」
で報告し、品質保証体制のさらなる改善・
部監査とモニタリング検査を行い、グループの品質マネジメン 強化に結びつけています。
トの仕組みが有効に機能しているか確認しています。



ニチレイグループ品質管理規程文書体系

グループ品質管理規程
ニチレイフレッシュ ニチレイバイオサイエンス 事


子会社である
(株)
フレッシュまるいち3 工場、 株)
( 安全で有用な医療機器・体外診断用医薬品の継 略
食品安全基準 食品防御基準 品質監査基準 品質マネジメント基準 ニチレイフレッシュプロセス2 工場で FSSC22000を 続的な製造・供給を目的とした医療分野における品
● 法令遵守 ● 意図的な危害の防止 ● 事業会社が実施 ● 持株会社が実施 取得しています。また、ISO22000 は、現在、食鳥処 質マネジメントシステムの国際規格であるISO13485
● 危害の防止 ● 品質管理業務として工場監査 ● 品質保証の仕組みとして事業
● 顧客の要求事項の充足 および商品審査を規定 会社の管理業務を内部監査 理場である
(株)
フレッシュチキン軽米が取得し、さら への準拠について定期監査を受け、認証機関により
● モニタリングとして検査を実施
に、食肉処理場である
(株)
フレッシュミート佐久平で 認証されています。
も取得を目指しています。 ISO13485 に従って全社的な管理体制を敷き、製
工場監査要領 品質マネジメント要領
造工程ごとに必要な検証を実施した上で、製造ロッ
商品審査要領 品質検査モニタリング要領
トごとに徹底した検査を行い、不良品が発生する前
品質検査ガイドライン
に検出できるよう傾向分析を実施しています。




15 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 16
ESGの取組み


持続可能なサプライチェーンの構築

持続可能なサプライチェーンの構築の重要性
A C認証とM C認証の水産物への取組み
S S
ニチレイグループが社会に価値を提供し自らが存続し続け プ共通の方針である
「持続可能なサプライチェーン基本方針」 ニ

ニチレイフレッシュは2006 年より、インドネシアにお 実施エリア
(インドネシア・北カリマンタン州タラカン市) レ
るために、持続可能な食料資源の確保は極めて重要であり、 を制定しました。 イ
けるえびの調達先であるPT.Mustika Minanusa Aurora の
サプライチェーン上のステークホルダーと環境に対する配慮 自らの事業活動のみならず 、サプライチェーン上の社会課 価
( MMA )社および北カリマンタン州タラカン市と共同で 値
が必要不可欠であると認識しています。 題や環境課題に取り組み、安全で高品質な商品・サービスを 創
えびの養殖池の再整備とマングローブ植樹によるタラカ 造
当社はCSR 基本方針
「ニチレイの約束」
の中から
「持続可能 安定的にお届けできるよう、持続可能なサプライチェーンの
ン市の自然保護活動「生命
( (いのち)
の森プロジェク )
ト」
なサプライチェーンの構築」
を優先すべき重要な事項のひと 構築に努めます。
に取り組んでいます。
つに選定するとともに、2017 年 4 月1 日付でニチレイグルー
「生命の森プロジェク では、
ト」 配合飼料や電気を使わな
い、えびの粗放養殖に取り組んできました。粗放養殖の
マネジメント体制
えびは、養殖池に稚えびを放流し、プランクトンや水草を

に育て、潮の干満を利用して漁獲を行います。ニチレイ はインドネシア初の ASC 認証※ 1を取得しました。養殖環 ッ
ニチレイグループ全体での持続可能なサプライチェーンの 開催し、同会議で議論した内容を取締役会や経営会議に報告 プ
フレッシュはこの環境負荷を低減したえびの取扱いを積 境の保全だけではなく、衛生的で安全な職場環境整備や、 メ
構築推進のため、2016 年度に CSR 経営推進会議」
「 を設置し して、各事業会社の持続可能なサプライチェーンの構築に向 ッ
極的に拡大するとともに、その販売収益の一部をMMA 養殖技術の訓練機会の提供、公平な賃金体系の整備な セ
ました。同会議でグループ共通の基本方針の検討や、各事業 けた取組みを後押ししています。 ー
社の
「マングローブ基金」
に寄付しています。当該基金は ど、養殖池で働く労働者への配慮もASC 認証につながり ジ
会社の課題や施策の共有などを行っています。年間 6 回以上
タラカン市でマングローブの植樹活動の資金となり、地 ました。
域の生態系回復や環境保全に役立てられています。 また、ニチレイフレッシュでは、2018 年 5 月現在 MSC
さらに2016 年 10 月からは WWFインドネシアおよび 認証※ 2 の水産物を16 種類取り扱っています。2017 年度
ニチレイグループ 持続可能なサプライチェーン基本方針 WWFジャパンと協力し、 WWF 北カリマンタン海と森の
「 にはCoC 認証 ※ 3を保有する取引先とともに、MSC 認証
保全プロジェク の一環として、
ト」 養殖業改善活動を実施 のニシン
(魚卵)
を使った
「数の子松前漬け」
と「数の子わさ
ニチレイグループは、持続可能なサプライチェーンの構築に取り組むため、以下の基本方針に則って商品やサービス
しています。この活動によりMMA 社の一部の粗放養殖 び漬け」
を開発しました。 E
の調達を行うとともに、この方針の理解と実践をお取引先へ働きかけてまいります。 S
池において、2017 年 8 月にブラックタイガーえびとして 持続可能な水産物に対する生活者からの注目が今後ま G

すます高まると予想し、引き続き、ASC 認証やMSC 認証 取
法令遵守 :事業を営む国・地域の法令・社会規範を遵守する。 組
の水産物の取扱いを増やしていきます。 み
公正な取引 :公平、透明かつ公正な取引を行う。
※1 ASC 認証 ASC Aquaculture Stewardship Council 水産養殖管理協議
: ( :
人権 :基本的人権を尊重し、安全で衛生的な労働環境の確保に努める。 会)による持続可能な養殖水産物の認証
※2 M C認証 MSC Marine Stewardship Council 海洋管理協議会)
S : ( : による
持続可能な天然水産物の認証
環境 :自然との共生に配慮し、環境負荷の低減に努める。
※3 CoC 認証 加工・流通過程の管理認証

品質・安全 :商品・サービスの品質や安全性の確保に努める。 生命の森プロジェク ト
大きく育ったえび マングローブの再生 https://www.nichireifresh.co.jp/inochinomori/
情報管理 :情報を適切に管理するとともに、事業活動に関わる情報の適時・適切な開示に努める。
地域社会 :企業市民として地域社会との共生を目指す。
ニチレイフレッシュの ASC/MSC 認証取得製品 2018 年 6 月現在)


【認証登録番号】 ブラックタイガー 業
ASC 戦
ASC-C-01632 バナメイエビ

サケ類 (カラフトマス、キングサーモン、ギンザケ、
具体的な活動 シロザケ、ベニザケ)
スケトウダラ

2017 年度は
「ニチレイグループ 持続可能なサプライチェー プライヤーに対して、アンケート形式の調査を実施しました。 マダラ

【認証登録番号】 カレイ類
(アブラカレイ、黄金カレイ、浅羽カレイ、白カレイ)
ン基本方針」
について重要なサプライヤーと共有し、サプライ 2018 年度は調査内容の分析を進めて、今後の取組みを検討 MSC
MSC-C-52165 ホタテガイ
チェーン上における現状把握に取り組みました。ニチレイフー していきます。
ニシン
ズとニチレイフレッシュは2017 年度に、国内外の重要なサ カラフトシシャモ
ズワイガニ
ホッキ貝




17 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 18
ESGの取組み ESGの取組み


環境の取組み 働き方改革

環境に対する考え方 組織の活性化と生産性向上を目指した働き方改革の推進

ニチレイグループは、 ニチレイグループ環境方針」
「 を定め、 ・食品製造におけるエネルギーの効率的な利用 ニチレイグループは人的資本強化のため、働きがいの向上 人材の獲得と維持につなげます。グループ各社がそれぞれ ニ


地球温暖化防止・持続可能な資源循環の推進・自然との共生 ・ 低温輸送における効率性の向上を通じた温室効果ガス排 に力を入れています。2017 年度には
「ニチレイの約束」
に基 の課題にそった取組みを推進するとともに、グループ横断的 イ

の つをテーマに掲げています。
3 出量の削減 づき を定め 2021 年度ま
「ニチレイグループ働き方改革方針」 に組織する
「グループ人財委員会」
と「ダイバーシティ推進協 価

食のインフラを支える当社グループの事業活動は、原材料 ・ 再生可能エネルギーの利用促進を通じた、サプライチェー での実現を目指して取り組んでいます。多様な価値観を許容 議会」
において、情報交換や進 確認などを行っています。 創

の調達において自然生態系に依存しており、気候変動の影響 ン全体が与える気候変動への影響の低減 する企業風土を醸成し、組織の活性化と生産性の向上を図り、
を受けます。そこで当社グループは、お取引先と連携しなが ニチレイグループ働き方改革方針
ら右記に取り組みます。 働く場所や時間といった就業環境に自由度を持たせた制度を導入し、状況に合わせて選択で
就業における選択肢の拡充
きるようにする
多様な働き方の実現
出産や育児、介護、配偶者の転勤、健康不安・罹患など、 従業員が置かれている様々な状況
環境目標 キャリア継続の仕組みを構築
に係わらず、キャリア分断が起こらない仕組みを構築する
労使協働で働き方改革に取り組み、従業員一人ひとりが健康で働きがいを持ち、能力がより
長時間労働の是正 ト
発揮できる適切な労働時間を実現する ッ
当社グループは工場や物流センターなどの事業所から直 可能エネルギーの導入などに加えて、サプライチェーン全体 プ
女性活躍の推進 公平に機会・教育の場を提供し、ニチレイグループの貴重な戦力となるよう支援する

接排出されるCO2 の削減に取り組むとともに、各事業会社が での CO2 削減に取り組んでいきます。 『障がい者と健常者が分け隔てなく共存する社会 (共生社会)の実現』
という理念のもと、障が ッ
障がい者が活き活きと働く場を提供 セ
公平な機会の提供 いのある方の働く場や機会を創出し、いきいきと働き、生活していく事を支援する
重点課題を設定しCO2 削減に取り組んでいます。 ー
※ 1 電力排出係数固定 :電気事業連合会公表 2009 年度使用端 CO2 排出原単位
健康寿命が延びる中、シニアならではの経験を活かし、一人ひとりの価値観、働き方に応じた ジ
2017 年度のグループ CO2 排出量は、生産量の増加、事業 0.412[t-CO2/MWh]を全国で共通使用 シニア雇用の創出
活躍の場を創出する
※ 2 電力排出係数変動 各事業所で使用する年度における電力事業者の電力換算係

所の新設などにより2009 年度比で 0.8%※ 1 増加しました。ま 数を使用

た、電力によるCO2 排出係数を変動係数で比較した場合は、 女性活躍の推進
17.3% ※2 の増加となりました。今後も、食品工場・物流セン グループ環境中期目標 2016 年度∼ 2018 年度)

ターにおける効率運転や省エネ設備への更新、および再生 項目 内容 女性社員がさらに貴重な戦力として活躍できるようにさま す。ワークショップなどを通じて、社会環境の変化や会社の
ざまな施策を展開しています。ニチレイフーズでは他の食品 推進する施策について理解を深めています。さらに、ニチレ
グループ のエネルギー起源 CO2 排出量
(国内)
E
CO2 排出量 2018 年度末までに2009 年度実績比 2.4%削減 メーカーと共同で女性キャリアセミナーを実施しました。また、 イロジグループは各社に1 ∼ 2 名の女性活躍推進担当者を選 S
ニチレイグループ CO2 排出量の推移 の削減 ※国内事業所および所有車両で使用するエネルギー G
異業種交流型のリーダーシップ研修にも社員を派遣し、女性 任。担当者は勉強会等で得た知識を活用し、課題解決に取り の
※購入電力由来の CO2 算出係数は2009 年度固定
(千トン-CO2) 電力排出係数固定  
※1
電力排出係数変動 ※2

リーダー育成を図っています。一方、ニチレイロジグループ 組んでいます。
■ ■




400 組
廃棄物の ・ 食品工場、 物流センターから排出される廃棄物リサ み
リサイクル率 イクル率 99%以上の維持 では
「咲カセル ロジ女フォーラム」
を継続的に開催していま
300 290 287 279 273 維持と発生抑制 ・動植物性残さの削減に取り組む (国内の食品工場)
232 223 226 228 227 女性活躍推進施策 ニチレイフーズ ニチレイロジグループ

225 各地域の水を取り巻く環境事情を考慮し、持続可能な
・ダイバーシティフォーラム SPIRAL UP! 」

水資源の保全 水利用に向け、効率的な水利用を通じて、水資源の保 女性社員の意識の形成 ・
「咲カセル ロジ女フォーラム」
100 ・女性社員キャリアセミナー LADY, GO UP!
「 」
全に取り組む
(国内の食品工場)
管理職への理解促進 ・女性部下を持つ管理職セミナー ・部署長意見交換会

海外事業所における環境に関するデータの収集に取り組む 成長に向けたマインドセット ・女性リーダー育成プログラム
(社外研修) ・女性活躍推進担当者勉強会
2009 2014 2015 2016 2017 (年度)







ロジスティクス・ネットワークがグリーン物流パートナーシップ会議 優良事業者表彰 働き方改革を進めるにあたり
2017 年12 月、ニチレイロジグループの
(株)
ロジスティクス ネッ
・ 測システムを活用した輸送の効率化・平準化など、さまざまな先 2017 年 4 月に働き方改革をスタートし
「ニチレイグループ働き方改革方針」
を制定しました。この方針
トワークは、冷凍食品輸送におけるモーダルシフト拡大の実績を 進的な取組みを導入してきました。 のもと、多様な働き方の実現や、長時間労働の是正、生産性の向上に取り組んでいます。
評価され、優良事業者としてグリーン物流パートナーシップ物流 今回はその取組みの実効性が評価され、荷主であるニチレイフー 変化する外部環境や今後さらに多様化する顧客ニーズに対応し
「ニチレイならではの新しい価値」
を創
審議官表彰 を受賞しました。
※3
ロジスティクス ネッ
・ トワークでは、 ズなど3社と共同での受賞となりました。今後もさらに、環境負 造するためには、従業員がさまざまな価値観・働き方を認め合うことが必要です。従業員の働く力を高め、
調達・在庫管理、配送に至るまで、荷主である顧客企業の全物流 荷低減や労働力不足に対応した持続可能な事業運営を推進して 当社グループが持続的な成長を実現するために、グループ全体の定性・定量目標を設定し、具体的な施
を改善・運営する PL
3 ※4
事業者として、 年以上にわたってモー
10 いきます。 策を実行していきます。
ダルシフトを推進しています。単に鉄道やフェリーを利用するだけ ※ 3 国土交通省などが実施する、 物流分野におけるCO2 削減を促進するための
ニチレイ 執行役員 人事総務部長
(株)
優れた取り組みを表彰する制度
ではなく、複数の荷主を組み合わせた幹線輸送の共同化、需要予 ※ 4 3PL Third Party Logistics の略
: 狩野 豊



19 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 20
ESGの取組み


コーポレートガバナンス

ニチレイグループは、持株会社体制のもと株式会社ニチレイの取締役会がグループの戦略を立案し、事業会社の業務執 取締役会評価の状況
行を監督しています。取締役会の監督のもと適切な資源配分、意思決定の迅速化、コンプライアンスの徹底を推進するなど、

コーポレートガバナンスの充実に努めています。 2017 年度取締役評価の結果の概要 チ

コーポレート ・ガバナンス イ
https://www.nichirei.co.jp/corpo/management/governance.html 当社の取締役会は、その実効性を担保するために、必要に応じて外部専門家の支援を受けながら、取締役会の運営状況等に の

関する分析・評価を行い、その結果の概要を開示することにしております。2017 年度の結果の概要は以下のとおりです。 値
コーポレートガバナンス体制 創

(1)
評価の実施方法 いう観点から改善の余地があると認識している事項について複
当社は、持株会社体制において多様な事業を展開する上で、 取締役会、監査役会のほか、取締役会の主要な諮問委員会
対象者 取締役、
: 監査役
(計15名) 数の指摘があり、これらの指摘について、今後、取締役会におけ
会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を採用してい に出席して発言を行い、常勤監査役の往査に適宜同行してい 時 期 2 1
: 0 8年1月下旬から2月下旬 る自己評価において検討することが考えられる。」
ます。取締役の員数を11 名以内、監査役の員数を5 名以内と ます。 手 法:外部専門家に委託して実施する第三者関与の自己評価
し、うち3 名の独立社外取締役、 名の独立社外監査役を選
3 なお、2017 年度の取締役会は19 回開催しました。 方式 当社取締役会は外部専門家からの評価を真 に受け止め、指摘
具体的には、従来から実施しているアンケートに加え、個 または提案を受けた事項についての議論を行い、以下のとおり今
任しています。 ト
コーポレートガバナンス体制強化の取組み 別インタビューを併用しました。 後の取締役会の運営に反映することにしました。 ッ
取締役会と監査役会は効果的に連携を図ることで、業務を プ
年度 取組み メ
執行する執行役員を適切に監視・監督しています。また、取 1)
アンケート 1)
取締役会における議論の更なる活性化のための対応 ッ
2001 ● 執行役員制度の導入 セ
締役会の意思決定事項を法定事項および当社独自の基準で 5段階評価と自由記述式回答 12区分 9項目)
(6 ①社外役員に対する付議事項等に係る事前説明の実施 ー
2003 ● 社外取締役制度の導入 ジ
定めた事項に限定する一方、意思決定事項の多くを執行役員 [区分] 中立性・独立性を尊重し定例とはしないものの、社外役員の要
● 持株会社体制へ移行
を構成員とした
「経営会議」
に委譲し、取締役会は最重要事項 2005 ● 独立社外取締役 3 名体制へ ①取締役会の役割・機能 請に応じて行うことにしました。
● 女性社外取締役 1 名)
( が初めて就任 ②取締役会の規模・構成 ②取締役会資料の構成・記載の工夫
の意思決定と執行役員の業務執行の監督に専念しています。
● 役員退職慰労金制度の廃止 ③取締役会の運営状況  付議事項等の基本書式を活かしつつ、要点が分かりやすいよ
当社グループの事業特性を熟知している当社の常勤監査 2006
● 取締役の任期を1 年に短縮 ④指名諮問委員会の構成と役割 うに工夫をしたうえで作成することにしました。
役と各事業会社の常勤監査役が協働し、年間を通じて主要事 2012 ● 監査役 5 名
(うち独立社外監査役 3 名)
体制へ ⑤指名諮問委員会の運営状況 ③経営会議への社外役員のオブザーバー参加
業所の往査を実施し、各事業の実情に即した監査上の指摘を ● コーポレートガバナンス基本方針制定 ⑥報酬諮問委員会の構成と役割 弊社の経営会議の目的、位置付けを再確認し、社外役員の要請
2015 ● 指名諮問委員会、報酬諮問委員会の設置 E
行っています。さらに、往査実施後、各監査役は監査役会お ⑦報酬諮問委員会の運営状況 に応じて参加いただくことにしました。
● 取締役会の実効性評価を開始 S
⑧社外取締役に対する支援体制   G
よび代表取締役に対して把握した問題や課題を報告し、監査 ● 買収防衛策の廃止 の
2016 ⑨監査役の役割・監査役に対する期待 2)
サクセッションプランに関する議論  取
機能の強化を図っています。また、当社の独立社外監査役は、 ● 女性社外取締役を2 名に
⑩投資家・株主との関係 次世代経営層の発掘・育成などの観点から、議論の環境を整備し 組

(2018 年 6 月26 日現在)
⑪当社のガバナンス体制・取締役会の実効性全般 ていくことにしました。
⑫自己評価
株主総会
3)
取締役会で取り上げたい議題(要旨)
選任 / 解任 選任 / 解任 選任 / 解任
2)
個別インタビュー 各取締役の関心が高く、今後、取締役会で取り上げていく議題と
持株会社
1)
の結果に基づき、それぞれの対象者のアンケート回答内容の確 して、以下項目があることを確認しました。
(諮問機関)
認や深掘り、またはそれ以外の事項について、外部専門家による ①中長期経営ビジョン
選任
指名諮問委員会 取締役会 監査役会 各3 ∼ 5分程度の個別インタビューを行いました。
0 4 ②グローバル人財の育成
答申 10 名 監査 5名 連携 ③M& 海外投資案件
A、
報酬諮問委員会 事
(うち社外取締役 3 名) (うち社外監査役 3 名)
(2)
評価結果の概要 ④新規事業への取組み 業
上記のアンケートおよび個別インタビューを踏まえた外部専門家 ⑤品質保証、知的財産関連 戦
グループ 監督 連携 略
・人財委員会 の所見は以下のとおりです。 ⑥取締役会の付議・報告事項の見直し
・リスクマネジメント委員会 会
(業務執行) 内 計 「取締役会は、その役員構成において一定の多様性が確保され、
・環境保全委員会 部 監査

・品質保証委員会 代表取締役 監査 監 査 実際の審議の場面において発言しやすい雰囲気が形成されており、 当社の取締役会は、アンケートおよび個別インタビューを通して得
・内部統制委員会 査 人
部 連携 議長による円滑な議事進行の下で議論がなされているとの意見 られた外部専門家の意見に鑑み、当社取締役会は一定の実効性
・役員審査委員会 門
・社会貢献委員会 経営会議 が大半であり、全体として取締役会の実効性は相当程度確保され が担保され、また過去に認識した課題についても順次改善が図ら
(執行役員で構成)
ているとの肯定的な意見が多くみられた。また、過去 2 年にわた れていることを確認しました。今後も定期的・継続的に取締役会
・審査委員会
り実施された実効性評価において指摘された課題を踏まえた一 評価を実施して、実効性を高めてまいります。
・知的財産管理委員会 持株会社各部門 監査
定の改善が見られるとの意見や、取締役会の実効性は現在にお
いて他社と比較しても 色がないとの意見も多くみられた。
(業務執行) 監査
その上で、各役員からは、取締役会の実効性をより向上させると
ニチレイグループ各社


21 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 22
ESGの取組み


役員一覧 ( 2018 年 6 月 26 日現在)




■ 取締役











村井 利彰 大谷 邦夫 田口 巧 金子 義史 大 顕也 川 順司
代表取締役会長 代表取締役社長 取締役執行役員 取締役執行役員 取締役執行役員 取締役執行役員

海外事業部門、経営企画部門等の業務経験ならび 経理部門、経営企画部門および事業経営支援部門 経理部門および財務部門の業務経験を豊富に有し 株式会社ニチレイフレッシュ代表取締役社長 株式会社ニチレイフーズ代表取締役社長 加工食品事業の品質監査、 工場品質管理等の品質
に当社およびグループ会社の社長としての経営経 等の業務経験ならびに当社およびグループ会社の ており、取締役会や社内の各種会議等において、 加工食品事業の営業部門、 調達部門および物流部 加工食品事業の生産部門、 事業統括部門および経 保証部門およびマーケティング部門の業務経験を
験を豊富に有しており、取締役会や社内の各種会 社長としての経営経験を豊富に有しており、取締役 会計・財務等の見識を活かして、意見、提言等を 門等の業務経験ならびにグループ会社の社長とし 営企画部門等の業務経験を豊富に有しており、 取 豊富に有しており、取締役会や社内の各種会議等
議等において、グループ経営を統括する立場から 会や社内の各種会議等において、 グループ経営を 行っています。 ての経営経験を豊富に有しており、 取締役会や社 締役会や社内の各種会議等において、 加工食品事 において、技術戦略・品質保証等の見識を活かして、
の意見、提言等を行っています。 統括する立場からの意見、提言等を行っています。 内の各種会議等において、 国内および海外での豊 業および経営企画部門での経験と実績を活かして、 意見、提言等を行っています。 ト

富な経験と実績を活かして、 意見、提言等を行って 意見、提言等を行っています。 プ
います。 メ


■ 社外取締役 ■ 監査役 ー





E
梅澤 一彦 鵜澤 静 鰐渕 美恵子 昌子 久仁子 滋野 泰也 安田 一彦 S
取締役執行役員 社外取締役 社外取締役 社外取締役 常勤監査役 常勤監査役 G

株式会社ニチレイロジグループ本社代表取締役社長 経営者としての豊富な経験と財務・経理分野の幅 長年にわたり企業経営に携わっており、その経験と 薬事関連業界での企業経営者としての豊富な経験 低温物流事業の営業部門および管理部門等の業務 経理部門および経営企画部門等の管理部門での豊 取

低温物流事業の物流ソリューション部門や事業管 広い見識を有しており、グループ経営の視点から、 見識を活かして、生活者の商品・サービスの購買行 と、品質保証、研究開発に関する幅広い見識を有し 経験ならびにグループ会社の社長としての経営経 富な業務経験ならびに財務・会計に関する十分な み
理部門等の業務経験およびグループ会社の社長と 取締役会や社内の各種会議等(指名諮問委員会お 動などの視点も踏まえながら、 取締役会や社内の ています。 験を豊富に有しています。 知見を有しています。
しての経営経験を豊富に有しています。 よび報酬諮問委員会を含む)において、意見、提言 各種会議等(指名諮問委員会および報酬諮問委員 重要な兼職の状況
等を行っています。 会を含む)
において、意見、提言等を行っています。 株式会社メディパルホールディングス社外取締役
重要な兼職の状況 重要な兼職の状況
株式会社日本政策金融公庫社外取締役 株式会社銀座テーラーグループ代表取締役社長
サッポロホールディングス株式会社社外取締役 株式会社銀座テーラー代表取締役社長
株式会社 GGG 代表取締役社長




■ 社外監査役 ■ 執行役員 事







齊田 國太郎 岡島 正明 長野 和郎 宇田川 辰雄 三木 一德 武永 正人 狩野 豊
社外監査役 社外監査役 社外監査役 執行役員 執行役員 執行役員 執行役員
財務 IR 部長 経営企画部長 株式会社ニチレイバイオサイエンス 人事総務部長
法曹界の出身者であり、 法律の専門家としての知 行政分野における豊富な経験と幅広い見識を有し 金融機関の経営をはじめとする企業経営者として 代表取締役社長
識、経験等を豊富に有しています。 ており、取締役会や監査役会等において、意見、提 の豊富な経験と見識を有しています。
言を行っています。




23 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 24
ESGの取組み


社外取締役メッセージ

いかなる事業環境の変化にも対応できる企業へ

ニチレイの社外取締役に就任して2年がたちましたが、

も活発にできる会社だと感じています。
非常に真面目で議論
事業戦略
私の社外取締役としての役割は、外部の視点から、内側にいてはなかなか

見えない点について率直に意見を申し上げることだと考えています。私自身 Contents
のこれまでの経営経験や財務・経理の知識を生かし、積極的に意見を述べて
27 セグメントハイライト
います。

中期経営計画 POWER UP 2018」
「 は順調に進 しています。今後の課題は、 29 加工食品事業 
事業の利益率を向上させる取組みと、海外展開の推進にあると考えています。 31 低温物流事業
海外展開においては、リスクマネジメントの観点から欧米並みに契約管理を
33 水産・畜産事業
徹底するよう意識を高めることが重要です。加えて、現地で信頼できる人材

を確保することと、経営陣が現地に赴き従業員とコミュニケーションを図るこ 35 バイオサイエンス事業
とも大切だと思います。 36 不動産事業
(株)
ニチレイ 社外取締役 また、一層力を入れていってほしいと期待しているのが、ダイバーシティの

鵜澤 静 推進です。まずは、女性社員が役員に就任するなど、若い世代のロールモデ

ルになるような人材がどんどん出てきてほしい。そして、 女性の活躍推進」

■ 選任理由
にとどまらない幅広い視点でダイバーシティをとらえ、性別や国籍、価値観も
日清紡ホールディングス株式会社代表取締役社長、
会長を歴任。 多様な人材が共に働くことで活性化する組織を目指してほしいと考えています。
経営者としての豊富な経験と財務・経理分野の幅広
い見識を有しており、当社のグループ経営に活かし 加えて、将来の収益源について、さらに議論や取組みを進めていくべきだ
ていただくため選任しました。2016 年 6 月から当社
と考えます。ニチレイの扱う
「食」 人々の生活に密着しているだけに、
は、 簡単
社外取締役に就任。
になくなるようなことはない事業分野だと思います。しかし、これだけ変化

が速く、先が見通せない時代に、それに甘んじてはいられません。私が長く

勤めた企業も、かつては衣食住の一つである
「繊維」
で発展した会社でしたが、

海外からの安価な輸入品の拡大などもあり、現状では繊維関係の売上げは全

体の1割にすぎなくなっています。そうした変化があり得るということを常に

想定するべきです。

私は社外取締役として、株主や第三者の視点を持つとともに、いわば会社の

「応援団」
でもありたいと考えています。改めるべき部分についてはしっかり

と指摘し改善を促しながら、ニチレイが健全で持続的に企業価値を高めてい

けるように後押しを続けていきたいと思います。




25 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 26
事業戦略


セグメントハイライト

セグメント別売上高・営業利益 2017 年度)
( 単位 百万円
: 業績のポイント 2017 年度)

売上高 営業利益 家庭用・業務用ともにチキン加工品や米飯類などの主力カテゴリーを中心とした商品開発や販売活動に
セグメント ニ
実 績 前期比 増減率(%) 実 績 前期比 増減率(%) 注力したことに加え、海外子会社の売上げも貢献し増収となりました。営業利益は関係会社の業績影響や チ
加工食品 レ
原材料・仕入コストの上昇など、マイナス要因があったものの、増収効果や生産効率向上などにより増益 イ
加工食品 220,686 15,660 7.6 14,573 700 5.0
となりました。 の

水産 71,511 2,135 3.1 305 -488 -61.6 値
大都市圏を中心とした集荷拡大や地方エリアにおける保管・運送・流通加工機能などの総合的な物流サー 創
畜産 90,393 2,264 2.6 1,301 -309 -19.2 造
低温物流 ビスの提供に注力しました。また、業務改善および運送効率化などのコスト対応策を推進したことに加え、
低温物流 195,093 8,208 4.4 11,255 623 5.9 T (通過型センター)
C 事業が順調に推移したことで増収・増益となりました。
不動産 4,869 232 5.0 2,152 27 1.3 外食・中食向け商材の販売拡大に努めたことや、 たこ」魚卵」
「 「 の取扱いが伸長したことなどにより増収と
水産
その他 5,344 859 19.2 811 206 34.1 なりましたが、円安の影響で
「えび」
の調達コストが上昇したことにより減益となりました。
調整額 -19,866 -986 - -501 -171 - 外食・中食向けの販売が伸長したことなどにより増収となりましたが 、鶏肉の調達コスト上昇を吸収しき
畜産
合計 568,032 28,375 5.3 29,897 588 2.0 れず減益となりました。 ト







加工食品事業 低温物流事業

業務用調理 家庭用調理 地域保管 物流ネットワーク
冷凍食品 冷凍食品
33% 46%
44% 26%
2017 年度 2017 年度 E
売上高 農産加工品 売上高 S
G
9%
2,207 億円 1,951 億円 の



その他・共通
海外 3%
その他 海外
7% 14%
18%

営業利益の増減要因 (億円)
ニチレイフーズ チキン加工品の売上高推移(日本国内販売のみ) 営業利益の増減要因  (億円)
ニチレイロジグループ 冷蔵倉庫の稼働状況(国内)
(億円) (一般保管入庫数量:千トン) (総合在庫率:%)
2016 年度営業利益 139 2016 年度営業利益 106
750 2,400 50
増益要因 33 増益要因 21
2,105 事
増収効果 28 700 697 集荷増による業績影響額 7 2,000 2,016 45
1,934 44.1 業
生産性改善 幹線輸送の収支改善 42.3 43.7
5 6 戦
1,600 40.6 40.6 40 略

減益要因 -26 業務改善効果 4 37.7 37.7 38.0
原材料・仕入コストの上昇 -13 600 598 3PL 事業の拡大 2 1,200
34.1
36.1 35
579 33.7
関係会社の業績影響額 運送効率化 939 31.0 33.4
-15 557 2 33.1
1,018


広告宣伝費の増減 8 減益要因 -14 29.4

その他 622
-6 500 495 BCP 関連費用など -5 400 25

2017 年度営業利益 146 466 輸配送コス (純額)
ト増 -3 97128 89128 93127


427 電力コス (純額)
ト増 -3 2015 2016 2017 (年度)


400 作業委託コス (純額)
ト増 -1 入庫数量  ■ 12 大都市 ■ 首都圏 ■ 関西圏 ■ 名古屋 ■ 福岡
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017(年度) その他 -2 総合在庫率  ■
12 大都市  ■
首都圏  ■
関西圏  ■
名古屋  ■
福岡

注 2012 年度より、
: 売上計上基準の変更(従来、販売費で計上していたものの 2017 年度営業利益 113 注 在庫率とは冷蔵倉庫内の全スペースにおいて貨物が占める割合を指します。

一部を売上高から控除) による影響を反映しています。 スペースには通路や作業空間などの荷物が置けない空間が通常半分程度含まれます。




27 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 28
事業戦略



加工食品事業

中計施策である「収益性の向上」は順調に進 売上高 営業利益
(億円) (億円)
戦略カテゴリの強化によりさらなる収益拡大を目指します 2,500 150 146 150

2,290 139
2,207 チ
164 レ
大 顕也
2,000 1,992 2,050 163 120
1,939 イ
株式会社ニチレイフーズ 代表取締役社長  155 170




1,500 267 305






188 80 値
ニチレイフーズは、独自の商品開発力と品質保証力を活かした冷凍食品
(家庭用・業 572 598 創
1,000 462 470 525 60 造
務用)
を国内外で提供しています。また、国内ではレトルト食品、ウェルネス食品も提 54

供しています。人々のくらしを見つめ、食を通じて、健康で豊かな社会の実現に貢献 500 1,017 30


します。

ニチレイフーズ
2014 2015 2016 2017 2018 (年度) 2014 2015 2016 2017 2018 (年度)
URL https://www.nichireifoods.co.jp 目標 目標
■ 業務用調理冷凍食品 ■ 家庭用調理冷凍食品 
■ 農産加工品 ■ 海外 ■ その他








冷凍食品の市場動向 業務用調理品では、販売が好調に推移する中食ルート向け
事業概況 (消費金額:億円)
中期経営計画の進 状況と今後の方向性
に、チキン加工品や春巻などの主力商品の販売を引き続き拡
12,000
2017 年度の冷凍食品生産量は過去最高を更新するなど、 中期経営計画の進 としては、主力商品の販売拡大と生産 大します。
10,585
10,156
国内の冷凍食品市場は活況が続いています。今後も中食や 10,000 9,771 9,883 9,894
1,533 性改善により、目標に掲げていた国内事業の収益性向上を達 海外事業では、米国のアジアンフーズ市場において、さら
1,409
外食業態での労働力不足に加え、世帯構成の変化などによる 1,425 1,358 1,322
成しました。中期経営計画 2 年目である2017 年度の業績は、 なる売上成長を目指します。家庭用では既存商品の拡販に加
1,872
8,000
「食の外部化」
の一層の進展により、マーケットのさらなる拡 売上高 2,207 億円
(前期比 7.6%増) 営業利益 146 億円
、 (同 え、新たな成長ドライバーとして個食向け商品を投入し、顧
1,877 1,701
1,572 1,720
E
大が期待されます。こうした中で、冷凍食品は従来の
「簡単 2,945 2,885
3,020 5.0%増) 営業利益率6.6%と、
、 引き続き順調に推移しており、 客層の拡大を図ります。 S
6,000 2,853 2,850
G
便利」保存ができる」
「 という一般的な機能に加え、生活者に 特に、チキン加工品や米飯類が増収に大きく貢献しました。 今後につきましては、チキン加工品や米飯類などの戦略カ の

とって
「手作りに替わる価値ある食卓メニュー」
として存在意 4,000 中期経営計画最終年度である2018 年度は、減価償却費の テゴリの利益最大化に注力し、差別化商品の開発や需要拡大 組
3,985 4,160 み
義が高まっています。 増加やタイバーツ高などの影響がありますが 、次の施策を実 に対応した生産能力の増強・効率化を推進することで、さら
3,921 3,955 3,926

2,000
冷凍食品のパイオニアであるニチレイフーズは、素材や製 行することなどにより増収増益を目指します。 なる収益拡大を目指していきます。
法の
「ほんの少しの、その差にこだわる。 という想いのもと、
」 家庭用調理品では、 「本格炒め炒飯 ® 」「焼お
主力商品の や

今後も積極的に価値を創造し、生活者のお役に立てる商品を 2013 2014 2015 2016 2017(年) などの米飯類と、 特から® 」
にぎり」 「 や春の新商品
「切れてる!
提供していきます。 ■ 業務用 ■ 家庭用 ■ 凍菜輸入 ■ 調理食品輸入 サラダチキン」
などチキン加工品の販売拡大を図ります。
出典(一社)
: 日本冷凍食品協会統計資料より当社作成
https://www.reishokukyo.or.jp/statistic/pdf-data/



主な取扱い商品 TOPIC 戦

2018 年春季家庭用新商品「切れてる サラダチキン」

新規需要創造への挑戦 ∼素材として使える料理パーツのご提案∼
さまざまな料理にお使いいただける
「切れてる サラダチキン」 「 料理作りをお手伝いする」
! で、 とい
う生活者ベネフィ トを提供し、
ッ 冷凍食品の新たな需要を創造します。
2017 年 3 月の発売以来、食卓の主役になれる唐揚げ商品として大変ご好評をいただいている
「特
から® 」 家庭用冷凍食品のチキン加工品市場をけん引しました。ニチレイフーズでは、
は、 このチキン
加工品市場での新たな提案として、鶏むね肉を柔らかくしっとり蒸し上げてスライスし、素朴な味付けに仕上げた
「切れてる サラダチキン」

冷凍米飯売上で 17 年連続国内 No.1 炒飯 夕食向けの食卓ニーズに合わせた唐揚げ 天候不順による生鮮品の高騰から 業務用調理品の を発売しました。本商品は、料理素材としても、そのままおつまみとしてもお使いいただけます。ちゃんと家事をやりたいけど時間が足
インテージ R 2001 年 3 月∼ 2018 年 2 月)
SI( 冷凍野菜の売上げが伸長 主力商品である春巻
りない、手間をかけずに家事はサッと済ませたい、共働き世帯が増加する中、そんな思いを抱える人にもオススメです。




29 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 30
事業戦略


低温物流事業

既存事業の収益拡大と業務革新を進め 売上高 営業利益
(億円) (億円)
卓越したサービスで食品物流 No.1 企業へ 2,000
1,849 1,869
1,951 2,000


113 115 ニ
1,783 55
27 42 106 チ
23 374 100 レ
梅澤 一彦



株式会社ニチレイロジグループ本社 代表取締役社長  1,500 313
87 の
80 価

ニチレイロジグループは、輸配送を軸とした物流ネットワーク事業と、冷蔵倉庫機能 1,000 885 905 914 60 創


を担う地域保管事業、欧州・中国・ ・マレーシアに展開している海外事業、
タイ 低温

物流設備の企画・設計から保守管理までを行うエンジニアリング事業で構成される 500

国内最大規模の低温物流企業グループです。食品物流のサプライチェーン全体に 533 574 622 637 649



わたって高品質なサービスをご提供することで、お客様の物流最適化に貢献し、人々 0 0
2018 (年度) 2018 (年度)

「食」
を支え続けます。

目標 目標
ニチレイロジグループ ■ 地域保管 ■ 物流ネットワーク ■ 海外 ■ その他・共通

URL https://www.nichirei-logi.co.jp ッ






業界の冷蔵倉庫の稼働状況(国内) り旺盛な保管需要の取り込みに注力します。
事業概況 中期経営計画の進 状況と今後の方向性
(一般保管入庫数量:千トン) 国内におけるコスト上昇に対しては、業務改善や効率化な
14,000
国内では、畜産物や冷凍食品の取扱い拡大などにより、低 12,498 中期経営計画の進 としては、これまでに増強した大型拠 どコスト吸収策の推進と適正料金の収受に努めます。
12,000
12,135 12,160
温物流の需要は堅調に推移しました。一方で、トラックドライ 点の東扇島 DC ※1
や咲洲 DCなどを中心に大都市圏での集荷 また、中長期的な競争力強化を目的として、倉庫内のデジ
バーの待遇改善が強く求められるなど、労働力不足に起因す 10,000 拡大が進んだことなどにより、2017 年度は、売上高 1,951 タル化や省力化など、業務革新の取組みを推進していきます。
る輸配送や倉庫内作業などのコスト増加への対応が課題となっ 億円
(前期比 4.4%増) 営業利益 113 億円
、 (同 5.9%増) 営業
、 海外では、欧州において、通関から保管・輸配送の一貫サー
8,000
E
ています。 利益率 5.8%と、着実に成長しています。 ビスの提供と集荷拡大に努めるほか、 最大のオランダ ロッ
EU S
6,000 5,856 G
このような事業環境のもと、当社は、現中計の基本方針と 5,543 5,588 中期経営計画最終年度である2018 年度は、労働力不足に テルダム港における競争優位性の向上のため冷蔵倉庫の増 の

して、業務革新による生産性向上など
「事業基盤の強化」
や、 4,000 よるコスト上昇に加え、システム費用などが膨らみますが、次 設に着手しました。 組
3,198 3,274 3,377

大都市港湾の新設拠点の活用など
「既存事業の収益拡大」
に の施策を実行することなどにより増収増益を確保します。 成長領域の開拓として、中国で物流業務のエリア拡大を進
2,000
1,267 1,252
加え、未開拓エリアへの進出など
「新たな成長への取組み強 1,163 物流ネットワーク事業では、運送収支のさらなる改善に加 めるとともに、新たにマレーシアに拠点を設置しました。既に
0 1,086 1,025 1,020
化」
に注力しています。 (年度)
え、車両調達基盤の強化や3PL ※2
の伸長により規模拡大を図 進出済みのタイ事業とのシナジー効果による、ASEAN 事業

入庫数量  ■
12 大都市  ■
首都圏  ■
関西圏  ■
名古屋  ■
福岡 ります。地域保管事業では、新設した平和島 DC の早期安定 の基盤拡充を図っていきます。
出典(一社)
: 日本冷蔵倉庫協会 統計資料から、当社で集計し作成 稼働と、それにともなう関東港湾地区の保管貨物の最適配置 ※ 1 DC: Distribution Center 保管型物流センター)
( の略。
※ 2 3PL: Third Party Logistics の略。調達から配送まで全物流業務の改善提案を行
http://www.jarw.or.jp/know/statistics
による効率化を進めるとともに、全国の拠点の最大活用によ い、 包括的に物流サービスを提供すること





主な取扱いサービス 戦
TOPIC 略


平和島 DC 稼動
2018 年 3 月1 日、東京都大田区の東京団地冷蔵 ( 株 ) 内に平和島 DCを稼動しました。
輸入貨物の玄関港である東京港湾地区では、近年、輸入加工食品や原料品の取扱いが増
加し、物流の高度化と効率化が求められています。平和島 DCは、日本最大の消費市場である
首都圏において38,000トンの冷蔵設備能力を有し、旺盛な保管需要に柔軟に対応していきます。
また、重要な物流インフラである大井ふ頭や羽田空港に隣接し、主要幹線道路へのアクセスも良く、物流の効率化にも貢献していきます。
最先端の地震対策を整え安全性を確保するとともに、作業面では検品用の機器の導入による業務効率化も進めています。東京港湾地区
におけるニチレイロジグループの各拠点とも連携し、付加価値の高い物流サービスの提供を目指していきます。
輸配送を軸とした物流ネットワーク事業 冷蔵倉庫機能を担う地域保管事業 欧州・アジアを中心に13カ国 36 拠点で展開する海外事業




31 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 32
事業戦略


水産・畜産事業

顧客ニーズを捉え 売上高 営業利益
(億円) (億円)
優位性のある商品の拡販を目指します 1,000 20


895 881 チ

金子 義史


株式会社ニチレイフレッシュ 代表取締役社長  694 715

14 の

13 価
600 値
ニチレイフレッシュはグローバルな調達機能や開発機能を活用し、水産品と畜産品 10 創

の素材提供を主軸とした事業展開を行っています。また、高品質の素材を使用した 400



加工品の生産を世界各国の拠点で行っています。 5

独自のこだわり素材開発や現地サプライヤーとの強固な信頼関係を生かし、より高 2


い生活者価値の創出を目指します。 0 0
(年度) (年度)
ニチレイフレッシュ 2014 2015 2016 2017 2018 2014 2015 2016 2017 2018
目標 目標
URL https://www.nichireifresh.co.jp
■ 水産 ■ 畜産 ■ 水産 ■ 畜産








内食、 (惣菜) 外食の市場規模推移
中食 、 調達・加工・販売に強みを持つ
「えび」たこ」魚卵」貝類」
「 「 「 に
事業概況 (2006 年を100とした比率) 中期経営計画の進 状況と今後の方向性
経営資源を集中し、調達力の強化と安定的な販売につなげま
(%)
国内では、惣菜などの中食市場が堅調に推移し、近年は特 130 2017 年度の水産事業は、売上高 715 億円
(前期比 3.1% す。また、海外販売においては、市場規模が圧倒的に大きい
に鶏肉の消費量が増加しています。水産品は世界的に需要 増) 営業利益 3 億円
、 (同 61.6%減)
となりました。
「たこ」「魚
や 北米と中国を中心に、現地パートナーと連携しながら、当社
中食市場 (惣菜)
が拡大し、全般的に産地価格は上昇傾向にあります。また、 122.6%
(9.6兆円) 卵」
の取扱いが伸長したことなどにより増収となりましたが 、 の調達力を活用し販売拡大を進めていきます。

環境や人権に配慮した持続可能な原材料の調達を求める機 内食市場合計
産地価格高騰や円安の影響で
「えび」
などの調達コストが上昇 畜産事業では、 「オメガバランスチキン® 」
新設した養鶏場で
117.3%
(35.2兆円) E
運が高まっており、これらの課題にも対応していく必要があ したことにより減益となりました。 の生産を開始しました。人の健康に欠かせないオメガ3 系脂 S
G
ります。 110 食市場計 畜産事業は、売上高 904 億円
(前期比 2.6% 増) 営業利益
、 「オメガバランスTM 」
肪酸をバランスよく飼料に配合した ミート の
112.2%
(70.0兆円)

このようななか、当社では、顧客ニーズに合った最適な加 13 億円 19.2% 減)
(同 でした。外食・中食向けの販売が伸長 の取扱いを拡大します。輸入畜産品については、異物や夾雑 組

工度での商品を提供するとともに、他社とは差別化した
「こだ 外食市場合計
したことなどにより増収となった一方で、鶏肉の調達コスト 物を徹底的に除去した
「プロセレク TM 」
ト ミートシリーズや品質

102.6%
(25.2兆円)
わり素材」
の開発に注力しています。水産事業では、強みを 上昇により減益となりましたが 、従来に比べ利益水準は着実 管理などで優位性のある商品の販売に注力します。
持つ商材に経営資源を集中し、資産効率の向上を図っていま に上がっています。
す。畜産事業では、国産チキンの事業基盤を強化しており、 90 中期経営計画最終年度である2018 年度は、水産事業では、
2006 2009 2012 2015 (年)
2018 年 3 月に岩手県で自社養鶏場を増設しました。また、健

食市場規模  ■
内食  ■
中食
(惣菜)
  ■
外食
康志向に対応した商品の開発も進めています。
日本惣菜協会 2017 年版惣菜白書」
出典(一社)
: 「 より

TOPIC 事

主な取扱い商品と事業 戦
「オメガバランスTM 」
ミートで新しいマーケットを開拓 略

 オメガ3系脂肪酸を豊富に含むアマニを飼料に育てた畜産品を、 10 年かけて開発し、

2017 年 3 月より本格的に販売しています。
 オメガ3系脂肪酸は人の体内で作ることができない必須脂肪酸であり、健康に役立つ注目
の成分です。活き活きと自分らしく生きたいという価値観の
「新しい大人世代※」 ヘルシー
や、
志向層を意識したプロモーションを行っています。
 2017 年度は、大手中食企業とのコラボレーション販売などが功を奏し、 オメガバランスTM 」
「 ミートの売上高は2016 年度比約 150%に
伸長。また、生活者の強い国産志向を受け、2018 年 4 月より岩手県洋野町有家に、 オメガバランスチキン®」
「 専用の養鶏場を設け生産を
開始しました。
※博報堂・新大人研
えびや魚卵をはじめとしたこだわり水産品 自社国内養鶏場




33 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 34
事業戦略


バイオサイエンス事業

事業規模の拡大に向け
TOPIC
新商品の開発と事業基盤の強化に注力します ニ
ミャンマーの医療機関に検査薬を提供 チ

株式会社ニチレイバイオサイエンス 代表取締役社長  武永 正人 2006 年度から分子診断薬分野の検査薬を、新潟大学医学部病理学教室を通してミャンマーの医療機関へ無償提供しています。ミャ


ンマーでは今はまだ病理用抗体の入手が困難ですが 、同国の発展とともに高度な医療サービスへの需要が高まると予想されています。 価

ニチレイバイオサイエンスは、ニチレイグループの素材調達力とバイオテクノロジー そのため、病理医の育成や病理研究、診断技術の向上が望まれています。 創

分野の技術力を生かし、分子診断薬、迅速診断薬、バイオ医薬品原料、機能性素材 2018 年 2 月には、新潟大学名誉教授の内藤眞先生らがミャンマー第二医科大学を訪れ、当社からの検査薬のほか、病理の教材制作
に使われる病理染色例集などを提供しました。今後も継続してミャンマーの医療発展に関わっていきます。
の 4 つの分野で事業を展開しています。これまで培った技術力・調達力・品質保証
力を活かし、高品質の製品・サービスを通じ、医療・健康・バイオ産業の発展に貢献
することを目指しています。
ニチレイバイオサイエンス


不動産事業
URL https://www.nichirei.co.jp/bio/








売上高 営業利益
事業概況 中期経営計画の進 状況と今後の方向性 (億円) (億円)


当社は、分子診断薬事業において癌の診断薬を、迅速診断 中期経営計画の進 としては、2017 年度は、コンパニオン 40



薬事業ではインフルエンザなどの感染症の診断薬を、機能性 診断薬やインフルエンザ診断キットなどの販売が順調に推移 20 10
素材事業では健康食品や化粧品に使用される機能性素材を、 したことなどにより増収増益となりました。コンパニオン診

開発・製造・販売しています。バイオ医薬品原料事業では、 断薬の展開については、パイプラインの充実を進めました。 2014 2015 2016 2017 2018 (年度) 2014 2015 2016 2017 2018 (年度)
目標 目標 E
製薬会社が生産するバイオ医薬品の原料などに使用される また、事業規模・領域の拡大を実現するために、サンフランシ S
G
培地と血清を輸入販売しています。 スコ支社を拠点とした海外展開の準備を進めるとともに、新
事業概況 中期経営計画の進 状況と今後の方向性 の

現中期経営計画の基本方針として、抗がん剤の投与患者 たな研究開発・生産拠点の建設に着手しました。 組

の選択に使用されるコンパニオン診断薬の開発に注力してお 中期経営計画最終年度である2018 年度は、分子診断薬事 不動産事業は、社会情勢や周辺地域に合わせ、社有地を活 2018 年 3 月期の業績は、賃貸オフィスビル事業が空室ゼロ
り、これらを含む分子診断薬事業の展開を加速しています。 業のさらなる成長に向けた施策を推進します。また、研究開発・ 用してきました。2018 年度の外部環境としては、低金利を を達成し、売上高 48.7 億円
(前期比 5.0% 増)
となりました。
また、アンメ トニーズを解決する商品の開発により事業規模・
ッ 生産拠点の年度内の竣工を目指して準備を進めます。 背景に東京圏の不動産は海外投資家などによる好調状態に これは、顧客ニーズに合わせて賃貸オフィスビルに、セキュリ
領域の拡大を図るとともに、新技術に基づく研究開発にも取 あり、また賃貸オフィスビルの空室率低下により賃料も上昇し ティ強化、多目的トイレの設置、エレベーター改修などを行っ
り組んでいます。 ています。しかし少子高齢化、住宅の空家増加、オフィスワー た成果と考えます。今後も新たな顧客価値を創造し、安定し
カーの減少、働き方改革、建設業界の労働力不足、不動産の た収益の実現につなげます。

主な取扱い商品 国際基準化などにより、長期的には業界自体が激変する可能

性が高まっています。さまざまな要因を注視し、不動産活用 業

を進めます。 略



TOPIC
ニチレイソーラータウンの太陽光発電事業
再生可能エネルギーの拡大への期待が寄せられ、特に太陽光発電に対する注目が集まった2011
年に、ニチレイも太陽光発電を事業化しました。遊休地として保有していた鳥取県境港市と北海道
釧路市の土地が、太陽光発電に適していたことから、 ニチレイソーラータウン® 」
「 と名付け、2011 年
11 月から太陽光発電所として運営しています。今後も太陽光発電事業の運営と遊休地の有効活用
コンパニオン診断薬 インフルエンザウイルス迅速診断薬 機能性素材 に関するノウハウの蓄積と実践により、環境負荷軽減に貢献します。 「ニチレイソーラータウン® 」
釧路室町
ヒストファインALK iAEP®キット イムノファインTMFLU アセロラエキス




35 ニチレイ 統合レポー 2018
ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 36
財務・非財務ハイライト
(株)
ニチレイおよび連結子会社
( 2018 年 3 月 31 日現在)



財務データ (単位) 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度

会計年度:
売上高 百万円 474,515 438,111 437,808 454,931 470,126 511,189 519,963 535,351 539,657 568,032
売上総利益 百万円 87,328 87,957 87,365 86,918 91,473 93,261 73,782 81,085 91,141 92,838
営業利益 百万円 15,142 16,814 16,681 16,177 17,932 15,789 17,406 21,583 29,309 29,897
税金等調整前当期純利益 百万円 11,362 14,380 8,860 14,225 13,601 15,357 15,871 20,600 27,818 29,237
親会社株主に帰属する当期純利益 百万円 6,020 9,064 4,044 7,904 9,823 8,898 9,516 13,471 18,751 19,097
設備投資等の金額 百万円 14,883 24,385 22,110 12,248 13,171 24,041 24,171 16,175 13,887 24,952
減価償却費 百万円 13,738 13,506 14,158 14,978 14,302 14,475 15,621 16,455 16,057 16,155
研究開発費 百万円 2,191 1,986 1,806 1,697 1,817 1,607 1,730 1,600 1,559 1,986

会計年度末:
資産合計 百万円 287,296 277,496 284,562 290,537 297,903 318,507 342,014 338,497 346,195 368,675
負債合計 百万円 174,096 154,802 166,813 171,837 172,582 181,660 189,728 182,973 181,447 198,995
有利子負債 百万円 110,495 85,792 96,977 97,824 96,882 106,097 107,670 94,657 89,778 97,745
(リース債務を除く) 百万円 87,904 60,920 72,479 74,833 75,403 85,718 87,313 75,451 70,866 79,844

キャッシュ・フローの状況:
営業活動によるキャッシュ フロー
・ 百万円 15,282 33,345 17,274 19,915 23,525 11,073 27,803 37,032 40,828 29,859
投資活動によるキャッシュ フロー
・ 百万円 (14,740) (13,555) (18,229) (12,422) (9,610) (17,650) (22,362) (14,496) (11,445) (20,269)
フリーキャッシュ フロー
・ 百万円 541 19,789 (955) 7,492 13,914 (6,576) 5,441 22,535 29,382 9,589
財務活動によるキャッシュ フロー
・ 百万円 16,085 (33,323) 6,416 (7,583) (9,743) 2,580 (6,098) (20,351) (21,883) (13,749)

1株当たり情報:
純資産額 BPS )
( 円 357.85 385.47 377.08 396.33 430.47 466.31 514.63 1,057.00 1,156.52 1,221.04
当期純利益 EPS )
( 円 19.42 29.24 13.08 26.35 33.40 31.12 33.29 94.30 135.11 142.23
年間配当金 円 9 9 9 9 10 10 10 24 28 30

財務指標:
売上高営業利益率 % 3.2 3.8 3.8 3.6 3.8 3.1 3.3 4.0 5.4 5.3
自己資本当期純利益率 ROE )
( % 5.3 7.9 3.4 6.8 8.2 6.9 6.8 9.1 12.1 11.9
株価収益率 PER )
( 倍 18.0 12.0 27.1 14.7 16.8 14.0 19.9 19.4 20.4 20.7
D / Eレシオ 倍 1.0 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8 0.7 0.6 0.5 0.6
(リース債務を除く) 倍 0.8 0.5 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.5 0.4 0.5
自己資本比率 % 38.6 43.1 40.4 40.2 41.3 41.9 43.0 44.4 46.0 44.1

(注)2016 年 10 月1日付で普通株式 2 株につき1 株の割合で株式併合を実施しています。
2015 年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、 1 株当たり純資産額」 1 株当たり当期純利益」
「 、
「 を算定しています。




非財務データ
(人材) (単位) 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度 非財務データ
(環境) (単位) 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度

女性役職者比率※1 % 5.6 5.8 6.1 6.8 CO2 排出量
(電力排出係数変動※6) 千トン 290 287 279 273
女性取締役数 人 1 1 2 2 CO2 排出量
(電力排出係数固定※7) 千トン 223 226 228 227
男性平均勤続年数 年 16.1 16.2 16.4 16.7
女性平均勤続年数 年 14.3 14.8 15.1 15.3
※1 女性役職社員数÷役職社員数
休業災害件数※2 件 18 21 17 34 ※2 対象範囲 食品工場
: (ニチレイフーズ自営工場およびニチレイフレッシュ国内子会社) の従業員
離職率※3 % 2.3 2.2 2.0 2.3 ※3 対象者 社員
: (専任職社員を含む) 離職率は定年退職者を除く退職者をもとに算出

※4 年間 1 人当たりの平均時間数。対象者 社員
: (専任職社員、 短時間勤務者を含む。 )
年間総実労働時間数 ※4
時間 2,038 2,025 2,026 2,025 ※5 対象者 社員
: (専任職社員を含む) 60 歳代で働いている人。
。 年度ごとの定年退職者のうち、 再雇用されている人数。
定年後再雇用者数※5 人 64 54 45 44 ※6 電力排出係数変動 各事業所で使用する年度における電力事業者の電力換算係数を使用

※7 電力排出係数固定:電気事業連合会公表 2009 年度使用端 CO2 排出原単位 0.412[t-CO2/MWh] で固定
非財務データ
(人材)(株)
は ニチレイおよび国内主要子会社 15 社の社員
(専任職社員を含む)
をもとに算出




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ト ニチレイ 統合レポー 2018
ト 38
株式情報 会社情報
( 2018 年 3 月 31 日現在) ( 2018 年 3 月 31 日現在)




株式の基本事項 企業データ

上場証券取引所 東京証券取引所
(第一部) 会社名 株式会社ニチレイ
発行可能株式総数 360,000,000 株 創立 1945 昭和 20) 12 月1 日
( 年
発行済株式総数 139,925,532 株
(うち自己株式 6,655,050 株) 資本金 30,307 百万円
単元株式数 100 株 本社所在地 〒104-8402 東京都中央区築地六丁目 19 番 20 号ニチレイ東銀座ビル
株主数 20,248 名 電話番号 03-3248-2101 代表)

株式名簿管理人 みずほ信託銀行株式会社 従業員数
(連結) 15,787 名
定時株主総会 6月
監査法人 新日本有限責任監査法人

大株主 株主構成 主な海外拠点

株主名 持株数(千株) 持株比率(%) 自己株式 ニチレイフーズ ニチレイロジグループ ニチレイフレッシュ
4.8%  
日本マスタートラスト信託銀行株式会社
(信託口) 15,221 11.4 外国法人等 Yantai Shanghai Dalian
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(信託口) 12,288 9.2 19.5% No.60 Huangshan Road Yantai Economic & Room 806, Xiandai Guangchang No. 69 Fujing St., Shahekou Dist.,
日本生命保険相互会社 5,744 4.3 Technical Development Zone China 1 Hao Lou, 369 Xianxia Rd. Dalian, Liaoning 116021, China
Tel: 86 (53) 5637-6942 Changning Dist., Shanghai 200336, China Tel: 86 (411) 3957-8711
株式会社三菱東京 UFJ 銀行 4,866 3.7 Fax: 86 (53) 5637-5141 Tel: 86 (21) 5155-9909 Fax: 86 (411) 3951-4211
株式会社みずほ銀行 3,813 2.9 Fax: 86 (21) 5155-9909
みずほ信託銀行株式会社退職給付信託 Bangkok Qingdao
みずほ銀行口 2,799 2.1 Room 1107, Vanit Building 2 Bangkok 6th Floor, 618 Crowne Plaza Qingdao
再信託受託者 資産管理サービス信託銀行株式会社 その他 金融機関 1126/2 New Petchburi Rd. Room 1107, Vanit Building 2 76 Xiang Gang Zhong Rd.
国内法人 53.2% Bangkok, 10400, Thailand 1126/2 New Petchburi Rd. Qingdao, Shandong 266071, China
損害保険ジャパン日本興亜株式会社 2,765 2.1 10.5% Tel: 66 (2) 253-9921 Bangkok 10400, Thailand Tel: 86 (532) 8578-1031
株式会社日清製粉グループ本社 2,719 2.0 個人 Fax: 66 (2) 253-4271 Tel: 66 (2) 255-8542 Fax: 86 (532) 8578-1041
農林中央金庫
10.7% Fax: 66 (2) 253-4271
2,675 2.0
Shanghai Ho Chi Minh City
第一生命保険株式会社 2,323 1.7 金融商品取引業者 Room 1203, Building A, 61-63a Vo Van Tan St., Rm. 3a, 3rd Floor
1.3% No.1055 West Zhongshan Road, District 3, Ho Chi Minh City, Vietnam
(注) 持株数は、
1. 千株未満を切り捨てて表示しています。
2. 持株比率は、 自己株式 6,655 千株)
( を控除して計算しています。 Changning District, Shanghai, China Tel: 84 (28) 3930-8051
小数点第二位で四捨五入して表示しています。 Tel: 86 (21) 6209-0802 Fax: 84 (28) 3930-8053
Fax: 86 (21) 5272-8477
Bangkok
株価および出来高の推移 Room 1107, Vanit Building 2
1126/2 New Petchburi Rd.
(千株) (円) Bangkok 10400, Thailand
70,000 3,500 Tel: 66 (2) 253-9921
株価
(円) Fax: 66 (2) 253-4271
出来高
(千株)
60,000 3,000
ニチレイバイオサイエンス

San Francisco
50,000 2,500
1415 Rollins Rd, Ste 202, Burlingame,
CA 94010, USA
Tel : 1 (650) 393-4394
40,000 2,000
Fax : 1 (650) 393-4327


30,000 1,500



20,000 1,000



10,000 500





(注)
株価は2016 年 10 月1 日に実施した株式併合後の数値に置き換えて表示していますが、取扱高は株式併合の影響を反映していません。




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