女性(ママ)の働く意識調査結果発表 2020

2021年 1月 27日
各 位
会 社 名 :株式会社ワールドホールディングス
代 表 者 名 :代表取締役会長兼社長 伊井田 栄吉
(コード番号:2429 東証第一部)
問 合 せ 先 :経営管理本部 広報IR室長 菅野 利彦
(電話:03-3433-6005)



女性(ママ)の働く意識調査結果発表 2020

・女性(ママ)が不安に思う「子育てへの理解」- 企業側にもある
・雇用形態に関して、未就業者の「希望」と就業者の「実態」が顕著に表出
・女性(ママ)の「はたらく」に家族の協力は不可欠であることが数値で明らかに
・コロナ禍により女性(ママ)の就職・転職市場が多様化・活性化か

当社連結会社である株式会社ワールドネクスト(本社:福島県郡山市、代表取締役:本多信二、以下「ワ
ールドネクスト」)において、運営委託を受けている「おしごと百貨店」 (民間型ハローワーク)と、委託元
である一般社団法人 Stand for mothers(本部:福島県郡山市、代表理事:田中豪)が運営している「暮ら
しづくりビレッジ」では、毎年行っている、福島県内に居住する 1,000 名の女性(ママ)を対象とした、働
くことに対する意識調査 (プロジェクト名:1000 ママプロジェクト) を共同で実施し、調査結果がまとまり
ましたので報告いたします。 また今年度は、 郡山市内を中心とした企業・団体の方にもアンケートにご協力
頂き「雇う側」「雇われる側」の意識・認識の違いについても調査いたしました。


《調査概要》
1. 調査プロジェクト名:ふくしま 1000mama PROJECT Vol.4
/ふくしま 100 企業 PROJECT-ふくしま企業雇用動態調査-
2. 調査目的:①女性(ママ)の働く志向を調査し、広く周知することによって、志向に合った仕事を創
出するとともに、働く意欲のある女性に対する意識改革によって就業場所を広げ、ミス
マッチを解消し活躍の場を創出するため
②企業の雇用情勢を知り、求職者側との「ミスマッチ」の原因を調査するため
③企業の雇用動態を知り、各企業の人材確保についての提言を図るため
3. 調査方法:「おしごと百貨店」と郡山暮らしづくりビレッジが共同で当該施設利用者及び主催する
イベント等に参加した参加者及び関連団体等の利用者による直接記載形式にて実施
4. 調査対象:0 歳児以上の子供を持つ主に 20 代~50 代の女性
/郡山市内を中心とした企業経営者・人事担当者
5. 回収数 :1,167 名
6. 実施期間:2020 年 2 月 1 日~ 11 月 30 日
7. プロジェクト推進団体:株式会社ワールドネクスト/一般社団法人 Stand for mothers
8. 特別協力:郡山商工会議所
9.協力:発達障碍児凹凸発達児子育てサポート Lion/すかがわ子育てネットワーク tunagu(つなぐ)
/白河市/こおりやま子ども若者ネット 等
基本情報 n=1,167
回答者の年代 回答者の子どもの年齢

6.5% 0.3% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0%

0才
1才

18.7% 2才
3才
21.9% 4才
5才
6才
7才
8才
52.6% 9才
10才
11才
12才
13才以上
無回答
20代 30代 40代 50代以上 無回答




《調査結果》
1.女性(ママ)の 96%以上が働く意思を持っている
Q. 現在、お仕事をしていますか?(有効回答 1,167 名)
・就業中 80.4%(938 名)
・未就業 19.6%(229 名)
19.6%




80.4%
就業中 未就業




Q. 今後、働くつもりはありますか?(※上記未就業者対象)
・すぐにでも 29.7%(68 名)
・3 ヶ月~1 年以内 31.4%(72 名)
・3 年以内 22.3%(51 名)
・4 年以上先、もしくは働くつもりはない 13.1%(30 名) ※無回答 3.5%(8 名)


調査開始から 4 年間の就業意思の変遷(就業希望)
96.7%(1,129 名) ※1
就業中 2020年度
すぐにでも 2019年度
61.1%(140 名) ※2
3ヶ月~1年以内
2018年度
3年以内
4年以上先、働くつもりは… 2017年度

0 200 400 600 800 1000 91.0% 92.0% 93.0% 94.0% 95.0% 96.0% 97.0%



現在就業中の方も含めると 96.7%(※1)の女性(ママ)が就業の意思があり、かつ今後働く意思のあ
る女性(ママ)の 60.1%(※2)の方が 1 年以内での就業を希望している。
さらに過去 4 年ともに女性(ママ)の就業意思は 100%に近い比率で推移している。
2-1.女性(ママ)の働きにあたっての様々な条件について希望と実態について
※以下では「希望」=未就業者の希望するものと「実態」=就業者の現状をそれぞれ比較

雇用形態の希望と実態 過去 4 年の未就業者の希望する雇用形態の変遷


未就業者の希望 就業者の実態

5.1%
4.9% 0.4% 1.2%
1.1% 2.2% 4.5%
4.9% 0.4% 1.2%
4.5%
7.9% 9.0%
9.0%
6.9% 39.0%
55.6% 39.0%
21.3% 41.0%
41.0%



パート・アルバイト 正社員 契約社員
派遣社員 自営・フリーランス 在宅ワーク
その他




未就業者がパート・アルバイトを多く希望しているのに対し、就業者で一番多かったのは正社員だった。
また、4 年間のランキングでは、未就業者の希望する雇用形態で初めて「派遣社員」が他に 1 ポイント以
上の差をつけてTOP3以内に入った。(上図・赤網掛け部)
契約社員を希望する方も昨年比で 2 倍以上になり、全体的にある程度長時間での就業を希望する方が増え
たといえる。 (上図・青網掛け部)


職種の希望と実態
過去 4 年の未就業者の希望する職種の変遷 過去 3 年の就業者の勤務する職種の変遷




未就業者の希望する職種は TOP3 も 4 年間でほとんど変化が無かった(左図) 。
就業者の回答時の職種の TOP3 も 2018、2019 年度と変化が無かったが今年度は初めて「製造系」がランク
イン、かつ1位となった。
このことから、職種に関しては未就業者の希望と就業者の実態の乖離はほぼないと言える結果となった。
扶養の範囲内で働くことについての希望と実態 過去 4 年の未就業者の扶養に対する考えの変遷

未就業者の希望 就業者の実態
9.3% 6.3%


24.2% 32.8%
17.5%

60.8%
49.0%


絶対に扶養におさめたい 扶養範囲内
できれば扶養内におさめたい
扶養範囲外
できれば扶養から外れたい
絶対に扶養から外れたい 分からない


未就業者が「扶養内に収めたい」が約 70%に対し、就業者の約 60%は扶養から外れていることが分かった。
また、未就業者で扶養から外れたい人の割合が昨年対比で約6%増加している。

2-2. 女性(ママ)の働くにあたっての様々な条件について希望と実態の差について
※以下では「希望」=未就業者の希望するものと「実態」=就業者の現状をそれぞれ比較



働く時間の希望と実態 未就業者の過去 4 年の変遷

未就業者の希望 就業者の実態

5.6% 2.8% 0.6%



19.5% 18.6%

31.6%

60.0% 61.3%




3時間未満 5時間未満 6ー8時間 8時間以上 まだ分からない



未就業者の多くが「5時間未満」を希望しているのに対し、就業者は「6-8時間」働いている方が多いこ
とが分かった。
また、未就業者で6時間以上を希望する方は昨年比で約 10%増加した。就業者の勤務時間についても「8 時
間以上」が減少、「6-8時間」が増加し、
「6-8時間」に収束する傾向がみられた。
働く日数の希望と実態 過去 4 年の未就業者の希望する働く日数の変遷

未就業者の希望 就業者の実態

4.2% 3.7% 0.6%

10.5%
35.6%
早期就業を希望している未就業者の中で
85.1% 「週 5 日以上働きたい」を選択した人の割合
60.2%



週1-2日 週3-4日 週5日以上 不定期
未就業者が「週3-4日」を希望していることが多いことに対し、就業者の約 85%が「週5日以上」働い
ていることが分かった。
未就業者の中で「週5日以上」の勤務を希望している値が昨年比で約 10%増加している。
また、未就業者のうち「すぐにでも働きたい」「3ヶ月以内に働きたい」(早期就業を希望している)方の
中で、「週5日以上」働きたいを選択した方はこの4年で最も多く、昨年比で7ポイント増加。全体の2割
を超えた。


休日の希望と実態 過去 4 年の就業者の休日の実態の変遷

未就業者の希望 就業者の実態

2.8% 0.9%
10.6% 7.3%


20.1%
16.7%

69.0% 61.5%
11.1%



土日休み(完全週休二日制) 土日のいずれかと平日休み
基本土日だが、たまに出勤がある 完全シフト休
平日休み


未就業者の約 70%が「土日祝休み」を希望している事に対し、就業者の 6 割は「土日祝休み」で勤務でき
ていることが分かった。
一方で、 3 割の女性
約 (ママ)が土日のいずれかの出勤や完全シフト休で勤務していることも見えてきた。
※2017 年度は質問項目自体が無かったため、3 年間の推移を掲載しています。




未就業者のクリアできれば働ける課題と就業者の仕事を続けられている理由

未就業者 就業者
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0%

家族の協力 家族が協力的
自身のスキル
給与面で満足
経験がない

趣味の時間 通勤の便がよい

ブランクがある 職場に子育てへの理解がある
残業・休日出勤の対応
職場の人間関係が良好
子供の預け先確保
仕事にやりがいがある
子どもと過ごす時間の確保

子どもの病気や行事の際の職場の理解 自分のスキル・経験を活かせている

職場の人間関係
働く時間等・休日が希望と合っている
育児や家事との両立
その他
その他




就業者が今の仕事を続けている理由の 3 位に「家族の協力」があることに対し、未就業者の「クリアでき
れば働けること」の 1 位も「家族の協力」であった。
※「今の仕事を続けられている理由」は2018 年度、2019 年度の調査項目のため、2 年度分の平均値を算出しています。
3.ふくしま 100 企業 PROJECT -ふくしま企業雇用動態調査―
郡山の企業・団体は女性(ママ)の採用・活躍推進に全国と比較して前向きといえる
ご回答いただいた企業の基本情報(N=101)
業種 企業規模 操業年数
4.0%
5.6%



23.8% 15.8% 18.8%

4.0% 36.6%
3.0%
9.9%
11.9%
33.7% 94.4%
6.9%
10.9%

5.0%
5.9% 3.0% 3.0% 4.0%
建設業 製造業 情報通信 10人未満 5年超10年以内
運輸業 卸・小売り 金融・保険 10人以上30人未満
不動産 学術・技術サービス 宿泊・飲食業 30人以上50人未満 10年超
サービス娯楽業 教育学習関連 医療福祉 50人以上
サービス・その他




図 1:女性社員の割合 図 2:女性の採用に 図 3:今後どの層の採用に
4.0% 取り組んでいるか? 力を入れるか?
2.0%
4.0%
15.8%
16.3%
10.9%
45.5% 43.1%
59.4% 14.4%
24.8%
10.9%
7.5%
18.8%
4.0%
18.8%

取り組んでいる 女性(ママ)の採用
0% 0超~5%
未だ取り組んでいないが、今後予定をしている シニア層の採用
1割程度 2割程度
予定はない 外国人の採用
3割程度 4割程度 アウトソーシング(外注・人材会社等の活用)
5割程度 6割以上 その他

5 年前と比較・女性の採用が進んだか?
図 4:5 年前と比較・女性の採用が進んだか? 5 年後を予測・女性の採用が進んだか?
図 5:5 年後を予測・女性の採用が進むと思うか?
60.0% 100.0%
全国 全国
全国
50.0% 80.0% 郡山
郡山 郡山
40.0%
60.0%
30.0%
40.0%
20.0%
20.0%
10.0%

0.0% 0.0%
・郡山の企業は企業規模に関係なく、 他の採用ターゲットよりも女性の採用に力を入れていることが分かっ
た。
・女性の採用について、5 年前と比較し「大幅に増進」と回答した企業、または 5 年後の予測として「大幅
に上層」と回答した企業がいずれも全国平均を上回った一方、今後の予測としては全国平均(全国的には女
性の採用に取り組んで行く企業が多い)に比べ、「大幅に上昇」「やや上昇」の合計では全国平均を大きく下
回る数値となった。また、これまで同様に女性の採用に力をいれていく企業が多いことも分かった。
■全国調査について:労働政策研究・研修機構(JILPT)による『多様な働き方の進展と人材マネジメントのあり方に関する調査(企業調
査 労働者調査)
・ 調査シリーズNO.184』
(厚生労働省労働政策担当参事官室の要請に基づき実施された調査)の調査結果を参照しています。




4.女性(ママ)と企業のアンケートを比較すると双方の考えの違いが明らかに


仕事を選ぶ際に重視するポイント 女性(ママ)を採用するとしたら重要視するポイント

0% 10% 20%
未就業者 企業
給料

やりがい
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40%

自分のスキル・経験を活かせる スキル・経験がある

社会の役に立つ(社会・地域への貢献) 残業ができる

勤務時間を調整できる 休日出勤ができる
通勤の便がいい 家が近い
新しい挑戦ができる
年齢
自分のスキルアップにつながる
素直である
社会とのつながり
コミュニケーションがとれる
時間の有効活用
その他
自己実現・自己成長の機会

子どもの成長のため(子どもの成長に伴い必要なお金を貯める)



女性(ママ)側は「給与」「勤務時間が調整できる」など、勤務先の状況・環境要因(非人的要因)を重
視していることに対し、企業側は「コミュニケーション」「素直である事」など、従業員のパーソナルな要
素(人的要因)を重視していることが分かった。



女性(ママ)が努力できるポイント 女性(ママ)を採用したら頑張って欲しいポイント

0% 10% 20% 30% 40% 50%
未就業者
未就業 企業
企業 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

子供の預け先確保
キャリアアップ(資格取得など)


家事の効率化
残業の対応


時間の確保
休日出勤の対応


資格の取得や勉強会に参加
時間に余裕をもっての出退勤


希望条件の見直し
仕事、家事の効率化


就職活動(ハローワーク/WEBなど)
子供がいるから急な休みは当たり前という態度


働いている友人・知人・その他からの情報収集 コミュニケーション力

月に数回は残業や休日出勤にも
対応できるような家庭と預け先との連携作り その他


その他
採用・就業後に相互に求めるものについては、女性(ママ)側が「子どもの預け先確保」を除くと「家事の
効率化」「時間の確保」など自身で調整・改善できること(人的要因)を挙げていることに対し、企業側も
「スキル」「仕事・家事の効率化」という従業員自身で調整 改善可能なものを挙げていることが分かった。

そして、この質問でも「コミュニケーション力」を多くの企業が望んでいると回答した。就業後における従
業員として努めるべき方向性は企業の希望と一致していると同時に、 職場内でのコミュニケーションが重要
だと言える。



5.【総括】
・女性(ママ)の「はたらきたい」思いを叶えるには家族の協力が不可欠である。
・女性(ママ)が不安に思っている「子育てへの理解があるか」に対しては、企業側にも「理解がある」 。
・企業側と女性(ママ)求職者側の意識の違いが最も顕著に表出したのは「就業後に努力すべきポイント」 。
女性(ママ)側は「理解してもらえるか」 「条件」
を とは捉えず、
「正直なコミュニケーション」を通じて、
職場内で「自身の家庭の子育て状況」を理解してもらう努力が必要である。
・企業は女性(ママ)のニーズを把握した上で双方が無理なく続けられる勤務体系を整備することが重要で
ある。



● コロナ禍において従来就業者だった女性(ママ)が就職・転職市場に放出されている可能性が示唆

過去 4 年の未就業者の希望する雇用形態の変遷



「アルバイト」希望が約 10%減少
「パート」

「正社員」希望が約 5%増加、全体の 2 割超に

「契約社員」
「派遣社員」希望の
合計値も 8%増加、全体の約 15%に




未就業者のうち「すぐにでも働きたい「3 か月以内に働きたい」
(早期就業を希望している)方の中で、
「5 日以上」働きたいを選択した方

この 4 年で最も多く、昨年比で 7 ポイント増加、
全体の 2 割超に

過去 4 年の未就業者の扶養に対する考えの変遷




未就業者で扶養から外れたい方の割合が
昨年比で約15%増加
過去 4 年の未就業者の希望する働く時間 過去 4 年の未就業者の希望する働く日数の変遷




未就業者の中で「週5 日以上」の勤務を希望している方が
未就業者で6 時間以上を希望する方は昨年比で約10%増加
昨年比で約10%増加



以上の調査結果より、 昨年に比べ、未就業者の中で「雇用形態に拘わらず」「すぐにでも長時間」「多日数」
働きたい方が増えていると言える。また、 「契約社員」「派遣社員」のニーズの高まりも見受けられ、働き方
に関する意識の多様化が進んでいるとも言える。
同様に家族の扶養から外れたい人が増えていることからは 「働くことについて主体的に動きたい女性(ママ)
が増えている」と言える。
さらに、当施設の利用者へのヒアリングでは「コロナ禍になり、仕事がなくなった」 「仕事が減り、ダブル
ワークをしたい」という理由で来店される方も少なくない。
前述の女性(ママ)の働くことに関しての意識変化もみられることから、 「コロナ禍において、これまで就業
していた女性(ママ)労働者は職(またはその一部)を失い、求職をしている可能性が考えられる。またこの状
況を言い換えると、現在女性(ママ)の就職・転職市場が多様化・活発化傾向にあるとも言える。

今後はこの仮説を検証していくとともに、そうした求職者が就業できるような施策にも取り組んでいきたい
と考えている。



■ 調査実施(本調査に関するお問い合わせ)
株式会社ワールドネクスト
福島県郡山市安積三丁目 361 番地 / 024-937-1481
https://wnext.co.jp/

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