「デジタル製品パスポート( DPP )」のシミュレーションへの参画に関するお知らせ

2023 年5月 17 日
各 位

会 社 名 ア ミ タ ホ ー ル デ ィ ン グ ス 株 式 会 社
代表者 代表取締役会長兼 CVO 熊野英介
( コ ー ド 番 号 : 2 1 9 5 東 証 グ ロ ー ス )
問合せ先責任者 代表取締役社長兼 CIOO 末次貴英
T E L ( 0 7 5 ) 2 7 7 - 0 3 7 8 ( 代表 )


「デジタル製品パスポート(DPP)」のシミュレーションへの参画に関するお知らせ
-もの・情報・気持ちが循環する、トレーサビリティシステムの構築を目指す-



アミタホールディングス株式会社(以下、アミタ)は、2023 年5月 15 日から約4か月間、
国内では先進的な「デジタル製品パスポート(以下、DPP) 」に関する実証実験に参画します。
本取り組みは、アミタが代表幹事を務めるジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナ
ーシップ(以下、J-CEP※1)のプロジェクトの一環として行われるもので、オランダのサーキ
ュライズ社が提供するトレーサビリティシステムを用いて、再生プラスチック製品の DPP の
シミュレーションに取り組みます。本実証を通して、当社は独自に開発を進める「製品や素
材が人々の暮らし・社会に与える好影響=社会的な価値」を証明する DPP の作成に向けた、
知見獲得・応用を目指します。




1. 「デジタル製品パスポート」の概要
サーキュラーエコノミーの実現に向けて、 では 2022 年より
EU 「デジタル製品パスポート(DPP)

の市場導入および法制化が進められています。DPP とは、ブロックチェーンなどのデジタル技術
を用いて、原料調達から再資源化・再製品化に至るまで、製品のライフサイクルに沿ったサステ
ナビリティ情報(再生材含有率、CO2 排出量、リサイクル情報、耐久性など)を共有する仕組みで
す。DPP は製品の持続可能性を証明し、環境リスクの低減に貢献するものとして注目が高まって
います。今後は日本においても市場への導入が進められるとみられ、DPP への対応やサプライチ
ェーン全体に渡る情報収集、管理、開示などができる情報プラットフォームの構築が求められま
す。



2. 本取り組みの概要
(1) 目的
上記の状況を鑑み、アミタが代表幹事を務める J-CEP は 2023 年3月に「デジタル製品パ
スポート研究会」を立ち上げました。本研究会は、J-CEP 会員かつ研究会メンバーである丸
紅株式会社(以下、丸紅)の提案をうけ、2023 年5月 15 日より約4か月間、DPP の日本市場
導入を見据えた企業対応のシミュレーションを行います。
本シミュレーションでは、丸紅の業務提携先であるオランダのサーキュライズ社が EU で
提供するトレーサビリティシステムを用いて、回収された使用済の資源が実際に製品として
再生されるまでのプロセスを追跡し、資源に付随するサステナビリティ情報の見える化を行
います。また、システム運用上の課題把握やシステム間の連携模索等を行い、いまだ概念的
である DPP に対する具体的イメージを共有することで、J-CEP として日本市場での DPP の社
会実装に向けた提言を行うなど、サーキュラーエコノミーの推進を目指します。アミタは、
当社が提供する「MEGURU STATION®」を含む互助共助コミュニティ型資源回収ステーションで
回収したペットボトルキャップを再生プラスチック製品の原材料として供給するなどの役
割を担います。


(2) 内容
概要 サーキュライズ社のシステムを用いて、アミタが提供する MEGURU STATION®を含
む互助共助コミュニティ型資源回収ステーションで回収されたペットボトルキャ
ップがプラスチック製品に再生されるまでの製品ライフサイクルを追跡し、DPP
を作成する
期間 2023 年5~9月
プログラム ① サーキュライズ社のシステムへの情報入力
② キックオフミーティング:プロジェクトのスコープ決定、本プロジェクトへ
の要望ヒアリング
③ 隔週のミーティング:プロジェクト進捗状況の確認。要望や質問の確認。
④ ワークショップ:
【テーマ1】DPP におけるトレンド、利用例、欧州での法制度。リサイクル
プラの欧州利用例
【テーマ2】ブロックチェーンの基礎知識。Smart Questioning の説明。
⑤ システム説明及びトレーニング:システムの操作説明及びダミーデータでの
入力トレーニング
シミュレーションの 2023 年6月末:ダミーデータによるシミュレーション結果(DPP データ表示方
スケジュール 法)の完成
2023 年9月末:リアルデータによるシミュレーション結果(DPP データ表示方
法)の完成
シミュレーション結果を 日本における DPP の普及・導入に当たっての現場の運用を含めた課題感を確認
踏まえた取り組み事項 し、必要な業界ルール、ICT・IoT ソリューション、法整備などを議論する
参加企業 J-CEP 内の参加希望企業 9社


(3) サーキュライズ社および提供システムについて
サーキュライズ社は、DPP を含んだトレーサビリティシステムを提供する、2016 年にオラ
ンダで設立された企業です。本システムは、ブロックチェーン技術とゼロ知識証明※2 をベー
スに同社が独自開発した「Smart Questioning」技術により、製品の設計・仕様、加工条件、
リサイクル履歴等の「トレーサビリティ関連情報」 カーボンフットプリントやリサイクル比

率等の「資源効率を示すデータ」、企業の SDGs 対応情報や第三者認証情報といった各種環境
対応指標を、機密性を保ちながら選択的に開示することができます。サプライチェーンの透
明化に貢献するこれらの技術が評価され、サーキュライズ社は、サーキュラーエコノミーを
促進するソリューション提供企業として、2020 年 9 月に欧州委員会より「EU Horizon 2020」
※3
対象企業に選出されました。
会社名 Circularise B.V.(サーキュライズ)
本社所在地 Wilhelmina van Pruisenweg 35, 2595 AN, Den Haag, Netherlands
設立 2016 年7月
事業内容 トレーサビリティ管理プラットフォームの開発
ホームページ https://www.circularise.com/




画像:サーキュライズ社のシステムイメージ
3. 参画の狙い~アミタが目指す DPP の在り方~
現在規格化が進められている DPP の役割は、環境負荷に関する製品情報の可視化とトレーサビ
リティの確保です。一方でアミタが目指す DPP は、環境関連情報に加え、特定の製品や素材が人々
の暮らしや社会に与える好影響=「社会的な価値」を証明する仕組みです。その実現に向けて、
今回のシミュレーションに参画し、アミタが提供する MEGURU STATION®で回収された資源を原料
とする、製品の DPP 作成に取り組みます。
MEGURU STATION®では様々な社会的価値が生まれます(資源の持ち込みを通じた、互助共助の関
係性の醸成や安心して暮らせるまちづくりの実現、外出頻度の増加による介護リスクの低減など)。
これらの可視化されていない情報をデータ化し、製品の DPP に付加することで、生活者が商品を
選ぶ際に「折角なら、自分の暮らす地域や社会に良いものを選ぼう」という社会的動機性に基づ
く購買活動や、企業が商品を生産・販売する際に、社会がより豊かになるビジネスモデルへの転
換などを推進することができるとアミタは考えています。
DPP には、暮らしと企業活動を繋ぎ、作れば作るほど・売れば売るほど・消費すればするほど、
自然や人々の暮らしを豊かにする可能性があります。アミタは上記構想の実現に向けて本実証に
参画し、世界でも先進的なトレーサビリティ(DPP)システムの利用を通じて、情報の取り扱いや
運用上の課題把握等に取り組みます。



4. 業績に与える影響
本協定の締結が当社の業績に与える影響は軽微です。


以 上



※1:持続可能な社会の実現を目指す企業等が、住民・行政・大学等と連携して、サーキュラーエコノミーの推進に取り組
む新事業共創パートナーシップ
※2:暗号学において、ある知識を持っていることを、その知識に関する何の情報も明らかにすることなく証明する手法
※3:全欧州規模で実施される、研究および革新的開発を促進するための欧州研究・イノベーション枠組み計画 Framework
Programme。2014-2020 年にわたり約 800 億ユーロ(約 10 兆円)に上る EU からの公的資金が投入されている。

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