ゲリラ豪雨発生時の高精度かつリアルタイムな降雨・浸水予測による水害対策の有効性に関する実証実験を開始

News Release

2022 年 8 月 18 日


NTT アドバンステクノロジ株式会社
日本工営株式会社
株式会社 東芝
東日本電信電話株式会社 埼玉西支店


ゲリラ豪雨発生時の高精度かつリアルタイムな降雨・浸水予測による
水害対策の有効性に関する実証実験を開始

NTT アドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT-AT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:伊東
匡)と、日本工営株式会社(以下:日本工営、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:新屋 浩
明)、株式会社東芝(以下:東芝、本社:東京都港区、代表執行役社長 CEO:島田 太郎)、東日本電
信電話株式会社 埼玉西支店(以下:NTT 東日本、支店長:丸山 猛)の 4 社は共同で、近年多発するゲ
リラ豪雨による突発的な水害への対策として、高精度かつリアルタイムな降雨・浸水予測データを活用した、自治体
職員の災害対応業務の有効性に関する実証実験について、埼玉県ふじみ野市にご協力いただき 2022 年 8 月
19 日から開始します。


1.実証実験の背景と目的
近年、線状降水帯やゲリラ豪雨による洪水や浸水被害といった「水」による災害が全国各地で多発し、ハザードマッ
プの想定を超えるケースもあるなど被害が激甚化しています。特にゲリラ豪雨は突発的に発生するため正確な予測が
難しく、河川や内水の氾濫、道路の冠水、建物への浸水など、想定される水害への対応準備にあたる自治体職員
にとっては、極めて短時間のうちに被害を想定し、対策の判断や関係者への指示、住民の避難行動を促す情報伝
達を行わなければならず、大きな負担となっています。
このような水害時における課題を解決するため、この度、NTT-AT・日本工営・東芝・NTT 東日本で共同して、ゲリ
ラ豪雨の早期予測と浸水シミュレーション、さらに動的ハザードマップの提供・配信で構成される一体型サービスを提
供します。これを全国に先駆けてふじみ野市で一定期間運用し、精度の高い予測情報に基づく的確・迅速な災害
対応の判断と実行、および被害の軽減の観点で、システムの有効性を検証します。


2.実証実験の概要
(1)内容・方法:
本実証実験では、次の①~④それぞれの仕組みを初めて連動させ、1 つのシステムとして実際の災害対応業務に
おいて活用することが特長です。


①最新技術によるゲリラ豪雨の高精度な早期予測
世界初の実用型・高機能気象レーダ MP-PAWR(※1)と国土交通省のレーダネットワーク(XRAIN)
を活用し、改良版 VIL-NC(※2)により局地的豪雨の兆候と雨量を発生 30 分前に高精度に予測しま
す。


②高解像度リアルタイム浸水シミュレーション
複数の降雨観測データにより精度を高めた予測情報を活用し、対象エリアの浸水予測シミュレーションをリア
ルタイムに行い、時系列でアニメーション表示することで、自治体職員の各種判断を支援します。
③刻々と変化する動的ハザードマップの提供
浸水予測シミュレーション結果に基づいて、数時間先までの浸水による危険度がわかる動的な浸水ハザード
マップを提供します。


④タイムリーな情報配信
危険が迫る地域の利用者のスマートフォンアプリに、浸水予想区域・浸水深情報を動的ハザードマップ情報
として届けます。自治体職員・関係者の体制準備や対応指示などの実行、避難情報の発令判断の支援に
つなげます。

【実施イメージ】




高機能気象レーダ
による降雨予測




リアルタイム浸水予測
シミュレーション結果




動的ハザードマップ情報の配信


(2)実施場所:ふじみ野市 市役所庁舎ほか市内各所
(協力)総務部危機管理防災課、都市政策部上下水道課・道路課


(3)実施期間:2022 年 8 月 19 日から 2022 年 12 月 28 日まで
3.各社の役割
N T T - A T : 本実証に関するコーディネート、実証実験システム整備主管、動的ハザードマップ・情報配信基盤
の提供
日 本 工 営 : 浸水シミュレーション技術に基づくリアルタイム浸水予測情報の提供
東芝 : 高精度降雨気象レーダによるゲリラ豪雨の 30 分前予測情報の提供
https://www.global.toshiba/jp/cps/corporate/kisyo.html
NTT 東日本: ふじみ野市との連係窓口として、「防災の DX」による課題解決の推進


4.今後の取り組みについて
NTT-AT、日本工営、東芝、NTT 東日本は、今回の実証実験により得られた成果を基に、全国の水害対策に
おける「防災の DX」に資するサービスとして提供できるよう検討を進めてまいります。

※1 マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR): 内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第 1 期において開発され
た。従来の「マルチパラメータ気象レーダ」と「フェーズドアレイ気象レーダ」の長所を兼ね備え、ゲリラ豪雨などの兆候をより迅速かつ正確に捉えるこ
とを可能にした気象レーダ。水 平 偏 波 と垂 直 偏 波 を同 時 に送 受 信 する二 重 偏 波 機 能 を有 し、100 以 上 の仰 角 をほぼ同 時 に観 測
可 能 な DBF( デジタル・ ビーム・ フォーミング) のリアルタイム処 理 機 能 を搭 載 した世 界 初 の気 象 観 測 フェーズドアレイレーダ。開発
を主導した国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)により本実証実験へデータが提供されている。


※2 改良版 VIL-NC(Vertically Integrated Liquid water content - NowCast): 国立研究開発法人防災科学技術研究所がマルチ
パラメータ(・フェーズドアレイ)気象レーダ用に開発した VIL-NC を東芝が改良した降雨予測ソフトウェア。




※ 記載された会社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。
※ 掲載のデータは発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。




【報道機関からのお問い合わせ先】
●提供システムに関するお問い合わせ先
NTT アドバンステクノロジ株式会社
ビジネス推進部 コーポレート・コミュニケーション部門
E-Mail:inquiry@ml.ntt-at.co.jp
●浸水予測シミュレーションに関するお問い合わせ先
日本工営株式会社
コーポレートコミュニケーション室
TEL:03-5276-2454
E-Mail:c-com@n-koei.co.jp
●降雨予測に関するお問い合わせ先
株式会社東芝
コーポレートコミュニケーション部 メディアコミュニケーション室
TEL:03-3457-2100
E-Mail: media.relations@toshiba.co.jp
●自治体 DX 推進に関するお問い合わせ先
NTT 東日本-関信越 企画部 広報担当
E-Mail:st-kouhou-ml@east.ntt.co.jp

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