サステナビリティボンドの発行に関するお知らせ

2020 年 6 月 19 日
各 位


会 社 名 東 京 建 物 株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 執 行 役 員 野村 均
コ ー ド 8804 東 証 第 1 部
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 後藤 芳朗
( TEL(03)3274-1984 )



サステナビリティボンドの発行に関するお知らせ



当社は、国内において不動産セクター初となる社会課題の解決と環境配慮を目的としたサステナビ
リティボンド(*1)
(以下、「本社債」
)の発行を予定しておりますので、お知らせいたします。


1.本社債発行の目的・背景
当社グループでは、SDGs のターゲットイヤーであり、現在推進している複数の大規模再開発が
概ね竣工を迎える 2030 年頃を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を策定し、「社会
課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で実現するため、グループ全体で積極的にサ
ステナビリティ施策に取り組み、ESG 経営の高度化を推進しています。


一方、2020~2024 年度を対象とした中期経営計画において、当社は、
「東京駅前八重洲一丁目
東地区市街地再開発事業」 「八重洲一丁目北地区市街地再開発事業」
や をはじめとする大規模再開
発プロジェクトを推進するとともに、それらプロジェクトが所在する八重洲・日本橋・京橋エリア
(以下、 )において、東京都における 2019 年度イノベーション・エコシステム形
「八日京エリア」
成促進支援事業「認定地域別協議会(PR 支援型)(*2)の主幹事企業にも認定され、八日京エリ

アにて社会課題の解決に貢献するまちづくりを推進しております。
八日京エリアは、多数の企業が集積する国内有数のビジネス地区として、日本経済を牽引して
います。当社は、東京駅前の交通結節機能の強化、国際競争力を高める都市機能の導入と地域コミ
ュニティや賑わいの創出、防災対応力強化や環境負荷低減に取り組むことで、東京駅前にふさわ
しく、かつ、八重洲の歴史と伝統を未来に繋ぎ、賑わいのある街づくりを実現してまいります。
また、国内外のスタートアップ等、多様なプレイヤーを呼び寄せ、既存企業を含む相互の連携を
促すことで、イノベーションが自律的・持続的に生じる本地区独自のエコシステムの成長・発展を
目指してまいります。


本社債は、八日京エリアにおける社会課題解決に貢献する市街地再開発事業のみならず、イノ
ベーション・エコシステム形成に資する取り組みを資金使途とすることで、当社グループのサス
テナビリティへの考え方が幅広く認知されることを目的として、発行することと致しました。
2.本社債の概要

発行年限 未定


発行額 未定


発行時期 2020 年 7 月(予定)


当社が策定したソーシャルプロジェクト(*3)及び
グリーンプロジェクト(*4)へ充当

八日京エリアにおける、社会課題解決に貢献するまちづくり

① 東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発事業(八重洲プロジェクト)
② 八重洲一丁目北地区市街地再開発事業(呉服橋プロジェクト)
資金使途(予定) ③ 東京スクエアガーデン
④ 東京建物日本橋ビル
⑤ City Lab TOKYO
⑥ TOKYO FOOD LAB
⑦ xBridge-Tokyo/xBridge-Tokyo Next
⑧ Kitchen Studio SUIBA
⑨ TOKYO IDEA EXCHANGE

みずほ証券株式会社(事務)、大和証券株式会社、SMBC日興証券株式
主幹事
会社
Sustainability Bond
みずほ証券株式会社
Structuring Agent *5)





東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発事業 八重洲一丁目北地区市街地再開発事業
(八重洲プロジェクト)外観 (呉服橋プロジェクト)外観
3.サステナビリティファイナンス・フレームワーク策定および外部評価の取得


■サステナビリティファイナンス・フレームワーク
サステナビリティファイナンスの調達にあたって、国際資本市場協会(ICMA)のサステナビ
リティボンド・ガイドラインにおいて言及しているグリーンボンド原則及びソーシャルボン
ド原則の両方に共通して定められている4つの要素(1.調達資金の使途、2.プロジェクトの
評価と選定のプロセス、3.調達資金の管理、4.レポーティング)に関する方針を記載した「サ
ステナビリティファイナンス・フレームワーク」を策定しました。


■株式会社日本格付研究所による外部評価
サステナビリティファイナンス・フレームワークについて、株式会社日本格付研究所(以下、
「JCR」)より、
「JCR サステナビリティファイナンス・フレームワーク評価」
(*6)において
最上位評価である「SU1(F)
」の評価を取得しました。
https://www.jcr.co.jp/greenfinance/



(*1)サステナビリティボンド
調達資金の使途が、①社会的課題の解決に資するものであること(ソーシャル性)及び、②環
境改善効果があること(グリーン性)の双方を有する債券です。


a.
(*2) 東京都におけるイノベーション・エコシステム形成促進支援事業「認定地域別協議会(第
二次募集:PR 支援型)(2019 年度)

東京都では、都内におけるイノベーションの活性化に向けた環境を構築するため、国内外
の起業家、大手企業、投資家、研究機関等の様々なプレイヤーが集積・連携したイノベー
ション・エコシステム(以下、
「エコシステム」)の形成を目指しています。
エコシステムの形成においては、主なイノベーションの担い手となる民間団体等の主体的
な取組が不可欠です。そこで、東京都はエコシステム形成に取り組もうとする民間団体等
を認定し、その取組や成功事例を積極的に国内外へ向けて情報発信することで、民間団体
等の取組を後押しします。
https://www.senryaku.metro.tokyo.lg.jp/news/2019/201908_001.html


エコシステムロゴ(東京都)




b. 認定地域別協議会の概要
代表事業者:東京建物株式会社
認定エリア:八重洲・日本橋・京橋地区(八日京エリア)
将来像:大手企業の経営課題や成長分野を「重点カテゴリー(クロステック、SDGs、食
等) として、
」 カテゴリー毎に国内外のプレイヤーとの交流を促し、エコシステムの
自律的成長サイクルを作り出す
(*3)ソーシャルプロジェクト
下記①~③のいずれかに資するプロジェクト
① 基本的インフラ整備・必要不可欠なサービスへのアクセス
② 社会経済的向上・エンパワーメント
③ 食の安全


(*4)グリーンプロジェクト
下記①~③の第三者認証機関の上位 2 つの認証/再認証のいずれかを取得済もしくは今後取
得予定の物件
① DBJ Green Building 認証における 5 つ星または 4 つ星
② CASBEE-建築(新築)における S ランクまたは A ランク
③ BELS 認証における 5 つ星または 4 つ星


(*5)Sustainability Bond Structuring Agent
サステナビリティファイナンス・フレームワークの策定およびセカンドオピニオン等外部の第
三者評価の取得に関する助言等を通じて、サステナビリティファイナンスの実行支援を行う者


(*6)JCR サステナビリティファイナンス・フレームワーク評価
サステナビリティファイナンス・フレームワークに基づき調達される資金が JCR の定義する
ソーシャルプロジェクトまたはグリーンプロジェクトに充当される程度ならびに当該サステ
ナビリティファイナンスの資金使途等にかかる管理、運営および透明性確保の取り組みの程度
を評価したものです。
― 参考情報 ―

当社が参画している適格クライテリアを満たすサステナビリティプロジェクト

東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発事業(八重洲プロジェクト)
国際都市東京の陸の玄関口として、八重洲エリアのみならず東京全体の更なる賑わい創出と
国際競争力の向上に資する当社旧本社ビルを含むプロジェクト
【特徴】
・東京駅前の交通結節機能の強化
・国際競争力を高める都市機能の導入と地域コミュニティや賑わいの創出
・防災対応力強化と環境負荷低減




<地区間連携による災害時支援機能の整備イメージ>




<バスターミナル整備イメージ>

【ソーシャルプロジェクトにおける適格クライテリア】
基本的インフラ整備・必要不可欠なサービスへのアクセス

【ソーシャル性】
帰宅困難者の受入スペースの提供、防災用品の備蓄倉庫の提供、
要配慮者への代替輸送手段支援としてのバスターミナルの提供、
コージェネレーションシステムの提供、バリアフリーな歩行者ネットワークの提供、
外国人への総合的な初期診療施設の提供

【グリーンプロジェクトにおける適格クライテリア】
CASBEE-建築(新築)における A ランク以上(予定)

【本 PJ に関する主なリリース】
2019 年 1 月 18 日 「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業」
B地区市街地再開発組合設立のお知らせ
https://pdf.irpocket.com/C8804/nWiP/s36i/iDih.pdf
八重洲一丁目北地区市街地再開発事業(呉服橋プロジェクト)
日本橋川沿いエリアのゲートとして相応しい水辺空間の整備と賑わいの創出、
国際競争力の強化に資する金融拠点の形成に資するプロジェクト
【特徴】
・日本橋川沿いの連続的な水辺空間と歩行者ネットワークの整備
・国際競争力の強化に資する金融拠点の形成
・防災対応力の強化と環境負荷低減




<整備イメージ>




<エネルギー供給概念図>


【ソーシャルプロジェクトにおける適格クライテリア】
基本的インフラ整備・必要不可欠なサービスへのアクセス

【ソーシャル性】
帰宅困難者の受入スペースの提供、防災用品の備蓄倉庫の提供、
コージェネレーションシステムの提供、バリアフリーな歩行者ネットワークの提供

【グリーンプロジェクトにおける適格クライテリア】
CASBEE-建築(新築)における A ランク以上(予定)


【本 PJ に関する主なリリース】
2019 年 10 月 11 日 「 (仮称)八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」都市計画決定
https://pdf.irpocket.com/C8804/Rbrh/h71z/kiMT.pdf
当社が保有・管理する適格クライテリアを満たすサステナビリティプロジェクト


東京スクエアガーデン
周辺地域の CO2 削減等に取り組む「京橋環境ステーション」や立体的な緑化空間「京橋の丘」

多言語対応可能な医療施設・子育て支援施設の整備
【特徴】
・都市における多面的な環境対策の取り組み
・京橋駅前の都市基盤施設、国際金融機能の強化に向けた生活支援施設の整備
・快適で安全なまちづくりの推進




【ソーシャルプロジェクトにおける適格クライテリア】
基本的インフラ整備・必要不可欠なサービスへのアクセス
社会経済的向上・エンパワーメント

【ソーシャル性】
帰宅困難者の受入スペースの提供、防災用品の備蓄倉庫の提供、
停電時の緊急用電源の提供、バリアフリーな歩行者ネットワークの提供、
外国人への総合的な初期診療施設の提供、多言語対応可能な子育て支援施設の提供、
サステナビリティを軸とするベンチャー企業に対するサポートプログラムの提供

【グリーンプロジェクトにおける適格クライテリア】
DBJ Green Building 認証:5 つ星

【本物件に関する主なリリース】
2013 年 4 月 16 日 「東京スクエアガーデン」竣工のお知らせ
https://pdf.irpocket.com/C8804/qzIz/EQmH/AQlO.pdf
東京建物日本橋ビル
日本橋交差点に位置し、歩行者ネットワーク整備や賑わい創出、
高い耐震性能を誇る免震構造や電力対策・浸水対応など高いレジリエンス機能の整備
【特徴】
・日本橋駅前の都市基盤施設・歩行者ネットワークの整備
・防災対応力の強化と環境負荷低減




【ソーシャルプロジェクトにおける適格クライテリア】
基本的インフラ整備・必要不可欠なサービスへのアクセス

【ソーシャル性】
帰宅困難者の受入スペースの提供、防災用品の備蓄倉庫の提供、
停電時の緊急用電源の提供、バリアフリーな歩行者ネットワークの整備

【グリーンプロジェクトにおける適格クライテリア】
DBJ Green Building 認証:4 つ星


【本物件に関する主なリリース】
2015 年 2 月 27 日 「東京建物日本橋ビル」竣工
https://pdf.irpocket.com/C8804/aRgx/XJan/m5g1.pdf
当社が取り組む適格クライテリアを満たすソーシャルプロジェクト
City Lab TOKYO(東京スクエアガーデン)
持続可能な都市・社会づくりを行うためのオープンイノベーションプラットホーム




【適格クライテリア】
社会経済的向上・エンパワーメント

【ソーシャル性】
サステナビリティを軸とするベンチャー企業に対するサポートプログラムの提供

【主な取り組み】
SDGs や ESG 投資・テクノロジーなどをテーマとした各種イベントの開催、サステナビリティ
を軸としたスタートアップコミュニティの立上げ、社会起業家育成プログラムの提供

【公式サイト】 https://citylabtokyo.jp/
【主なリリース】https://pdf.irpocket.com/C8804/xouG/s2fH/Dpzx.pdf
https://pdf.irpocket.com/C8804/g9xd/N68t/l0At.pdf


TOKYO FOOD LAB
「食」に関わる社会課題解決のための実証実験・社会実装の場




【適格クライテリア】
食の安全

【ソーシャル性】
PLANTORY tokyo における食糧の生産設備および技術革新の推進の機会の提供、
イベントの開催場所の提供

【主な取り組み】
世界トップレベルの高い生産性を誇る植物工場兼研究施設、食にまつわる知見を共有・体験でき
るイノベーティブコミュニティ拠点、世界的に活動する「Future Food Institute」と提携・設立
した「FUTURE FOOD Hub in JAPAN」を通じた教育活動・コミュニティプラットフォームの
創出

【公式サイト】 https://www.tokyofoodlab.jp/
【主なリリース】https://pdf.irpocket.com/C8804/PMgI/tpLm/cjAf.pdf
xBridge-Tokyo / xBridge-Tokyo Next
既存産業とテクノロジーの掛け合わせで新規事業を創出するスタートアップスタジオ




【適格クライテリア】
社会経済的向上・エンパワーメント

【ソーシャル性】
スタートアップの成長支援の機会の提供

【主な取り組み】
「スタートアップスタジオ」によるスタートアップの創出・成長支援
知識・ノウハウを共有できるコミュニティの形成

【主なリリース】https://pdf.irpocket.com/C8804/QW2b/xnP5/RO39.pdf



Kitchen Studio SUIBA
「食」のイノベーション創出、エリアの賑わい創出や地方創生に貢献するキッチンスタジオ




【適格クライテリア】
社会経済的向上・エンパワーメント
食の安全

【ソーシャル性】
イベントの開催場所の提供

【主な取り組み】
食関連のスタートアップ、八日京エリアの飲食店や地方自治体等とのタイアップイベントの開催

【公式サイト】 https://sui-ba.com
【主なリリース】https://pdf.irpocket.com/C8804/drYi/Rib4/Lfso.pdf
TOKYO IDEA EXCHANGE
「アイデアの先物取引所」をコンセプトとしたイノベーション・ビジネス創出拠点




【適格クライテリア】
社会経済的向上・エンパワーメント

【ソーシャル性】
スタートアップの成長支援の機会の提供

【主な取り組み】
未来へのアイデアを形にするべく、新たなアイデアを持つ人・それをデザインできるクリエイタ
ー 形にできる技術者やプロのものづくり集団等を繋ぎ、
・ イノベーションやビジネス創出の支援・
コミュニティを形成

【公式サイト】 https://idea-exchange.tokyo/




八日京エリアの取り組みマップ
当社の ESG ファイナンスの取り組み


当社が 2019 年 3 月に発行したグリーン・ハイブリッドボンドは、環境省が創設した「ESG
ファイナンス・アワード・ジャパン」のボンド部門にて、環境大臣賞(銀賞)を受賞しました。
本アワードは、ESG 金融やグリーンプロジェクトに関して積極的に取り組み、環境・社会に
優れたインパクトを与えた投資家・金融機関等や、環境関連の重要な機会とリスクを企業価値
向上に向け経営戦略に取り込み、企業価値と環境へインパクトを生み出している企業の取組み
を評価・表彰し、社会で共有することを目的として、環境省によって創設されたものです。


<ESG ファイナンス・アワード・ジャパンの受賞理由>
・国内最高水準のグリーンビルディングを対象とした国内初のハイブリッドボンド
・CBI(Climate Bonds Initiative)基準に沿った取り組みを行い、高い透明性を確保
・対象アセットはグリーンビルディング認証の上位レベルを取得
・500 億円という大規模な資金調達


<受賞対象のグリーンボンドの概要>
本アワードの受賞対象となったグリーンボンドは、当社が 2019 年 3 月にグリーンファイナ
ンス・フレームワークに基づき発行した国内初(不動産セクターでは世界初)の公募ハイブリッ
ド社債になります。
調達資金は、超高層複合用途ビルにおける「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)Ready」
認証取得の第 1 号案件である「Hareza Tower」など国内最高水準のグリーンビルディングの取
得・建設資金およびリファイナンスに全額充当します。
発行当時は、社債需給が軟化する厳しい発行環境に加え、劣後特約という商品特性にも関わ
らず、国内初のグリーン・ハイブリッドボンドであることや透明性が高いフレームワークなど
に好感した多数の投資家から需要が寄せられ、国内のグリーンボンドとしては最長期間
(40 年)

最大発行額(500 億円)
・最多投資表明数(26 件)を達成しました。(2019 年 3 月時点)




ESG ファイナンス・アワード・ジャパン表彰式
環境大臣 小泉 進次郎 (右)
代表取締役社長執行役員 野村 均 (左)



以 上

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