当社国内独占販売の高分子材料が株式会社リコーの有機太陽電池に採用

各 位
2022 月 1 月 19 日
株式会社GSIクレオス


当社アジア独占販売※の高分子材料が株式会社リコーの有機太陽電池に採用

株式会社GSIクレオス(東京都千代田区、代表取締役 社⻑執⾏役員:吉永 直明、以下
当社)は、カナダのスタートアップ企業、ブリリアント・マターズ(Brilliant Matters Organic
Electronics Inc.、以下 BM 社)に昨年6月に出資するとともに、同社製の高分子材料および低分子
化合物の普及に注力してまいりました。その結果、この度、高分子材料が株式会社リコー
(東京都大田区、代表取締役 社⻑執⾏役員:⼭下 良則、以下 リコー)のフレキシブル環境発電デバ
イス(有機太陽電池(Organic Photo Voltaic、以下 OPV(1)))の材料として採用されることとなり
ましたので、お知らせいたします。


BM 社は、有力な次世代再生エネルギーである有機太陽電池(OPV)をはじめとする有機エレク
トロクニクス(OEL) 分野向けに、最適な最先端の導体、半導体高分子の研究・開発、製造を⾏って
いる企業です。
BM 社の特許技術である高分子合成技術 DHAP 法 (2)
は、現在、最も汎用的な高分子合成方法
である Stille 重合法とは異なり、毒性のある金属前駆体を用いず、有機金属種の調整や精製が不要
な手法であり、環境負荷の少ない「極めてグリーンな合成法」として既に高い評価を得ています。


リコーは、環境負荷の少ない BM 社合成法とその高分子材料にいち早く着⽬し、⻑期にわたる
評価試験を実施しました。その結果、同社は安定して所定の性能が得られたとして、自社 OPV へ
の採用を決定しました。
リコー製 OPV は、従来の OPV 製品に比べ、低照度での発電や
優れた耐久性などの特⻑を有しており、現在、同社は産業分野を
中心にサンプルの供給を実施しております。


OPV は、IoT 社会においてユビキタスである各種センサーへの
給電体など、従来のシリコン型太陽電池とはまったく異なる分野
に広く使用されるフレキシブルな太陽電池です。
当社は、今後も BM 社との協業体制を強化し、様々な高分子 リコー製OPV
材料、低分子化合物を、国内外の有力顧客に提案し、OEL デバ 株式会社リコーご提供
イスの社会実装を強力に推進することで、地球環境負荷の低減に
貢献してまいります。


なお、当社は、本年 1 月 26〜28 日に東京ビックサイトで開催される、
「nano tech 2022 第 21 回
国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」に出展し、本リコー製 OPV のサンプルを展示する予定
です。


※当社は、ブリリアント・マターズ製の高分子材料および低分子化合物の日本、中国および東南アジア諸国での独占販売
権を有しております。
以 上
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社GSIクレオス 経営企画部 企画広報課 Tel 03-5211-1802
◆Brilliant Matters Organic Electronics Inc.概要
所在地:カナダ、ケベック州ケベックシティ
創業:2016 年 2 月
事業内容:高分子、低分子化合物の研究・開発、製造、加工
従業員:24 名


◆用語解説
(1) 有機太陽電池(Organic Photo Voltaic、OPV)
OPV は印刷技術により製造できるため、従来のシリコン(Si)型太陽電池に比べ多くの優位性がある。
 低コスト…塗布・印刷方式での素子作製が可能なので安価。
 薄い、曲がる、カラフル…フィルムなどフレキシブル基板に素子の作製ができ、色の選択肢が広く、
シリコン型では不可能な自由な設計が可能。
 単位重量当たりの高エネルギー…極めて軽量なので、シリコン型太陽電池に比べ単位重量当たりの
エネルギー効率は約 10 倍高い。
 低環境負荷…BM 社の合成技術は、毒性のある金属前駆体を使用しないので安全で、低エネルギー
での製造が可能。OPV 素子そのものも軽量なので、製造後の運送、取り付けなど、すべてのサプ
ライチェーンにおいて環境負荷が小さい。
 高起電力…光は太陽光、蛍光灯、LED、ハロゲンなどそれぞれ固有の波⻑を持つが、OPV では個々
の波⻑領域に合わせた光電変換効率の良い素子設計が可能。
BM 社開発材料は、ラボベースで LED 光に対し 16〜19%のエネルギー変換効率を達成している。


(2)DHAP 法(直接的ヘテロアリール合成法、Direct Hetero Arylation Polymerization)
BM 社の DHAP 法は、最も汎用的な共役ポリマーの合成法である Stille 重合法とは異なり、毒性の高い
トリアルキルスズ誘導体を前駆体として用いておらず、毒性取り扱いの問題が本質的に解消されており、
環境負荷が極めて小さく、安全でグリーンな合成法である。また、再現性良く安定した品質の高分子を
得ることが可能であり、100kg を超えるような大量生産にも優れていることを実証済みである。
この DHAP 法は BM 社 CTO、 Dr. Berrouard が LAVAL 大学在学中に基本技術を開発した特許技術
で、世界的にも BM 社オリジナルの合成技術として認知されている。
BM 社は、DHAP 法をベース製法として、p-type(高分子ドナー材料)、n-type(低分子アクセプター
材料)、BHJ(バルクヘテロジャンクション)材料など、OPV 向け、OEL 向けのあらゆる高分子、低分子
材料を供給することが可能である。


(参考資料1)株式会社リコー製 OPV に関する情報
リコー 「充電のない世界」の実現へ、第二弾 曲がる環境発電デバイスのサンプル提供
https://jp.ricoh.com/release/2021/0818_1/
フレキシブル環境発電デバイス 説明
https://jp.ricoh.com/technology/tech/094_flexible_energy_harvesting_device


(参考資料2)Brilliant Matters 社に関する情報
トップページ(英文)
https://brilliantmatters.com/
株式会社リコーへのインタビュー(英文)
https://brilliantmatters.com/a-world-without-charging-brilliant-matters-interview-with-ricoh/

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