動物実験代替法による皮膚刺激性試験結果のデータベース化へ

2022 年 7 月 15 日
各位
会 社 名 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
代表者氏名 代表取締役 社長執行役員 畠 賢 一 郎
(コード番号:7774 東証グロース)
本店所在地 愛知県蒲郡市三谷北通 6 丁目 209 番地の 1
問合せ先 執 行 役 員 大 林 正 人
電話番号 0 5 3 3 - 6 6 - 2 0 2 0 ( 代 表 )


動物実験代替法による皮膚刺激性試験結果のデータベース化へ
-日本動物実験代替法学会から助成金を受け、6 社共同で化粧品業界への貢献に向け取り組みを継続-

株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(本社:愛知県蒲郡市、代表取締役社長執行
役員:畠 賢一郎)は、皮膚刺激性試験に用いる再構築三次元ヒト皮膚モデルを製造販売しています。
当社は、株式会社マンダム、小林製薬株式会社、サンスター株式会社、日本コルマー株式会社、ロ
ート製薬株式会社と協力し、計 6 社で安全性評価項目の一つである皮膚刺激性に着目し、動物実験
代替法のデータ拡充や試験条件の充実に取り組んできました。この研究成果を 2022 年 6 月 30 日
(木)~7 月 2 日(土)で開催された第 49 回日本毒性学会学術年会(札幌コンベンションセンター)
においてポスター発表しました。
今後は、「第 8 回 化粧品等の安全性確保を目的とした試験法評価に関する研究助成金」を受け、
6 社共同でさらなるデータ拡充と取得した試験結果や知見のデータベース化を進め、化粧品業界に
貢献していきます。

1.6 社共同取り組みの背景および成果と今後の展開
現在、動物実験代替法による安全性試験は化粧品業界での活用が進みつつありますが、論文や公
的機関等により公開されている情報は限定的です。さらに医薬部外品や化粧品の成分に関する情報
は少なく、各企業が独自で取得し保有しています。
同様に、昨年 4 月 22 日、厚生労働省より発出された「医薬部外品・化粧品の安全性評価における
皮膚刺激性評価体系に関するガイダンスについて(薬生薬審発 0422 第3号)」に収載されている
OECD TG439※に関して、化粧品原料として利用可能な情報は未だ少なく、安全性試験としての活用
を進めるためには試験データの拡充や試験条件などの充実が必要でした。
そこで、6 社が共同し、当社製品である再構築三次元ヒト皮膚モデル EPI-MODEL24(図1左)を用
いて、化粧品で汎用される 16 成分の試験を行いました。複数社で試験と検証をすることにより、信
頼性があり、かつ化粧品業界の各社が本試験方法を安全性試験として使用するにあたって有益なデ
ータを取得することができました。(図2青丸)
また、EPI-MODEL24(健常肌を想定した再構築三次元ヒト皮膚モデル)で非刺激性と判定され
た成分やその濃度であっても、敏感肌を想定した角層が薄い再構築三次元ヒト皮膚モデル(図1右)
では刺激性と判定される例があることを見出しました(図2赤丸)。これは、敏感肌を想定した再
構築三次元ヒト皮膚モデルを試験に用いることにより、化粧品成分のリスク評価(刺激性が生じる
確率とその程度)を行うことができることを示唆しています。
さらに、成分の希釈濃度、溶媒などの試験条件や刺激の検出感度を高めるための知見も取得しま
した。
本取り組みを継続するにあたり、日本動物実験代替法学会が主催する「第 8 回 化粧品等の安全性
確保を目的とした試験法評価に関する研究助成金」を受けることとなりました。助成金を活用し、




化粧品産業の発展のため、有効データのさらなる拡充と共同研究の企業以外も使用可能なデータベ
ース化を進めていく予定です。引き続き 6 社で共同することで、さらなる知見の拡充が安心・安全
な製品の提供に繋がっていくことを目指していきます。

図 1. 再構築三次元ヒト皮膚モデル




図 2. 防腐成分の皮膚刺激性試験結果例




刺激レベル




2. 当社の動物実験代替法の普及に関する取り組み
当社は、再生医療等製品である培養表皮や培養軟骨で蓄積した高度な培養技術を応用して、研究
用ヒト培養組織を開発し、製造販売しています。研究用ヒト培養組織とは、ヒトの細胞を体外で培
養し、再構築させた組織モデルのことです。ヒト組織に極めて近い構造を再現できるため、動物や
単純な培養細胞の代替として種々の実験への適用が可能です。再構築三次元ヒト皮膚モデル EPI-
MODEL24 は OECD TG431(皮膚腐食性試験)、OECD TG439(皮膚刺激性試験)に収載された製品です。
当社は今後も本製品の市場拡大に努めることで、動物実験代替法の普及に貢献していきます。





※ OECD TG439:経済協力開発機構(OECD: the Organisation for Economic Co-operation and Development)が皮
膚刺激性試験に関する in vitro 試験法「再構築ヒト表皮(RhE: Reconstructed human Epidermis)を用いる試験
法」を OECD 試験法ガイドライン(TG: Test Guideline)439 として採択した。




(参考:当社について)
当社は、「再生医療をあたりまえの医療に」をビジョンに掲げる再生医療メーカーであり、
2021 年 3 月から帝人グループの一員です。
日本の再生医療のトップランナーとして、2007 年 10 月に日本初の再生医療等製品となる自家培
養表皮「ジェイス®」の製造販売承認を取得し、2009 年 1 月から販売を開始しました。
また、2012 年 7 月には自家培養軟骨「ジャック ® 」、2020 年 3 月には自家培養角膜上皮
「ネピック ® 」、2021 年 6 月には自家培養口腔粘膜上皮「オキュラル ® 」の製造販売承認を
取得しました。尚、「ジェイス ® 」は形成外科、「ジャック ® 」は整形外科、「ネピック ® 」は
眼科の領域で日本初となる再生医療等製品です。国内で承認されている再生医療等製品 16 品目
の内、4 品目が当社製品です。

以上

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング コーポレートコミュニケーション室
TEL 0533-66-2020(代表)
E-mail jtec-info@jpte.co.jp





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