燃料電池自動車向け高圧水素タンクを生産するいなべ工場が稼働開始

News Release
2020 年 12 月 10 日



燃料電池自動車(FCV)向け高圧水素タンクを
生産する「いなべ工場」が稼働開始
豊田合成株式会社(本社:愛知県清須市、社長:小山享)は 12 月 10 日、燃料電池自動車(FCV)の
主要部品である高圧水素タンクを生産する「いなべ工場」(三重県いなべ市)でラインオフ式を開催
しました。式典には、三重県の鈴木知事、いなべ市の日沖市長、トヨタ自動車株式会社 元町工場
の岡田工場長をはじめとする関係者の皆様を招き、当社の関係役員と従業員らが参加しました。
いなべ工場では、トヨタ自動車が 2020 年 12 月に発売した新型 MIRAI 向けの高圧水素タンクの
生産を 11 月から開始しており、今後も燃料電池自動車の普及拡大に対応して生産能力を順次
強化していく予定です。

〔いなべ工場の概要〕
工 場 名 : 豊田合成 いなべ工場
所 在 地 : 三重県いなべ市 藤原町 藤ヶ丘 6 番 1 清須市

生産品目 : 高圧水素タンクなど
面 積 : 敷地 約 130,000m2 建屋 約 21,000m2 三重県
いなべ市
従業員数 : 約 100 名
環境設備 : 太陽光発電パネル 1,600kW (2021 年 3 月設置予定)
風力発電 5kW×2 機 いなべ工場 豊田合成(株)本社
水素燃料電池発電 3.5kW
地中熱空調、LED 照明(全灯)




いなべ工場 高圧水素タンク



お問い合わせ先:豊田合成(株) 経理部 森田、内田 (Tel. 052-400-5131)
別紙


いなべ工場で生産する「高圧水素タンク」について
▼燃料電池自動車(FCV)は、タンク内の「水素」と空気中の「酸素」を化学反応させて発電した電力で駆動する。
走行時は水だけしか排出しない“究極のエコカー”
▼高圧水素タンクは水素を圧縮して貯蔵する。燃料電池・モーターなどと並び FCV の主要部品の 1 つ。
▼豊田合成 いなべ工場では、航続距離延長に寄与する 3 本目の高圧水素タンクを生産しています。



燃料電池
(FC スタック) 高圧水素
タンク

モーター

いなべ工場で生産
新型 MIRAI (車両後部の 1 本)


水素(分子が小さく透過しやすい)の透過・漏れを防ぐため 構造
全長 約 70cm
高気密 樹脂ライナ
内側の特殊な樹脂製の容器(樹脂ライナ)で密閉。 →水素の透過防止
直径
水素を効率的に貯蔵するため、 約 30cm 炭素繊維強化プラスチック
(CFRP)
高耐圧 約 700 気圧(70 メガパスカル)で圧縮。 →耐圧強度を確保
高圧にも耐えられるよう、「炭素繊維強化プラスチック」 バルブ ガラス繊維強化プラスチック
(CFRP)などを巻いて強度を確保。 水素の充填・供給口 (GFRP)
→CFRP を保護
新型 MIRAI の航続距離は約 30%向上

従来型 MIRAI 新型 MIRAI
水素タンク 2 本 水素タンク 3 本 トヨタ自動車㈱と共同開発。
航続距離 材料・設計・生産技術の工夫により、
約 650km 約 30% 約 850km
カーボン層を極小化することで内容積を増やし、
向上
水素質量効率※を約 1 割向上
※水素質量/タンク質量


生産工程の概要
いなべ工場は、「登録容器等製造業者」として経済産業大臣の認可を取得しています(国内の自動車部品メーカーでは初)
工場内に試験設備を導入、自社の認定検査員による品質管理体制を構築しています。
工程 概要 イメージ
金型へ樹脂を流して
成形
容器(樹脂ライナ)を成形する。

2 つの樹脂ライナを
溶着
赤外線で溶かしてつなげる。
炭素繊維強化プラスチック
フィラメント (CFRP) とガラス繊維強化プラ
ワインディング スチック(GFRP)を樹脂ライナに
巻きつける。
熱風をあてることで、
硬化
CFRP・GFRP を硬化させる。

気密性・耐圧強度
検査
などを検査する。

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