燃費対応エンジン軸受の採用について

平成 29 年 12 月 5 日
各 位
会 社 名 大同メタル工業株式会社
代表者名 代表取締役会長兼最高経営責任者
判 治 誠 吾
(コード番号:7245 東証第1部・名証第1部)
問合せ先 常務執行役員
経営・財務企画ユニット長
小 暮 圭 一
(TEL: 052-205-1400)




燃費対応エンジン軸受の採用について

当社は、日産自動車株式会社(代表取締役社長兼最高経営責任者:西川廣人)より、2018年量産開始
予定の可変圧縮比技術を搭載したVC-Tエンジンについて、エンジン用軸受一式を受注いたしましたので、
下記のとおりお知らせいたします。
VC-T エンジンは、燃費低減に優れ、高い動力性能を持ち、熱効率はガソリンエンジンでは最高水準と
なる約 40%にまで達します。
当社は今後も、内燃機関のさらなる熱効率向上の取り組みに対し対応出来るよう、軸受技術開発を進
め、燃費低減、CO2 削減等の地球環境問題に貢献してまいります。





当社は、日産自動車より 2018 年量産開始予定の可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)技
術を搭載した VC-T(Variable Compression - Turbocharged)エンジンについて、主軸受、大小端軸受
に加え、可変機構の各種リンク部分の軸受も含めたエンジン用軸受一式を受注いたしました。


VC-T エンジンは、エンジンの主運動系にマルチリンク機構を採用し、運転シーンに応じて圧縮比を変
化させることで、燃費低減と高い動力性能を実現することが出来ます。


このマルチリンク機構は、ピストンとクランクシャフトをつなぐ従来のコネクティングロッドに代わ
って、3 つのリンクから構成されるマルチリンク(U リンク、L リンク、C リンク)をモーターで駆動
し、ピストンの上下する位置を制御することで、圧縮比を無段階に変化させることが出来ます。


既存の同クラスエンジン(2L、直列 4 気筒)の圧縮比は 11.2 で固定されているのに対し、VC-T エンジ
ンでは、燃費性能を確保したい低負荷域では圧縮比 14、高出力を必要とする高負荷領域では圧縮比 8 等
の様に無段階にコントロールすることが可能であり、従来相反すると考えられてきた要求を一つのエン
ジンで実現しました。熱効率はガソリンエンジンでは最高水準となる約 40%にまで達します。
図1. VCR可変機構の概要


エンジンケース内にリンク構造一式を収めるため、各部品寸法、形状が制約され、軸受に掛かる負
荷、潤滑状況とも厳しくなりましたが、当社独自開発の鉛フリー材料を適用し、さらに、一部の部品に
おいては軸受形状も工夫する事で、総合的に十分な耐久信頼性を確保することに成功しました。


また、VC-T エンジンに使用される軸受の個数は、VCR 技術を持たない既存の同クラスエンジン(2L、
直列4気筒)に比べ2 倍以上であり、月産約100 万個にもなることが見込まれます。




BUSH U‐LINK.UPR BUSH U-LINK.LWR



BRG L-LINK
BRG-MAIN


BUSH C-LINK

BRG C/SFT



BRG C-LINK



図2.軸受の使用箇所


今回受注した軸受の生産は既に量産開始しており、生産拠点も順次グローバル展開してまいります。


以 上

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