V-Cell(r)開発成果が光学分野における世界トップジャーナル「Optics Express」に掲載のお知らせ

2021 年 12 月 21 日
各 位
会 社 名 株式会社多摩川ホールディングス
代表者名 代表取締役社長 桝沢 徹
(JASDAQ・コード6838)
問合せ先 経営企画部 山内 加奈
電話番号 03-6435-6933


V-Cell®開発成果が光学分野における
世界トップジャーナル「Optics Express」に掲載のお知らせ



この度、小型原子時計向けのガスセル開発(ガスセル商標登録申請名:V-Cell)の成果が、光学分野で世
界トップジャーナルとして知られている学術誌 Optics Express にて査読審査を通過し、掲載されました。
著名な国際論文誌掲載を通じて、弊社の技術力の PR とガスセル販売事業の国際展開を推進させ、さら
なる低エネルギーで高効率な新しいデジタル社会の実現をめざします。





1.概要
現在、Society5.0 や Post COVID-19 の世界を見据え、社会や産業の
デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、人やモノを接
点とする膨大なデータをつなぐ基盤である通信・エネルギーインフラ
には更なる開発が期待されております。2021 年 9 月 10 日付「あたら
しい小型原子時計のガスセルの作製成功と販売に関するお知らせ ~
超高精度磁気センサからジャイロセンサまで新規市場参入へ~」にて
図 1 開発したガスセルの写真。
公表しておりましたとおり、小型原子時計の性能を大きく支配する重
Optics Express にも掲載されている。
要な構成部品のガスセルを小型かつ低コストに製造する方法(特許出
願中)の実証に成功いたしました(右図参照)。


その成果に関する論文が、国際学術誌「Optics Express」にて査読審査を通過し、掲載されました。弊社
で共同研究開発を進めております東北大学工学研究科・小野崇人教授と、東北大学マイクロシステム融合
研究開発センター・古屋泰文学術研究員(元東北大学特任教授、弘前大学名誉教授)との共著になります。
今回、開発した成果を査読付きの国際学術誌に掲載することで、弊社の技術力の PR とガスセル販売事業
の国際展開も視野に入れた展開をめざします。
2.論文誌掲載情報
学術誌名 Optics Express
刊行番号 Vol. 29, Issue 26, pp. 44316-44321 (2021)
論文タイトル Micro-fabricated vapor cells with sealed Rb atoms by distillation at wafer level and two-step
bonding for miniature atomic clocks
掲載 URL https://doi.org/10.1364/OE.442859
学術誌 URL https://www.osapublishing.org/oe/home.cfm


3.用語の説明
◆MEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)
スマートフォン、自動車、ゲーム機等で使われるセンサから、プロジェクターで光を制御するミラーデ
バイス、イヤホンの超小型マイクまで、幅広く多岐にわたる製品を支える必要不可欠な超小型電子機器。
主要部分は半導体製造技術を応用しており、立体形状や可動構造を形成する機構も作製することができる。


◆小型原子時計
人工衛星等や通信基地局に搭載されている超高性能な時計で、一般的な水晶振動子を用いた時計より高
精度な位置情報や時刻の情報を得ることができる。近年、スマートフォンや自動車等の移動体通信機器に
搭載することで、高精度なナビゲーションや高速大容量通信をすることが期待されている。


◆ガスセル
アルカリ原子を封入したガラス容器で、小型原子時計、磁気センサ、ジャイロセンサ等に応用される。
多くは、レーザー光を用いた光量子現象に利用され、近年、MEMS 技術を用いた小型なものが主流になり
つつある。図2には応用先の概要図を示した。




図2 ガスセルの応用先の概要図
小型原子時計では現在も広く利用されている。磁気センサでは、超高精度化が実現できるため脳波
計などに応用される。ジャイロセンサでも超高精度化が実現でき、自動運転システムのためのスリ
ップ防止のセンサとして期待されている。ガス計測等の分光器では光の波長の基準にガスセルが用
いられており、新たな市場として期待されている。



今後も、当社は SDGs (Sustainable Development Goals) を念頭とした、
「通信」「エネルギー」分野での

ソリューションを提供し、「脱炭素社会」の実現に貢献して参ります。
以上

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