ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査「CMNRメディカル」第14回調査結果

株式会社インターネットインフィニティー
News (コード番号:6545 東証マザーズ)


Release 〒141-0032 東京都品川区大崎 1-11-2

https://iif.jp
ゲートシティ大崎イーストタワー4 階



2020 年 7 月 22 日



新型コロナ流行地で高齢者が服薬を中断した TOP5 は
①生活習慣病、②認知症、③痛み、④心の病気、⑤睡眠の問題
―ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNR メディカル』第 14 回―

全国のケアマネジャー9 万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」
( https://www.caremanagement.jp/ ) 、 全 国 に リ ハ ビ リ 型 デ イ サ ー ビ ス 「 レ コ ー ド ブ ッ ク 」
(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運
営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、ケアマ
ネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNR メディカル』にて新型コロナウイルスの影響
に関するアンケートを実施しました。



■調査概要
調査名:CMNR メディカル(第 14 回) 「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」
期間:2020 年 7 月 3 日~2020 年 7 月 7 日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所、または地域包括支
援センターに勤務)
調査サンプル数:759 名
調査方法:WEB アンケート



■調査結果(サマリー)
新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的に医療機関への受診控えが問題になっています。特に高齢者は重症化
のリスクが高いと言われており、医療機関での感染リスクを忌避して受診を控える傾向にあります。実際に、以前弊社が実
施したケアマネジャー向けの調査(https://ssl4.eir-parts.net/doc/6545/tdnet/1832996/00.pdf)では、約
7 割のケアマネジャーが要介護高齢者の受診回数(頻度)が減った/やや減ったと回答しました。


しかし、要介護高齢者は定期的な受診と治療継続を必要とする方がほとんどであり、受診控えによる服薬の自己中断や
アドヒアランス低下が懸念されます。そこで本調査では全国のケアマネジャーを対象に、服薬を自己中断した利用者やその
疾患などについてアンケートを実施し、感染が拡大する地域(東京都、7 都府県)とそうでない地域に分けて解析を行い
ました。
その結果、感染が拡大している地域ほど服薬を自己中断している利用者が多く、その疾患・症状としては生活習慣病や
認知症、痛みの問題、心の病気、睡眠の問題などが多いことが分かりました。特に自覚症状に乏しい生活習慣病では、
非流行地域と比較して東京都では 3.9 倍の服薬中断が起きていました。今後の感染拡大に伴い、アドヒアランス低下に
よって健康を損ねる高齢者が増えることが懸念されます。


一方、ケアマネジャーはこの事態に対し、利用者や家族への受診勧奨に加え、かかりつけ医師への情報提供、看護師や
薬剤師への声かけ依頼を増やしている傾向にありました。感染を恐れて受診しない要介護高齢者に対して、定期的に接
する機会のあるケアマネジャーが服薬継続の重要性を訴え、電話受診・オンライン診療などの代替案を示していくことは、
社会的に非常に大きな意義があると考えられます。



■調査結果
Q. 新型コロナウイルス感染症の影響で、服薬を自己中断した利用者はいますか?


服薬を自己中断した利用者を担当している
ケアマネジャーの割合
20 (%)




12.8 %
9.8 %


約4倍
5 3.2 %


その他の地域 7都府県 東京都

本調査で、「新型コロナウイルス感染症の影響で服薬を自己中断した利用者」を担当しているケアマネジャーは全体で
6.5%であることが分かりました。
回答者を、感染拡大の影響が最も強いと思われる「東京都」と、4 月 7 日に緊急事態宣言が発令された「7都府県
(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県)」、「その他の地域」の 3 グループに分けて比較し
たところ、「東京都」では「その他の地域」の約 4 倍になっていることが分かりました。


服薬を中断する理由としては、多くのケアマネジャーが「受診できないことによる薬切れ」を挙げていました。
Q.利用者が服薬を中断した疾患や症状は何ですか?


服薬を中断した疾患や症状
10 (%)
9 ※中断した利用者を担当する
8 ケアマネジャーの割合












緑内障など目の病気
認知症




喘息など呼吸器の病気
生活習慣病(糖尿病、
高血圧、脂質異常症)




痛みの問題

精神病など心の病気

睡眠の問題




パーキンソン病など


心臓・血管の病気

排泄の問題
脳神経の病気
その他の地域 7都府県 東京都

「東京都」のケアマネジャーに「新型コロナウイルスの影響で服薬を中断した疾患」を尋ねたところ、最も多い回答は「生活
習慣病」(9.3%)、次いで「認知症」(7.0%)、「痛みの問題」(4.7%)、「心の病気」「睡眠の問題」(同 3.5%)
となりました。
さらに、「その他の地域」と「東京都」の回答を比較すると、東京都では「睡眠の問題」「喘息」(同 4.4 倍)、「生活習慣
病」(3.9 倍)、「痛みの問題」(2.5 倍)、「認知症」(2.2 倍)となっていることが分かりました。これらの疾患や症状
は新型コロナウイルス感染症流行によって服薬を中断しやすいと言えそうです。
Q.利用者が受診できなくなった疾患や症状はありますか?


受診できなくなった疾患や症状
60 (%)
※受診できなくなった利用者を
50 担当するケアマネジャーの割合



















ない
白内障・緑内障など




その他
睡眠の問題



パーキンソン病など
生活習慣病(糖尿病、
高血圧、脂質異常症)
認知症

痛みの問題

精神病など心の病気




呼吸器の病気



心臓・血管の病気

排泄の問題


関節・脊椎の病気



歯周病など歯の病気

予防接種
喘息など




リウマチなど
脳神経の病気




目の病気
その他の地域 7都府県 東京都

「新型コロナウイルス感染症の影響によって受診できなくなった疾患」を問うた質問では、「東京都」のケアマネジャーの
59.3%が「ある」と回答しました。このうち最も多かった回答は、「生活習慣病」( 27.9%)、次いで「認知症」
(23.3%)、「歯の病気」(19.8%)となりました。また、「その他の地域」と「東京都」の回答で差が大きいものとしては、
「関節・脊椎の病気」(3.2 倍)、「目の病気」(2.6 倍)でした。


ここまでの結果から、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて、受診控えや服薬の自己中断を起こしやすい疾患・
症状があることが明らかになりました。しかし、これらは本来治療が必要な疾患・症状の悪化をもたらす恐れがあります。感
染予防に注意を払う一方で、必要な治療は絶やさないよう、周囲の医療スタッフや介護スタッフが連携して高齢者をサポ
ートすることが求められます。
Q. 利用者の手持ちの薬が切れるのを防ぐために働きかけたことはありますか?


手持ちの薬が切れるのを防ぐために
働きかけたこと
80 (%) ※回答したケアマネジャーの割合








かかりつけ医へ



看護師への声掛



薬剤師への声掛



介護スタッフへ



その他



ない
本人への声掛け



家族への声掛け




の声掛け依頼
の情報提供




け依頼
け依頼


その他の地域 7都府県 東京都

「利用者の手持ちの薬が切れるのを防ぐために、あなたが働きかけたことはありますか?」という質問に「ある」と回答したケア
マネジャーは 87.4%にのぼり、ほとんどのケアマネジャーが利用者の服薬継続のために何らかの働きかけを行っていることが
分かりました。
さらに、積極的に医療スタッフと連携を図るケアマネジャーが増えていることも示唆されました。実際に「その他の地域」と比
較して「東京都」では「看護師への声掛け依頼」(3.3 倍)、「薬剤師への声掛け依頼」(2.5 倍)、「かかりつけ医への
情報提供」(1.7 倍)が高い値を示しています。
Q.利用者に実際に受診勧奨した疾患や症状はありますか?




受診勧奨した疾患や症状
35 (%)
※受診勧奨したケアマネジャーの割合

















白内障・緑内障など




予防接種

その他
パーキンソン病など
呼吸器の病気
認知症

痛みの問題




睡眠の問題




排泄の問題
生活習慣病(糖尿病、
高血圧、脂質異常症)




精神病など心の病気




心臓・血管の病気




関節・脊椎の病気



歯周病など歯の病気
喘息など




リウマチなど
脳神経の病気




目の病気
その他の地域 7都府県 東京都

「今年の 2 月以降、実際に受診勧奨した疾患」を尋ねたところ、「東京都」では「認知症」(29.1%)、「心の病気」
(27.9%)の受診を勧めるケアマネジャーが多くみられました。これは高齢者の外出機会が減り、社会的に孤立し、認
知機能や心の健康が保たれにくくなっていることを懸念しての動きかもしれません。
また、「その他の地域」に対する「東京都」の比率に着目すると、「睡眠の問題」(3.9 倍)、「目の病気」(3.3 倍)、
「排泄の問題」(2.2 倍)、「心の病気」(1.9 倍)、「痛みの問題」(1.8 倍)が高い値を示しました。


このように、新型コロナウイルス感染症の影響で高齢者が服薬を自己中断したり、受診できなくなったりする状況が増えて
いるなかで、医療スタッフと連携して服薬の継続や受診ができるように働きかけるケアマネジャーが増えていることが分かりま
した。


この理由として、要介護高齢者の予後を心配したケアマネジャーが自主的に対応するようになっていることが考えられます。
というのも、本調査によると、ケアマネジャーは「外出自粛ムードが 1 年続くと、要介護度が平均 3 倍速く上がる」という印
象を持っています。ケアマネジャーは、要介護度の悪化をできる限り防ぎ、その人らしい生活を送ってもらうことが使命であり、
今回の新型コロナウイルス感染症の流行による要介護度悪化のリスクを敏感に感じ取っているようです。高齢者やその家
族にとって身近な存在であるケアマネジャーこそ、医療と介護の連携により、服薬を継続する支援ができるキーパーソンであ
ると考えられます。
※具体的な項目や結果は調査レポートに記載しています。



■調査レポート販売のご案内
本調査結果を、詳細レポートとして 7 月 22 日より販売いたします。
上記掲載以外にも、
・ケアマネジャーによる、高齢者の受診・服薬の把握状況
・ケアマネジャーが、外出自粛ムードの中でも高齢者に受診してほしいと思っている疾患
・感染流行の影響で受診できなかった高齢者の割合
・高齢者が服薬を自己中断しないためにケアマネジャーが働きかけていること
・新型コロナウイルス感染症影響下におけるオンライン診療や電話診療への期待度
・新型コロナウイルス感染症影響下における受診と往診の勧めやすさの違い
・薬剤師との連携による高齢者のアドヒアランス改善への期待度
等の内容が、収載されています。


※医薬品マーケティングご担当者様※
本調査レポートの内容、価格等につきましては、下記窓口までお問い合わせください。


■お問い合わせ窓口■
株式会社インターネットインフィニティー Web ソリューション部(担当:酒井)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL: ssakai@iif.jp


■CMNR メディカルについて■
『CMNR(CareManager Network Research)メディカル』は、医療と介護連携のキーマンであるケアマネジャーをパ
ネルとした調査サービスです。複数の医療機関を受診することが多い要介護・要支援高齢患者の処方薬や、服薬管理
状況など、医師や薬剤師をパネルとした調査ではなかなか把握しにくい医薬品使用の実態を調査できます。
専門サイト「ケアマネジメント・オンライン」に登録する、日本のケアマネジャー20 万人のうち 5 割に相当する 9 万人のネット
ワークを『CMNR メディカル』では活用しています。
※ケアマネジャー(介護支援専門員)は、適切な介護サービスを受けられるように高齢者とその家族の支援をしており、
医療と介護の連携の要を担っています。


■調査のご依頼について■
「ケアマネジメント・オンライン」では、『CMNR メディカル』をはじめ、ケアマネジャーを対象にした様々な調査を常時行い、企
業やメディア、行政などにお届けしています。今後調査を実施してほしい疾患や医薬品のリクエスト等ございましたら、下記
窓口までお気軽にお問い合わせください。


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