ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査「CMNRメディカル」第13回調査結果

株式会社インターネットインフィニティー
News (コード番号:6545 東証マザーズ)


Release 〒141-0032 東京都品川区大崎 1-11-2

https://iif.jp
ゲートシティ大崎イーストタワー4 階



2020 年 6 月 30 日



「難聴は認知症の発症リスク」と知っているケアマネジャーほど
高齢者の「聞こえの改善」に積極的
―ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNR メディカル』第 13 回―

全国のケアマネジャー9 万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」
( https://www.caremanagement.jp/ ) 、 全 国 に リ ハ ビ リ 型 デ イ サ ー ビ ス 「 レ コ ー ド ブ ッ ク 」
(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運
営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、ケアマ
ネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNR メディカル』にて難聴に関するアンケートを
実施しました。



■調査概要
調査名:CMNR メディカル(第 13 回) 「難聴に関するアンケート」
期間:2020 年 3 月 29 日~2020 年 4 月 6 日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所、または地域包括支
援センターに勤務)
調査サンプル数:613 名
調査方法:WEB アンケート



■調査結果(サマリー)
難聴は、高齢者が患いやすい疾患の一つです。しかし、加齢に伴う難聴は徐々に聴力が低下していくためはっきりと自覚
しにくく、対応が遅れてしまいがちな疾患でもあります。難聴を放置すると認知機能が低下しやすくなると言われています。
1)
予防・対策できる認知症リスクのうち、難聴の占める割合は多いとされており 、認知機能を保つという観点からも難聴の
予防や治療は重要です。


本調査では、ケアマネジャーが担当する「聞こえに問題がある利用者」の 2 人に 1 人が耳鼻科を受診できていない実態が
明らかになりました。また、認知症予防に最も影響がある事柄として「難聴」を挙げるケアマネジャーは受診勧奨率が高いこ
とが分かり、「必ず受診勧奨している」割合は、そうでないケアマネジャーの 3.5 倍でした。高齢者やその家族にとって身近
な存在であるケアマネジャーだからこそ、難聴についての正しい知識を得ることで、高齢者の聞こえの改善と認知症を予防
する上で、より重要な役割を担うことができるようになると考えられます。
1) Dementia Prevention, Intervention, and Care. Lancet 2017, 16;390(10113):2673-2734
■調査結果
Q. 現在担当している利用者のうち、あなたが聞こえに問題があると感じている利用者は何人ですか?
Q. 聞こえに問題があると感じている利用者の、耳鼻科の受診状況を教えてください。(受診していない利用者)
聞こえに問題がある利用者 6.1人

聞こえに問題があるが

耳鼻科を受診していない利用者 3.3人

本調査では、「聞こえに問題がある利用者」はケアマネジャー一人当たり 6.1 人おり、そのうち耳鼻科を受診していない利
用者は平均 3.3 人いました。聞こえに問題がある利用者の 2 人に 1 人は耳鼻科を受診していないことが明らかになりま
した。


Q. 聞こえに問題がある利用者が、補聴器などを使用せずその状態を放置することは問題だと思いますか?

全く思わない
1%
あまり思わない
8%
とても思う
26%


どちらでもない
23%
少し思う
42%

とても思う 少し思う どちらでもない
あまり思わない 全く思わない
「聞こえに問題がある利用者が、補聴器などを使用せずその状態を放置することは問題だと思いますか?」という質問に対
しては、「とても思う」「少し思う」を合わせると 67.9%が問題だと思うと回答しており、未受診の利用者がいる状況に問題
意識を持っているケアマネジャーは多いことが分かりました。
Q. 以下のうち、認知症の予防に最も影響がある事柄は何だと思いますか?(影響があると思う順に 3 つ選択してく
ださい。)
















1位 2位 3位

「認知症の予防に最も影響がある事柄は何だと思いますか?」という質問に対し、最も多かった回答は「社会的孤立」
42.4%、次いで「難聴」17.5%、「骨折」13.4%でした。
全体の 61.0%のケアマネジャーが「難聴」を 3 位以内に選択しました。


この「認知症予防に最も影響がある事柄」に関する質問に対して、【難聴を 1 位に選択したケアマネジャー(以下:選択
したケアマネジャー)】と【難聴を選択しなかったケアマネジャー(以下:選択しなかったケアマネジャー)】を比較すると、選
択したケアマネジャーの方が、受診勧奨や補聴器着用のための周囲への呼びかけに行動的であることが分かりました。


Q. 今までに担当した「聞こえに問題がある利用者」のうち、何割に受診勧奨していると思いますか?【「10 割に(必
ず)受診勧奨している」と回答したケアマネジャーの割合】

20%


15% 13.1%

10%


5% 3.8%


0%
1位に難聴を選択 難聴を選択していない

「今までに担当した「聞こえに問題がある利用者」のうち、何割に受診勧奨していると思いますか?」という質問に対して、
選択したケアマネジャーでは 13.1%が必ず受診勧奨すると回答しており、選択しなかったケアマネジャー(3.8%)の 3.5
倍でした。
Q. 補聴器を使い始めた利用者がいる場合、利用者の家族や介護スタッフに対して、日頃の補聴器の着用状況に
注意して見てもらうように呼びかけますか?


0% 20% 40% 60% 80% 100%



1位に難聴を選択




難聴を選択していない




必ず呼びかけている ほとんど呼びかけている ときどき呼びかけている
あまり呼びかけていない 全く呼びかけていない

「補聴器を使い始めた利用者がいる場合、利用者の家族や介護スタッフに対して、日頃の補聴器の着用状況に注意し
て見てもらうように呼びかけますか?」という質問に対して、選択したケアマネジャーは 36.4%が「必ず呼びかけている」と回
答しており、選択しなかったケアマネジャー(23.4%)の 1.6 倍でした。


難聴は認知症の発症リスクであると思っているケアマネジャーほど、受診勧奨に積極的であり、補聴器の着用継続のため
に周囲に働きかけていることが分かりました。難聴についての正しい知識が身につけば、難聴治療に積極的なケアマネジャ
ーが増えると考えられます。


Q. 補聴器を使用した方がいいと思っているが、利用者には勧めづらいという状況はありますか?

全くない
4% よくある
22%
あまりない
21%



ときどきある
53%


よくある ときどきある あまりない 全くない

一方で「補聴器を使用した方がいいと思っているが、利用者には勧めづらいという状況はありますか?」という質問には、「よ
くある」「ときどきある」を合わせると 75.2%が勧めづらい状況があると回答しており、聞こえの悪さを放置することに問題意
識があるケアマネジャーの大半は補聴器の使用を勧めづらいと感じているようです。
Q. 勧めづらいと感じる理由は何ですか?

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 (%)


補聴器は高価だから

補聴器を使用したが
合わなかった利用者がいたから

効果が期待できるかわからないから

あなたが補聴器の性能の
良し悪しを十分に知らないから
聞こえに問題があることを伝えると
利用者が傷つくと思ったから

年寄扱いしたと感じると思うから


その他


補聴器の使用を勧めづらいと感じる理由として最も多かった回答は「高価だから」80.7%、次いで「補聴器を使用したが
合わなかった利用者がいたから」56.2%、「効果が期待できるか分からないから」45.5%でした。
価格の高さなどを背景に、補聴器を勧めることに対してはためらいを感じているケアマネジャーが多いようです。補聴器の使
い方や効果についての正しい知識を啓発し、補聴器の価値についての理解を広めることが望まれます。


約 7 割のケアマネジャーが高齢者の難聴に問題意識を持っており、「難聴は認知症の発症リスクである」と知っていれば受
診勧奨をする傾向にあることが分かりました。難聴についての正しい知識を啓発することにより、ケアマネジャーからの勧めで
耳鼻科の受診率を向上させられると考えられます。
補聴器の使用で聞こえ方が改善した高齢者の実例としては、「受診の際、医師の言葉を直接聞くことによって服薬コンプ
ライアンスが向上した」「要介護 4 が要介護2になり、有料老人ホームに入居出来た」「認知症と思われていたのが聞こえ
ていないだけだった」「若い時に始めた人は良いが、年を取ってからだと宝の持ち腐れになっている」「悪口を言われているとい
う誤解が解けて穏和になった」などの声が寄せられており、聞こえ方の改善が実際に良い変化をもたらしていることも分かり
ました。
新型コロナ感染対策のための外出制限で高齢者の認知機能低下が懸念されており、今後もこの状況が続くことが予想さ
れています。介入できる認知症予防対策の一つとして、ケアマネジャーからの働きかけによる要介護高齢者の聞こえ方の
改善が有効だと考えられます。




※具体的な項目や結果は調査レポートに記載しています。
■調査レポート販売のご案内
本調査結果を、詳細レポートとして 6 月 30 日より販売いたします。
上記掲載以外にも、
・ケアマネジャーによる「聞こえに問題がある利用者」への受診勧奨率
・受診勧奨した利用者の受診率
・補聴器を勧めているケアマネジャーの割合
・補聴器の使用を中断した利用者の割合
・補聴器の使用を中断した理由
・受診時の医療機関への情報提供
等の内容が、収載されています。


※医薬品マーケティングご担当者様※
本調査レポートの内容、価格等につきましては、下記窓口までお問い合わせください。


■お問い合わせ窓口■
株式会社インターネットインフィニティー Web ソリューション部(担当:酒井)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL: ssakai@iif.jp


■CMNR メディカルについて■
『CMNR(CareManager Network Research)メディカル』は、医療と介護連携のキーマンであるケアマネジャーをパ
ネルとした調査サービスです。複数の医療機関を受診することが多い要介護・要支援高齢患者の処方薬や、服薬管理
状況など、医師や薬剤師をパネルとした調査ではなかなか把握しにくい医薬品使用の実態を調査できます。
専門サイト「ケアマネジメント・オンライン」に登録する、日本のケアマネジャー20 万人のうち 5 割に相当する 9 万人のネット
ワークを『CMNR メディカル』では活用しています。
※ケアマネジャー(介護支援専門員)は、適切な介護サービスを受けられるように高齢者とその家族の支援をしており、
医療と介護の連携の要を担っています。


■調査のご依頼について■
「ケアマネジメント・オンライン」では、『CMNR メディカル』をはじめ、ケアマネジャーを対象にした様々な調査を常時行い、企
業やメディア、行政などにお届けしています。今後調査を実施してほしい疾患や医薬品のリクエスト等ございましたら、下記
窓口までお気軽にお問い合わせください。


■記事引用時のお願い■
・「ケアマネジメント・オンライン」調べ、と明記ください。
・WEB 上での引用に際しましては、「ケアマネジメント・オンライン」に https://www.caremanagement.jp/へのリンク
付与をお願いいたします。
■■■ニュースリリース及びサービスに関するお問合せ先■■■
株式会社インターネットインフィニティー Web ソリューション部(担当:酒井)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL: ssakai@iif.jp
■■■その他 IR に関するお問合せ先■■■
株式会社インターネットインフィニティー IR 担当
TEL:03-6779-4777 MAIL: ir@iif.jp

15505