ため池の耐震化工事で「インプラント堤防」が採用

News Release GKN19NW011JA

2019 年 6 月 12 日



ため池の耐震化工事で「インプラント堤防®」が採用

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)のグループ企業である株式
会社技研施工(本社:高知市、代表取締役社長:大平厚)は、高知県室戸市のため池「黒茂谷
池(くろもだにいけ)」においてインプラント堤防(鋼矢板二重締切)による補強工事を行い、
6 月下旬の完成に向け工事が進められています。

農業用水を確保するため人工的に造成された「ため池」は、全国に約 20 万箇所存在しま
す。その多くは江戸時代かそれ以前に築造されたもので、昨年の西日本豪雨をはじめ、近年
の大中規模地震やゲリラ豪雨等により、各地で多くのため池が決壊し甚大な被害が生じま
した。老朽化したため池による災害リスクが高まる中、当社グループの推進する「インプ
ラント堤防」がため池の堤体補強工事に採用され工事が進んでいます。

高知県室戸市の「黒茂谷池」も江戸時代に築造されたため池で、経年変化による石積みの
変形等から地震による堤体決壊が懸念されていました。本工事では硬質地盤圧入機「サイレ
ントパイラーF201」により、既存の堤体内に長さ 5.0m~14.0m の鋼矢板を連続して 2 列
圧入し、粘り強い「インプラント堤防」を短期間で構築、地震による堤体の決壊を防ぎます。
これまで防潮堤や河川堤防の耐震化で培ってきた技術を応用したもので、高知県のため池
での施工事例は 3 例目となります。

農林水産省では、決壊した場合に人的被害を与える恐れのある全国のため池約 1.1 万箇
所を「防災重点ため池」として認定、昨年の豪雨災害を踏まえ、新たな選定基準を設定し
て再選定を進めています。政府は 2018 年度第 2 次補正予算と 2019 年度予算で、優先度の
高い「防災重点ため池」約 1,000 箇所の緊急対策に合計 1,022 億円を計上するとともに、
今年の 4 月には農業用ため池への自治体の管理権限を強化する「農業用ため池の管理及び保
全に関する法律」が公布されており、今後「防災重点ため池」の対策強化が全国で加速する
見通しとなっています。
■標準断面図
当社グループでは、今回の実績を基
に全国の自治体等への提案を強化し、
災害から人命と財産を守る「インプラ
ント堤防」のさらなる採用拡大を図っ
ていきます。
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施工前




圧入施工中




■ 工事概要
 工事名 :地域ため第 5241-904 号
西山 2 期地区地域ため池総合整備 黒茂谷池堤体工事
 工事場所 :高知県室戸市吉良川町
 発注者 :高知県安芸農業振興センター
 元請業者 :四国開発株式会社
 施工者 :株式会社技研施工
 工事内容 :硬質地盤クリア工法
 圧入杭材 :Ⅲw 型鋼矢板 L=5.5m~14.0m 53 枚
Ⅳw 型鋼矢板 L=5.0m~14.0m 62 枚 /合計 115 枚
 全体工期 :2018 年 11 月~2019 年 6 月
 圧入工期 :2019 年 3 月~4 月



お問い合わせ先

株式会社 技研製作所 経営戦略部 情報企画課
TEL: 088-846-6783(平日 8:00~17:00) E-mail: info_plan@giken.com
【高知本社】高知県高知市布師田 3948 番地 1

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