プラスチックごみ問題に対応する亜臨界融合技術・装置の導入に関するお知らせ

各 位 2019年7月2日

会 社 名 株式会社エンビプロ・ホールディングス
代表者名 代表取締役社長 佐 野 富 和
(コード番号:5698 東証第一部)
問合せ先 執行役員 経営企画部長 竹 川 直 希
(TEL. 0544-58-0521)


プラスチックごみ問題に対応する亜臨界融合技術・装置の導入に関するお知らせ

~プラスチック使用量を大幅に削減し、廃棄物を活用したプラスチック製品を製造~

当グループの株式会社エコネコル(本社:静岡県富士宮市、代表取締役社長 佐野文勝、以下「エコネコ
ル」)は、愛知県一宮市に「亜臨界融合技術・装置」を導入した新工場を開設しました。

亜臨界融合技術・装置を導入した同工場の開設によりエコネコルは、通常であれば廃棄される「バイオマス
(木質系、竹)」「プラスチックごみ」「廃棄野菜」「住宅解体廃材」などの廃棄物や、リサイクル炭素繊維
などの高難易度処理廃物を活用した高充填樹脂複合材原料を製造することが可能になります。

この高充填樹脂複合材原料は、プラスチックの使用量を通常のプラスチック製品の15%~30%におさえて製
造することができます。

また使用するプラスチックも、当グループの株式会社プラ2プラ(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長
佐野文勝、以下「プラ2プラ」)が製造する自動車解体廃材回収樹脂や廃棄プラスチック再生品を用いること
ができるため、限りある資源の有効活用と、海洋プラスチック汚染問題などプラスチックに由来する環境問題
の軽減に貢献することが可能となります。

今後当グループはこれらの事業を、株式会社エムアンドエフ・テクノロジー(本社:愛知県愛知郡、代表取
締役 森本正親、以下「エムアンドエフ・テクノロジー」)から技術・プロセスサポートを、エコノロジーブ
レイン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 増田信次)からアプリケーション開発(用途開発)と
マーケティングのサポートを受け、新商品の開発ならびに、パートナー企業との連携による新たなサーキュ
ラーエコノミー バリューチェーンを構築していきます。


■亜臨界融合技術・装置の特長

亜臨界融合とは、物理的なエネルギーで物質同士を衝突させ、装置内部に高温・高圧環境を作り、亜臨界状
態の飽和水蒸気の強力な溶解力を使って、これまで混ぜることが困難だったもの同士を融合させることができ
ます。

当グループが導入したエムアンドエフ・テクノロジーの亜臨界融合技術・装置の特長は以下のとおりです。
【処理困難廃材の有効利用が可能】

これまで石膏ボードやアルミ蒸着材等の廃棄物はリサイクルを行うことが困難な未活用資源でした。

今回エコネコルが導入した亜臨界融合技術・装置は生分解樹脂を含むほとんど全ての汎用樹脂(PA6、
PA11、PA66、PLA、PET、PP、PC、PEEK、ABS、PBT、PPS)と廃棄物を融合させた樹脂複合材原料の製
造が可能なため、限りある資源の有効活用に貢献することができます。

【圧着材や分散材を使わないバイオマス由来充填物樹脂原料の製造が可能】

木粉や竹、廃棄野菜等と樹脂を融合させるバイオマス由来充填物樹脂原料についても、一切圧着剤や分散
剤、ケミカルを使わずに充填率を85%(Wt)まで高めた、プラスチックをほとんど使わない環境負荷も少ない
樹脂原料を製造することが可能です。ケミカルを使わないため余分なガスが発生せず、成形機、金型を傷める
こともありません。

また流動性が高く分散性の良い材料を作れるため、射出成形が可能で細やかなデザインが実現できます。




【生分解性樹脂・セルロースナノファイバー・リサイクル炭素繊維も融合が可能】

本技術・装置では、熱に弱く混ざりにくかった生分解性樹脂やセルロースナノファイバーも、短時間で瞬時
に融合することができます。

リサイクル炭素繊維は航空機、水素タンク圧力容器、自動車等に使われはじめていますが、熱分解回収され
た炭素繊維は表面サイジング剤が除去され、PPなどの熱可塑性樹脂との複合化には多くの表面処理剤が必要
でした。本技術・装置は複数の融点の違う樹脂も表面処理剤無しで融合させることができ、新しい繊維強化複
合材原料としての展開が期待できます。

【二酸化炭素の発生を抑制】

本技術・装置は従来の混錬技術とは異なり、融合プロペラを高速回転させることにより物質同士を衝突させ
て温度と圧力を上げ、亜臨界状態で溶融融合させます。

モーター以外の動力を使わず、加熱や加圧などの外部エネルギーを必要としないため、二酸化炭素の発生を抑
制することができます。
■会社概要

(1) 名 称 株式会社エコネコル

(2) 所 在 地 静岡県富士宮市山宮3507番地の19

(3) 代 表 者 代表取締役社長 佐野 文勝

産業廃棄物のリサイクル(鉄・非鉄金属・廃プラスチック・廃家電・廃OA事務機

(4) 事 業 内 容 器・廃自動車 等)、プラント解体、自治体粗大ゴミ処理、リサイクル資源の輸出

(金属スクラップ・古紙・廃プラスチック 等)

(5) 資 本 金 4億3,500万円

(6) 設 立 年 月 日 1978年7月(創業1950年3月)

(7) 株 主 株式会社エンビプロ・ホールディングス


(1) 名 称 株式会社プラ2プラ

(2) 所 在 地 愛知県名古屋市港区昭和町14番地24

(3) 代 表 者 代表取締役社長 佐野 文勝

(4) 事 業 内 容 再生プラスチックの生産及び販売

(5) 資 本 金 4,000万円

(6) 設 立 年 月 日 2017年7月25日

(7) 株 主 株式会社エコネコル、進栄化成株式会社、株式会社アビヅ、マキウラ鋼業株式会社



■今後の見通し

本件に伴う、2019年6月期の業績に与える影響は軽微であります。今後、業績に与える影響が生じた場合
には、速やかにお知らせ致します。

以上

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