再生医療向け臨床用iPS細胞の作製サービスの開始について

2020 年 3 月 30 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 リ プ ロ セ ル
代表者名 代表 取 締役 社長 横山 周史
(コード番号:4978)
経 営 管 理 部
問合せ先 吉村 美旋律
シニアマネージャー
(TEL.045-475-3887)


再生医療向け臨床用iPS細胞の作製サービスの開始について



この度、再生医療向けの「臨床用 iPS 細胞」の作製サービスを新たに開始することになりましたので、お知
らせいたします。当社は、大学/製薬企業等で基礎研究または創薬研究の目的で使用される「研究用 iPS 細胞」
の作製サービスを行ってまいりましたが、これまでの技術や経験を活かし、「臨床用 iPS 細胞」の作製サービ
スを開始いたします。


当社は、日本、アメリカ、イギリスに研究開発拠点を有し、それぞれ豊富な経験を有する専門家が在籍して
おります。本サービスにおいては、顧客のニーズに基づき、各地域の規制に準じた臨床用 iPS 細胞をオーダー
メイドで作製いたします。本サービスにて作製される臨床用 iPS 細胞は、臨床応用および商業利用可能なイン
フォームドコンセントを取得しており、研究および臨床試験だけでなく、製造販売承認取得後の再生医療製品
の製造にも使用できます。


当社は、長年、最先端のリプログラミング技術である RNA 法(注1)の開発を行ってまいりました。RNA 法
では、リプログラミング因子である RNA が核内のゲノムに組み込まれないため、予期せぬゲノム変異や腫瘍
形成のリスクが低いという優位性があり、臨床応用に最適の技術と言えます。この RNA 法を使用することに
より、安全性のリスクを最小化した臨床用 iPS 細胞を作製いたします。


今後、日本、アメリカ、ヨーロッパ等の iPS 細胞の再生医療を手がける製薬企業、バイオベンチャー、およ
び大学等の公的研究機関を対象として、本サービスを幅広く展開してまいります。


当社では、現在、脊髄小脳変性症を対象とした体性幹細胞製品ステムカイマルの治験を国内で実施してお
り、また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および横断性脊髄炎を対象とした iPS 神経グリア細胞の研究開発を行
っております。本臨床用 iPS 細胞の作製サービスを、当社の再生医療の3本目の主力事業と位置づけており、
今後、グローバルで積極的に推進してまいります。
なお、本サービスの内容は当社 HP にも掲載しておりますので下記 URL をご覧ください。
https://reprocell.co.jp/regenerative_medicine





注1:RNA リプログラミング法




RNA リプログラミング法とは、リプログラミング因子として RNA を細胞に導入して iPS 細胞を作製する新
しい方法です。RNA は元々細胞内に多数存在しており、個人の遺伝情報が記録されている DNA を傷つける恐
れがない非常に安全な物質です。
細胞内に導入された RNA は、タンパク質を生成(翻訳という)することで、リプログラミング(iPS 細胞
化)を起こしますが、その後は速やかに分解され、細胞内に残ることはありません。また、RNA 法では、従来
のようにウイルスを使用しないことも大きな特徴です。
このように、RNA リプログラミング法では、予期せぬ遺伝子変異や腫瘍形成のリスクを最小化した、安全な
iPS 細胞を作製できます。



以上





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