腫瘍溶解性ウイルスCanerpaturev(C-REV)に関する東亜ST社(大韓民国)とのライセンス契約締結のお知らせ

NEWS RELEASE <http://www.takara-bio.co.jp>




2018年8月22日
TB18-0693


腫瘍溶解性ウイルス Canerpaturev(C-REV)に関する
東亜 ST 社(大韓民国)とのライセンス契約締結のお知らせ

タカラバイオ株式会社は、この度 Dong-A ST Co., Ltd.(本社:大韓民国ソ
ウル特別市、以下「東亜 ST」 )に対し、当社が商業化を進める腫瘍溶解性ウイ
ルス Canerpaturev(略称 C-REV、旧称 HF10)*に関し、大韓民国における独占
的開発および販売を許諾するライセンス契約を、2018 年8月 22 日付で締結し
ましたのでお知らせいたします。

本契約に基づき、東亜 ST は今後、大韓民国で C-REV の臨床開発を独占的に
進めます。また、製造販売承認の取得後は、C-REV を同国内で独占的に販売し
ます。一方、当社は C-REV の製造権を保持し、東亜 ST に対し、製剤を有償提
供します。

本契約締結に伴い、当社は東亜 ST より契約一時金および開発進捗に応じた
マイルストーン達成金を受領します。また、上市後は、東亜 ST に製剤を有償
で供給するほか、売上高目標達成金ならびにランニングロイヤリティーを受領
します。上記の契約一時金、および各達成金は合計で最大約 3 億円となりま
す。

当社では、腫瘍溶解性ウイルスや遺伝子改変T細胞療法などの遺伝子治療の
早期商業化に注力しており、国内外で開発を推進しています。特に、C-REVに
関しては、2018年度中に日本国内において、メラノーマを適応とした承認申請
を計画しています。なお、本契約による、当社の当期業績への影響は軽微で
す。


* 従来はHF10と記載していましたが、2018年3月に国際一般名がCanerpaturevと決まりま
した。
参考資料

1.東亜 ST 社の概要
企業名 Dong-A ST Co., Ltd
設立 2013 年 3 月 1 日
本社 ソウル特別市東大門千戸大路 64
CEO Daesik Eom(厳 大植)
従業員数 1,493 名(2018 年 3 月 31 日基準)
上場市場 韓国取引所・KOSPI
事業内容 医療用医薬品などの製造および販売、新薬開発


2.語句説明
腫瘍溶解性ウイルス
腫瘍溶解性ウイルスは、正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内において特異的
に増殖するウイルス(制限増殖型ウイルス)です。増殖によって直接的にがん細胞を破壊
し、さらにその際に放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染すること、また、破壊さ
れたがん細胞の断片ががんに対する宿主の免疫を活性化することで、投与部位以外のがん
も縮小することが期待されます。このようなウイルスは腫瘍溶解性ウイルス( oncolytic
virus)と呼ばれています。

Canerpaturev(C-REV)
Canerpaturev は単純ヘルペスウイルス 1 型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入する
ことによって顕著な抗腫瘍作用を示します。当社は、 2016 年 12 月に大塚製薬株式会社と
Canerpaturev に関し国内共同開発および独占販売契約を締結しました。
なお、Canerpaturev (旧称 HF10 の国際医薬品一般名)は、WHO(国際保健機構)の審査を
経て決定したものです。
(参照)WHO Drug Information, Vol.32, No.1, 2018

メラノーマ(悪性黒色腫)
悪性度が非常に高い、皮膚に発生するがんの一種で、悪性黒色腫とも呼ばれています。皮
膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞をメラノサイトと呼び、メラノーマ
はこのメラノサイトあるいは母斑細胞(ほくろの細胞)が悪性化した腫瘍と考えられてい
ます。

遺伝子改変T細胞療法
体内で免疫を司るT細胞に治療用遺伝子などを導入し、ターゲットとするがん細胞などを選択
的に認識して攻撃させ、治療する方法をいいます。

当資料取り扱い上の注意点
資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これ
らは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでい
る情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは
大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レ
ートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、
生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を
与える要素はこれらに限定されるものではありません。



この件に関するお問い合わせ先
タカラバイオ株式会社
広報・IR 部
Tel 077-565-6970

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