MN-166(イブジラスト)の医学専門誌「Global Spine Journal」への総説論文掲載に関するお知らせ -DCM(変性性頸椎脊椎症)における有望な治療薬候補として-

2022 年 2 月 28 日




各 位

会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 JASDAQ)

東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com



MN-166(イブジラスト)の医学専門誌「Global Spine Journal」への
総説論文掲載に関するお知らせ
~Degenerative Cervical Myelopathy(変性性頸椎脊椎症)における有望な治療薬候補として~



2022 年 2 月 28 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)
(米国カリフォルニア
州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。 )は、医学専門誌
の「Global Spine Journal」に掲載された変性性頸椎脊椎症(DCM)*1 の治療薬に関する総説論文
の中で、MN-166(イブジラスト)*2 が変性性頸椎脊椎症(DCM)の有望な薬物治療薬の候補とし
て取り上げられたことをお知らせいたします。

“Developing Novel Therapies for Degenerative Cervical Myelopathy [AO
当該論文のタイトルは、
Spine RECODE-DCM Research Priority Number 7] *3 Opportunities from Restorative
Neurobiology”(和訳:変性性頸椎脊椎症の新規治療法 [AO Spine RECODE-DCM Research
Priority Number 7]:再生神経生物学の可能性)で、当社の共同研究者でもある、ケンブリッジ大
学臨床神経科学部門 脳神経外科学分野 マーク・コッター博士(MD、PhD)と、その共同研究者ら
による共著論文です。変性性頸椎脊椎症(DCM)に対して、神経保護、神経再生及び神経調節の 3
つの領域の広範な治療効果が期待される最新の治療法が紹介されています。
その中で、コッタ―博士らは、変性性頸椎脊椎症(DCM)への使用を支持する MN-166(イブジラ
スト)の特性を論じています。MN-166(イブジラスト)が持つ抗炎症作用、神経保護作用及び神経
再生作用は、RECEDE-Myelopathy 臨床治験*4 を始める理論的根拠でした。RECEDE-Myelopathy
臨床治験は、頸椎減圧手術前後補助療法としての MN-166(イブジラスト)の有効性を多施設無作
為二重盲検プラセボ対照試験で検討するフェーズ 3(第Ⅲ相)臨床治験です。

当該論文においてディスカッションされている主なポイントは以下のとおりです。

⚫ 変性性頸椎脊椎症(DCM)における慢性的な脊髄神経の圧迫は、虚血、神経炎症、脱髄、神経
細胞の消失などを引き起こす。
⚫ DCM の患者は、しばしば生涯にわたって障害をわずらい、外科的な除圧術を受けても完全に回
復する人は 5%未満である。
⚫ 慢性的に脊髄が圧迫された部位では、活性化したミクログリアとマクロファージの増加が観察
されており、炎症性サイトカインの供給源となり、壊死(ネクローシス)やアポトーシス*5 に
よる細胞死をさらに進行させる可能性がある。
-1-
⚫ これまで MN-166
(イブジラスト)はホスホジエステラーゼ(PDE4 及び PDE10)阻害作用や、
MIF(マクロファージ遊走阻止因子)の阻害作用により、抗炎症作用、神経保護作用、そして
神経栄養や神経再生作用を示すことが明らかにされている。
⚫ これらの複合的な効果が、グリア細胞の活性化を抑制し、神経栄養因子・神経再生因子の活性
化をもたらすので、MN-166(イブジラスト)を DCM に対する治療薬として評価することは、
理に適っている。
⚫ MN-166(イブジラスト)は、現在 DCM に対して、フェーズ 3(第Ⅲ相)臨床治験で評価され
ている神経再生医療としては唯一の薬剤である。

当社最高医学責任者(CMO)の松田和子は、次のようにコメントしています。
「変性性頸椎脊椎症は、完全に回復する患者が極めて少ない疾患です。学会で高い評価を受けてい
る研究者グループによって、MN-166(イブジラスト)が変性性頸椎脊椎症の有望な薬物治療候補で
あるとして総説論文で紹介されたことは、私たちにとって大きな励みになります。 」

以 上



1 変性性頸椎脊椎症(DCM)について
英国医学雑誌掲載論文“Degenerative Cervical Myelopathy”(BMJ 2018; 360 doi:
https://doi.org/10.1136/bmj.k186)によると、変性性頸椎脊椎症(DCM)は、頸椎脊髄圧迫と定義され麻痺を引き
起こす可能性があります DCM は、加齢、関節炎ならびに脊椎狭窄、中心椎間板ヘルニア、および後縦靭帯骨化症
(oPLL)などの変性脊椎状態によって引き起こされる一般的な進行性の神経疾患です。米国神経外科学会による
と、脊髄または神経根の圧迫を緩和するため、毎年 20 万件以上の手術が行われています。脊髄神経の圧迫は、麻
痺、うずき、痛みおよび頸部の硬直および腕、手、指の痛み、および痺れなどの神経学的機能不全につながりま
す。DCM 患者は、バランスおよび歩行の不調、協調運動障害、腕、肩または手の筋力低下、リズム筋攣縮、筋肉
硬直、筋肉喪失、過度神経反射および膀胱・直腸機能障害などに限らず様々な症状を呈します。症状の重症度に応
じて、DCM 治療の選択肢としては、頸椎カラー装具(訳注:運動制限のため頸部に装着する装具) 、理学療法、鎮
痛剤、筋弛緩剤、および外科手術などがあります。現在、承認・認可されている DCM 治療薬はありません。



2 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和すること
がわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認され
ており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)
、各種依存症、慢性神経因性
疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依存症をは
じめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを
含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。


3 AO Spine RECODE-DCM Research Priority Number 7 とは
AO Spine は、世界的学術コミュニティーである AO Foundation が設立した専門性の高い活動を行う臨床部門の 1
つです。AO Spine RECODE-DCM は、変性性頸椎脊椎症(DCM)における知識の発見を加速し、転帰を改善する
ための「研究ツールキット」を作成する国際的イニシアチブであり、10 の研究プライオリティーが設定されていま
す。そのうちの第 7 番目が、"Novel Therapies(新規治療法)"として定義されています。本論文は、Global Spine
Journal で特集された AO Spine RECODE-DCM に関連する一連の総説論文のうちの一つとして掲載されています。


4 RECEDE-Myelopathy 臨床治験について
本治験の最初のパート(ステージ 1)では最大 80 人まで、治験全体では合計 300~350 人の治験参加者を登録する
予定です。治験参加者は頸椎減圧手術 2〜3 ヵ月前に、無作為に割り当てられ、MN-166(イブジラスト)を上限 100


-2-
㎎/日またはプラセボ群が投与されます。投薬治療は 8 ヶ月間継続され、術後 3 ヶ月、6 ヶ月、および 12 ヶ月に臨床
症状の評価を行います。この治験計画は、Myelopathy.org が実施した 481 人の DCM 患者への症状回復に関する調
査や DCM 患者の意見に基づきデザインされました。主要評価項目は、治療開始前ベースラインと比較し、術後 6 ヶ
月での痛みと運動機能の変化を評価します。 疼痛は視覚的アナログスコア (VAS) を用い、 運動機能の変化は、上肢・
下肢の運動機能障害、感覚の喪失、および括約筋機能障害を評価する修正日本整形外科学会(mJOA)スコアを用い
て評価します。その他の評価項目として、神経学的所見、手の機能の評価、毎日の独立した生活の活動の測定、30 メ
ートル歩行テスト、頸部障害指数、生活の質の評価、腕、肩、および手の障害評価および MN-166 の安全性と耐容
性を評価します。


5 ネクローシスとアポトーシス
ネクローシスは、細胞が物理的、化学的に損傷された時に起きる、分子機序のない細胞死を意味します。それに対し
て、アポトーシスはプログラム細胞死と呼ばれる一定の分子機序のもとに起こる細胞死の一種で、サイトカインなど
の生物学的刺激でも引き起こされます。アポトーシスは、発生過程や組織の恒常性維持等に重要な役割を果たしてい
ますが、過剰なアポトーシスは炎症性疾患などの病態の原因の一つでもあります。




メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、臨床開発ステージにあるバイオ医薬品開発企業であり、炎症性疾患、線維
化疾患、神経変性疾患などの様々な疾患領域において、新規低分子化合物の広範な後期パイプラインを開発してい
ます。主要な開発品である 2 つの化合物、MN-166(イブジラスト)と MN-001(タイペルカスト)は、複数の作
用機序と高い安全性プロファイルを有しており、当社は、これら 2 つの化合物について現在 11 の臨床開発プログ
ラムを有しております。
当社の主力開発品である MN-166(イブジラスト)は、現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び変性性頸椎脊椎症
(DCM)で臨床第Ⅲ相(フェーズ 3)段階、進行性の多発性硬化症(MS)において臨床第Ⅲ相(フェーズ 3)準
備段階にあります。加えて、MN-166(イブジラスト)は、膠芽腫(グリオブラストーマ) 、急性呼吸窮迫症候群
(ARDS)及び薬物依存症の治療薬として臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)段階にあります。
MN-001(タイペルカスト)は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について、臨床第Ⅱ相(フェーズ 2)の準
備段階にあります。
当社は、公的機関からの資金助成を受け、多くの医師主導型臨床治験を実施してきた強固な実績を有しています。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。本社所在地はアメリカ合衆国カリフォルニア州ラ・
ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。


注意事項
このプレスリリースには、 1995 年米国民事証券訴訟改革法 (The Private Securities Litigation Reform Act of 1995)
に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述には、MN-
166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれます。これら
の「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数の
リスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を開
発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な資金を調達する可
能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随するリスクや不確定
要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨床治験の結果が必ずし
もその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、 当局の承認取得の遅延または失敗の可能性、 臨床治験の
資金を第三者機関に頼ることによるリスク、 商品候補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・執
行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期待通りに履行できな
い可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の妥当性または実施に関連する重大な
問題、 規制当局への書類提出のタイミング、 第三者機関との提携またはタイムリーな資金調達の可否などに起因する
遅延及び費用増大に加え、 当社が米国証券取引委員会に提出した 2021 年 12 月期の Form10K 及びその前後の 10Q、
8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されないその他のリスクや不確定要素があります。
したがって、 「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社の状況を述べているにとどまり、実際の結果ま
たは成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があることにご留意下さい。また当社には、この記述に関し
て、情報の修正または更新を行う義務はありません。




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