CURE OM(Ocular Melanoma)国際科学会議におけるMN-166(イブジラスト)のぶどう膜メラノーマに関する最新データの発表に関するお知らせ

2021 年 11 月 11 日




各 位

会 社 名 M e d i c i N o v a , I n c
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO 岩城 裕一
(コード番号:4875 JASDAQ)

東京事務所代表 副社長
問合せ先 松田 和子
兼最高医学責任者(CMO)
電話:03-3519-5010
E-Mail:infojapan@medicinova.com



CURE OM(Ocular Melanoma)国際科学会議における MN-166(イブジラスト)の
ぶどう膜メラノーマに関する最新データの発表に関するお知らせ


2021 年 11 月 10 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)
(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一) (以下「当社」といいます。 )は、2021 年
10 月 28 日に国際メラノーマ研究会議の一部としてオンライン開催された第 10 回 CURE OM
国際科学会議において、MN-166(イブジラスト)*1 のぶどう膜メラノーマ(以下「UM」といい
ます。 *2 に対する効果についての最新データが、当社の共同研究者であるグラチア アンブロジ

ーニ (Grazia Ambrosini) (コロンビア大学医学部 アソシエートリサーチサイエンティスト)
博士
より発表されたことをお知らせいたします。

本研究は、当社とグラチア アンブロジーニ博士、 リチャード カルバハル (Richard D. Carvajal)
博士(医師、コロンビア大学医学部准教授、 ハーベルト アーヴィング総合がんセンター
・ (HICCC)
プレシジョン・オンコロジー&システム・バイオロジー研究プログラム共同ディレクター)及び
ゲーリー シュワルツ(Gary Schwartz)博士(医師、コロンビア大学医学部教授、コロンビア大
学アーヴィングメディカルセンター、HICCC 副所長、 血液学・腫瘍学部門最高責任者)との共同
研究として行われました。

アンブロジーニ博士による発表のハイライトは以下の通りです。

⚫ UM エクソソーム*3 が UM 細胞と肝臓細胞との間で果たす役割を細胞共培養系での細胞
遊走アッセイ及び UM 転移マウスモデルを用いて検討した。
⚫ UM エクソソームは細胞の情報伝達経路を活性化し、 肝臓細胞からの種々のサイトカイン
や成長因子の分泌を誘導した。加えて、エクソソームで刺激した肝臓細胞調整培養液(以
下「HCM」といいます。)は、UM 細胞の遊走を誘導する可能性が示唆された。
⚫ マクロファージ遊走阻止因子(MIF)は、上記の現象の主要因子であり、MIF を阻害する
ことにより、共培養系における細胞遊走、及び in vivo(生体内)におけるがん転移の発生
を阻止した。
⚫ MN-166 は UM エクソソームで刺激した HCM において、遊走した UM 細胞の数を有意
に減少させた。 (p<0.001)
⚫ MN-166 の治療は、UM 転移マウスモデルにおいてレポーター遺伝子による生物発光強度
で定量測定されたがん細胞の腹部生着を有意に抑制した。 (p<0.05)


-1-
⚫ MN-166 の治療はマウス UM 転移モデルで遠隔転移を抑制した。

コロンビア大学医学部准教授、ハーベルト・アーヴィング総合がんセンター(HICCC)プレシジ
ョン・オンコロジー&システム・バイオロジー研究プログラム共同ディレクターのリチャード カ
ルバハル博士は、次のようにコメントしています。
「本研究で用いたぶどう膜メラノーマ転移マウスモデルにおいて、 MIF 阻害剤である MN-166 が
示した非臨床試験結果に大変興奮しています。ぶどう膜メラノーマはもっとも代表的な原発性眼
内悪性腫瘍であり、半数近くの患者さんはやがて遠隔転移に至ります。転移がんは、高頻度で肝
臓に発生し、生命予後は不良です。現在のところ、ぶどう膜メラノーマの転移を予防する有効な
手法はありません。我々の研究グループは、がん転移の鍵となる因子として MIF を見出していま
した。ぶどう膜メラノーマ同所性移植マウスモデル*4 において、MN-166 の治療は腹部への遠隔
転移を有意に抑制しました。」

当社取締役兼 CMO(最高医学責任者)の松田和子は次のようにコメントしています。
「臨床現場では、がんによる死亡原因の多くが原発がんよりも、遠隔転移によるものといわれて
います。我々は、MN-166 がぶどう膜メラノーマの転移を抑制する可能性を示すデータを大変喜
んでいます。MN-166 が、がん微小環境において、免疫抑制を担う骨髄由来抑制細胞(MDSCs)
数を抑制し、CD8 陽性 T 細胞の活性を強化することは既に報告していました。今回の研究結果に
よると MN-166 は、転移リスクのあるぶどう膜メラノーマ患者さんに、新規かつ有効な治療を提
供するという、重要なアンメットメディカルニーズを満たす大きな可能性があります。次のステ
ップとして、ぶどう膜メラノーマ臨床試験につなげる予定です。本プロジェクトがぶどう膜メラ
ノーマのみならず、他の悪性腫瘍においても患者さんの助けとなることを期待しています。 」

以 上



1 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)
、各種依存症、慢性神経
因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依存
症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存
などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。


2 ぶどう膜メラノーマ(UM)について
ぶどう膜メラノーマは、成人に発症する代表的な眼内悪性腫瘍の 1 つです。ぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に
はメラニン色素を産生する細胞があるため、悪性黒色腫(メラノーマ)が発生します。ぶどう膜メラノーマの予後
は、転移後の生存期間中央値が 1 年未満ときわめて悪く、現在、侵襲性の強い転移性ぶどう膜メラノーマに対す
る標準治療法は存在しません。


3 エクソソームとは
細胞が細胞外に放出・分泌する細胞外小胞であり、内部に核酸(RNA や DNA)やタンパク質などを包含してい
る。他の細胞に取り込まれることにより遠隔細胞間の情報伝達を担います。がん細胞から放出されるエクソソー
ムは、がん細胞の生存、悪性化、転移にも深く関与することが知られている。


4 同所性モデルとは


-2-
がん移植動物モデルにおいて、がん発生が本来見られる臓器への移植(同所性移植:肝臓がん由来細胞なら、肝
臓がん細胞を動物の肝臓へ移植する)する方法。微小環境条件の解析や遠隔転移のメカニズムを解析するのに用
いられる。



メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、臨床開発ステージにあるバイオ医薬品開発企業であり、炎症性疾患、線
維化疾患、神経変性疾患などの様々な疾患領域において、新規低分子化合物の広範な後期パイプラインを開発し
ています。主要な開発品である 2 つの化合物、MN-166(イブジラスト)と MN-001(タイペルカスト)は、複
数の作用機序と高い安全性プロファイルを有しており、当社は、これら 2 つの化合物について現在 11 の臨床開
発プログラムを有しております。
当社の主力開発品である MN-166(イブジラスト)は、現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び変性性頸椎脊椎
症(DCM)で臨床第 3 相段階、進行性の多発性硬化症(MS)において臨床第 3 相準備段階にあります。加え
て、MN-166(イブジラスト)は、膠芽腫(グリオブラストーマ)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)及び薬物依存
症の治療薬として臨床第 2 相段階にあります。
MN-001(タイペルカスト)は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について、臨床第 2 相の準備段階にあり
ます。
当社は、公的機関からの資金助成を受け、多くの医師主導型臨床治験を実施してきた強固な実績を有していま
す。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。本社所在地はアメリカ合衆国カリフォルニア州
ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




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