AIを用いた新たな脳核医学検査手法の開発に着手-放射線被ばく線量を軽減し、安全で高精度な医療環境をつくる-

プレスリリース

株式会社フォーカスシステムズ
2021 年9⽉9⽇


AI を⽤いた新たな脳核医学検査⼿法の開発に着⼿
〜放射線被ばく線量を軽減し、安全で⾼精度な医療環境をつくる〜


株式会社フォーカスシステムズ(東京都品川区、代表取締役社⻑︓森啓⼀)は、横浜市⽴⼤学放射
線診断学教室(宇都宮⼤輔教授、⽯渡義之助教)と、脳の核医学検査において、
「SPECT 装置」で⽣
成された画像を AI で⾼精度化する共同研究(以下、
「同研究」)を開始しました。
認知症やパーキンソン病等の診断には SPECT 検査が必要とされています。
「SPECT 装置」の中でも、
⾼性能・⾼価な「SPECT/CT 装置」と、CT ⼀体型でない⽐較的安価な「SPECT 装置」がありますが、
同研究では「SPECT 装置」 「SPECT/CT 装置」
でも と同等の医⽤画像を⽣成することを⽬指しています。
この実現により、患者は医療分野において課題視される CT による放射線被ばく線量を抑えられる
ほか、病院・クリニック等でも⾼価な「SPECT/CT 装置」を導⼊することなく精度の⾼い画像診断を
⾏えるようになり、より多くの⼈が安全で⾼精度な医療を受けられる環境作りへの貢献が期待できま
す。

SPECT 検査の意義・撮像の課題
SPECT 検査は、微量のガンマ線(放射線の⼀種)が含まれた検査薬を注射し、体内に取り込まれた
検査薬から放出されるガンマ線を検知して画像化(撮像)する「核医学検査」⼿法の⼀つです。CT や
MRI が臓器の形や⼤きさを調べるのに対し、核医学検査では臓器の機能的な変化を画像情報にして異
常の兆候を読み取るため、病気の早期発⾒が可能となります。
SPECT による撮像においては、放出されるガンマ線が体内で減弱する相当分、放射分布情報を真
の値に近づけるために補正(SPECT 吸収補正)するのが⼀般的です。主な補正⼿法として、CT によ
る「CTAC 法」や、特定の係数を乗じる「Chang 法」が挙げられますが、「Chang 法」では⾻や軟
部組織等遮蔽物による減弱の不均⼀性により、正確な吸収補正ができない⼿法とされています。


主な補正⼿法とその特徴(従来)/同研究のポイント(今回)

使⽤装置 ⼿法 吸収補正精度 被ばく線量 コスト

SPECT/CT 装置 CTAC 法 ⾼ 多 ⾼価

SPECT 装置 Chang 法 低 少 安価




SPECT 装置 AI 補正 ⾼ 少 安価
プレスリリース

株式会社フォーカスシステムズ
2021 年9⽉9⽇

AI による⾼精度な吸収補正を実現
同研究では、吸収補正前の画像と、CTAC 法を⽤いて CT により吸収補正された SPECT 画像を AI
に学習させ、深層学習モデルを構築します。この深層学習モデルを利⽤して、吸収補正前の画像から
SPECT 吸収補正画像(CT 吸収補正画像に相当)を出⼒することで、安価な「SPECT 装置」での撮像
精度を、⾼価な「SPECT/CT 装置」と同等の精度とすることを⽬指します。

SPECT 装置(Chang 法) SPECT/CT 装置(CTAC 法)

補正前 補正後 補正前 補正後







学習








補正前 AI 補正 AI 補正画像
(最適化された深層学習モデル・アルゴリズムの構築)




「医療×AI 画像処理」分野において向上させる当社の「存在意義」と「事業価値」
当社は同研究において臨床画像で診断能を⽐較し、2022 年以降には関連病院を中⼼とした多施設
での研究を進める計画があります。中⻑期的な視点で AI 活⽤の幅を広げるべく、多彩な「医療×AI
画像処理」研究を通して蓄積する知⾒・技術を基に、脳梗塞・てんかん・認知症等の診断に使⽤され
ている「脳⾎流シンチグラフィ」への応⽤にも対応していく考えです。当社は、過去から続く⼀連の
戦略的かつ継続的な取組みを通じて、「医療×AI 画像処理」分野における存在意義と事業価値を⾼め
るとともに、事業機会の獲得を⽬指してまいります。


■関連リリース
脳核医学領域初の AI を⽤いた検査時間短縮の共同研究を開始
AI 仮想画像の⽣成で、約 5 分の 1 の検査時間を⽬指す
〜患者の負担軽減と検査効率の向上に期待〜
https://www.focus-s.com/focus-s/media/200730.pdf (2020 年 7 ⽉ 30 ⽇公開)
プレスリリース

株式会社フォーカスシステムズ
2021 年9⽉9⽇

【横浜市⽴⼤学放射線診断科について】
宇都宮⼤輔教授が主宰する、横浜市⽴⼤学放射線診断科は、2 つの⼤学付属病院と 17 の関連病院
を軸に横浜市を中⼼とした医療を展開しています。放射線診断学は現代医療のなかで⾮常に重要な位
置を占めています。CT、MRI、核医学、⾎管造影といった画像診断モダリティを⽤い、
「医療の羅針盤」
として病院を⽀えることが、⼤きな使命のひとつです。
さらに、⾎管の中から、もしくは体表⾯から直接病変部にアプローチすることで診断や治療を⾏う
インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)が当科のもう⼀つの⼤きな柱となっています。
HP︓ https://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~diagrad/


【フォーカスシステムズについて】
株式会社フォーカスシステムズは、1977 年に設⽴され、公共・通信ほか、社会性の⾼い分野におけ
るシステム開発・運⽤に携わるだけでなく、 IoT、クラウドや AI 等、時代の流れを⾒据えたビジネ
ス展開も積極的に推進しています。コーポレートスローガンは “テクノロジーに、ハートを込めて。”
⼈と⼈とを技術でつなぐ私たちフォーカスシステムズの仕事に、社員ひとりひとりが、情熱と誠意を
持って臨む姿勢を込めました。
HP︓ https://www.focus-s.com/


【研究・技術に関するお問い合わせ】
株式会社フォーカスシステムズ ITソリューション事業本部 DX推進統括部
E-MAIL︓ dx-promo@focus-s.com
T E L︓ 06-6244-7166


【報道・広報に関するお問い合わせ】
株式会社フォーカスシステムズ IR・広報室
E-MAIL︓ koho@focus-s.com
T E L︓ 03-5421-7790

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