東京大学と完全個別化がん免疫療法に関する共同研究契約を締結

平成 30 年 12 月 19 日
各 位
ブライトパス・バイオ株式会社


東京大学と完全個別化がん免疫療法に関する共同研究契約を締結

この度当社は、完全個別化がん免疫療法に用いる、高い治療効果を有するネオアンチゲ
ン※を決定するアルゴリズムの高精度化を目指して、国立大学法人東京大学(以下、東京
大学)と共同研究を開始しましたのでお知らせいたします。


がんは遺伝子の変異によって発生し、自律的な制御を失って遺伝子変異を蓄積しながら
増殖を続ける疾患です。遺伝子変異とその変遷は患者ごとに全く異なり、患者固有のがん
の遺伝子変異を標的とする免疫応答を強く誘導することでがんを排除するのが、完全個別
化がん免疫療法です。本治療法では、機械学習した予測アルゴリズムによって、がん細胞
において蓄積される変異の中から免疫原性の高い遺伝子変異がネオアンチゲンとして抽出
され、ワクチンとして製造され、投与されます。


がん細胞特異的な変異を正確に同定することは容易ではなく、それに加えて複雑に分岐
した遺伝子変異を蓄積したがん細胞が織り成す腫瘍組織の不均質性と免疫原性予測の不確
実性が、これまで有効なネオアンチゲンの抽出を難しくしており、ゲノムデータの数理モ
デルをベースとしたネオアンチゲンの新たな情報解析技術の開発とアルゴリズムの実装が
求められています。当社はこれを、がんゲノム及びがん免疫分野のバイオインフォマティ
クス研究を進める東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 宮野 悟教授、ヘルス
インテリジェンスセンター 井元 清哉教授を中心とした研究グループとの共同研究を通し
て進めてまいります。


当社は現在複数のアカデミア・グループと完全個別化がん免疫療法の共同研究を進めて
おりますが、臨床における実装に不可欠なネオアンチゲン予測アルゴリズムの高精度化を
進める研究体制が、本共同研究において整います。
以上


【用語解説】
※ ネオアンチゲン…がん細胞固有の遺伝子変異を含む抗原を指します。免疫系は抗原を認
識して反応し、がん免疫はがん細胞固有の抗原を目印としてがんを排除にかかります。
免疫系は正常な「自己」の抗原には反応しませんが、ネオアンチゲンは正常な細胞には
存在しないため「非自己」として認識されて強い免疫反応の標的になります。


<ブライトパス・バイオについて>
ブライトパスは、従来の標準治療の適用が困難な難治性・進行性のがんに対する治療法と



してがん治療の革新をもたらしつつある「がん免疫療法」の開発を行う創薬バイオベンチ
ャーです。米国で臨床試験を実施中のがんペプチドワクチンをパイプラインとして有する
ほか、細胞医薬の開発、免疫制御分子に対する抗体、がん細胞特異的な遺伝子変異に由来
するネオアンチゲンを標的とした新薬の開発を行っています。


問い合わせ先
・ブライトパス・バイオ株式会社 管理部
Tel: 03-5840-7697
E-mail: irpr05@brightpathbio.com
https://www.brightpathbio.com/index.html





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