アサシス社が重症疾患治療における幹細胞製品MultiStemの炎症反応調節の作用機序に関する研究内容を発表

2021 年7月1日

各 位
会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス

代 表 者 名 代 表 執 行役 社 長 CEO 鍵 本 忠 尚

(コード番号:4593 東証マザーズ)




アサシス社が重症疾患治療における幹細胞製品 MultiStem®の
炎症反応調節の作用機序に関する研究内容を発表


当社は現在、日本国内において体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 を用いて、脳梗塞急性期を対
象とした治験(治験名称:TREASURE 試験)及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS: Acute Respiratory
Distress Syndrome)※を対象とした治験(治験名称: ONE-BRIDGE 試験。2021 年3月患者組み入
れ完了)を実施しております。これらの治験で使用している HLCM051 は、米国のバイオベンチャ
ー企業 Athersys, Inc.(以下、アサシス社といいます。)が開発する幹細胞製品 MultiStem を、当社
とアサシス社が締結した脳梗塞急性期及び ARDS に対する再生医療等製品の日本国内での開発・
販売に関する独占的なライセンス契約に基づき導入したものです。

今般アサシス社から MultiStem の構成細胞である多能性成体前駆細胞(MAPC®)の炎症反応
調節の作用機序に関する研究内容が、自然科学と臨床科学のあらゆる領域を対象とした国際的
な査読付きジャーナルである Scientific Reports に掲載されましたのでお知らせいたします。

今回報告されたデータは、MAPC がレギュラトリーT 細胞(Treg)の分化・増殖を促進し、免疫
抑制に影響を与える潜在的なメカニズムに関する研究内容です。Treg は免疫系の重要な細胞であ
り、複数のメカニズムで炎症や損傷後の組織修復を制御しています。脳卒中、ARDS などの急性期
重症患者では、 炎症反応の異常亢進が組織や臓器の損傷につながることが知られており、 MultiStem
は、Treg の分化、増殖、表現型の活性化など、内因性の免疫調節機構を強化することで、炎症に
よる臓器傷害を軽減し、組織傷害後の回復を促進する可能性を示唆するものになります。

アサシス社からの発表は、同社のプレスリリースをご覧ください(英語)

以上

※急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に誘発さ
れ、炎症を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症
状の総称です。 ARDS 診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後が非常に悪い病気で
す。ARDS に対する治療として、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管
理が行われます。

■株式会社ヘリオスについて
再生医療は、世界中の難治性疾患の罹患者に対する新たな治療法として期待されている分野
であり、製品開発・実用化へ向けた取り組みが広がり、近い将来大きな市場となることが見込
まれています。ヘリオスは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)等を用いた再生医薬品開発のフロン
トランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイオテクノロジー企
業です。2011年に設立、2015年に株式上場(東証マザーズ:4593)し、再生医薬品の実用化を目


指して研究開発を進めています。
独自の遺伝子編集技術を用いて免疫拒絶のリスクを低減する次世代iPS細胞、ユニバーサルド
ナーセル(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、がん免疫領域、眼科領域、肝疾患等におい
て、iPS細胞技術を用いた新たな治療薬の創出のための取り組みを進めています。また、現在、
体性幹細胞再生医薬品を用いて日本国内における脳梗塞急性期および急性呼吸窮迫症候群
(ARDS: Acute Respiratory Distress Syndrome)に関する治験を実施しています。
(詳細は https://www.healios.co.jp/ をご覧ください)

本件に関するお問合せ先
コーポレートコミュニケーション室
ir@healios.jp





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