研究用試薬「Titin-N fragment Assay Kit - IBL」の製造販売に関するお知らせ

平成 28 年 9 月 13 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 免 疫 生 物 研 究 所
(コード番号:4570)
本店所在地 群馬県藤岡市中字東田 1091 番地1
代 表 者 代表取締役社長 清 藤 勉
問 合 せ 先 取締役事業統括推進本部長 中 川 正 人
電 話 番 号 0274-22-2889(代表)
U R L http://www.ibl-japan.co.jp


研究用試薬「Titin-N fragment Assay Kit - IBL」
の製造販売に関するお知らせ

当社は、筋ジストロフィーなどの筋疾患、あるいはスポーツ等による筋肉の
損傷、崩壊により尿中に排出されるタンパク質、タイチンの分解断片に対する
サンドイッチ ELISA 法を用いた世界初の尿による測定キット「Titin-N
fragment Assay Kit - IBL」の製造・販売を開始いたしますので、お知らせい
たします。



【概要】
タイチンは筋肉細胞に存在する非常に大きなタンパク質であり、その断片が
筋ジストロフィー患者、特に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と呼
ばれる患者の血清や尿中で高濃度に検出されることが報告されていました。
当社では、本物質に着目し、この度、尿中のタイチン断片、Titin-N fragment
を特異的に検出できる ELISA キットを開発いたしました。
DMD は筋線維の変性・壊死を主病変とし、進行性の筋力低下をみる遺伝子疾
患で、4歳ころに臨床症状が現れます。現在、筋肉損傷状況の確認を血中クレア
チンキナーゼ(CK-M)の測定で行っていますが、定期的な採血が必要となり、小
児にとっては負担が大きく非侵襲性のマーカーが必要とされてきました。
こ の 度 開 発 し た 「 Titin-N fragment Assay Kit-IBL 」 は 尿 中 の Titin-N
fragment を高感度に検出できるため、検体の採取が容易であり治療効果判定、
病態の確認を正確、かつ容易にできるようになります。このことから、患者の病
態の把握により、ADL(Activities of Daily Living), QOL(Quality of Life)の維持
に貢献できるようになると考えます。また、スポーツ、筋肉労働等に依る筋肉の
損傷、 崩壊についてもモニターできることから、 多様な用途が想定されています。

販売開始:平成 28 年 10 月頃を予定しております。
※今後、体外診断用医薬品の製品化に向けて、研究開発を進めて参ります。

【今後の見通し】
当該製品の今期業績に与える影響は、現在精査しており、今後公表すべき事
項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。
【デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)について】
DMD は、X 染色体に存在するジストロフィン遺伝子の変異によって生じ、X
染色体連鎖形式をとる単一遺伝子疾患の中で最も頻度の高い疾患のひとつです。
世界中で、男子 10 万人当たり 6.3 人の有病率、日本人の有病率は男子 10 万人
当たり 4.0-5.6 人であり、2013 年 10 月現在、わが国で 1526 名の患者が国内 27
施設療養介護病棟に入院しています。
DMD は4−5 歳頃に筋力低下、運動機能の低下により発症し、血中高クレア
チンキナーゼ(CK)血症、遺伝子診断により診断が確定します。病態は進行性
で、関節拘縮や側弯の出現・進行を認めるようになり、一般に 10 歳以降に呼吸
不全、心筋症を認めるようになります。 呼吸管理や心筋障害治療の普及により生
命予後が延長しており、最近のデータによると平均寿命は 30 歳を超えるように
なってきています。

Titin-N fragment Assay Kit に関する学術発表情報
日からスペインで行われる世界筋学会(World Muscle Society)で、
10 月 4 日からスペインで行われる世界筋学会( )で、
)で
神戸学院大学の松尾雅文教授らにより筋ジストロフィー患者の測定結果が発表
神戸学院大学の松尾雅文教授らにより筋ジストロフィー患者の測定結果が発表
される予定。

以上

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