遺伝子組換えカイコによるラミニン511-E8生産の成功とiPS細胞等培養用試薬としての実用化に向けた取り組みのお知らせ

平成 27 年 8 月 31 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 免 疫 生 物 研 究 所
(コード番号:4570)
本店所在地 群馬県藤岡市中字東田 1091 番地1
代 表 者 代表取締役社長 清 藤 勉
問 合 せ 先 取締役事業統括推進本部長 中 川 正 人
電 話 番 号 0274-22-2889(代表)
U R L http://www.ibl-japan.co.jp


遺伝子組換えカイコによるラミニン 511-E8 生産の成功と
iPS 細胞等培養用試薬としての実用化に向けた取り組みのお知らせ
細胞等培養用試薬としての実用化に向けた取り組みのお知らせ
に向けた取り組みの

当社は、遺伝子組換えカイコによるヒトラミニン 511-E8 フラグメント(ラミニン 511-E8)
の生産に成功し、iPS 細胞等の培養足場材として有効であるラミニン 511-E8 を安価に製造
する方法を確立いたしました。さらに、ラミニン 511-E8 の独占的販売権を有する株式会社
ニッピ(ニッピ)による研究用試薬の販売へ向け、同社との売買取引契約締結等の協議を開
始しましたので、お知らせいたします。


【概要】
ラミニン 511-E8 は、細胞外マトリックス成分の一つであるラミニン 511 の細胞接着活性
部位を含むフラグメントであり、大阪大学および京都大学が、iPS 細胞や ES 細胞などの多
能性幹細胞の培養足場材として極めて有効であることを見出しております。ニッピは、両大
学よりラミニン 511-E8 の独占的な製造・販売権を得て、チャイニーズハムスター卵巣細胞
(CHO 細胞)を用いて製造したラミニン 511-E8(商品名:iMatrix-511)を販売しており
ます。
当社は、遺伝子組換えカイコによる各種有用タンパク質の生産技術を開発してまいりまし
たが、遺伝子組換えカイコの生産系は、特に、複数のサブユニットから構成される高分子量
のタンパク質生産に適していることを明らかにしています。ラミニン 511-E8 も、三種類の
サブユニットから構成される比較的高分子量のタンパク質であるため、カイコでの発現を試
みたところ、非常に効率良く生産できることが判りました。
そこで、当社とニッピは、平成 25 年 10 月に共同研究契約を締結し、カイコで生産した
ラミニン 511-E8 の商品化を目指し、同タンパク質の評価等に関する共同研究を実施してき
ました。その結果、遺伝子組換えカイコにより生産したラミニン 511-E8 は、CHO 細胞で
生産したラミニン 511-E8 と同等の細胞接着活性を有し、かつ、遺伝子組換えカイコ生産系
は CHO 細胞系より生産効率に優れているため、より低コストでラミニン 511-E8 を製造で
きることが明らかになりました。
今後、当社とニッピは、当社が製造したラミニン 511-E8 を研究用試薬原料としてニッピ
に供給するための売買取引契約等を締結し、ニッピは同原料を使用した低価格の商品を早期
に販売する準備を進めます。これにより、高性能の細胞培養足場材であるラミニン 511-E8
の普及が促進し、iPS 細胞等を利用した再生医療研究が加速されることを期待しております。
なお、今期の連結業績への影響につきましては、現在精査中でありますので、今後公表す
べき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。
以上

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