DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の開発が進展 血清のウイルス中和能力を確認

News Release

平成 29 年2月 28 日
アンジェス MG株式会社




DNA ワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の開発が進展
血清のウイルス中和能力を確認




当社は、DNAワクチン技術を応用し、エボラ出血熱対策医薬品として抗血清製剤の開発
をカナダ サスカチュワン大学と共同で進めてまいりましたが、今回良好な試験結果が得ら
れましたので、以下のとおりお知らせいたします。


当社が開発を進める抗血清製剤は、エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードする
DNA ワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製して製造する治療薬です。
この度、当社が既に国内で実施した予備的な試験をサスカチュワン大学の Vaccine and
Infectious Disease Organization – International Vaccine Center (VIDO-InterVac※1)で再
実施し、 DNA ワクチンの接種によりウイルスタンパク質に対する高い抗体価を有するウ

マ血清が製造できることを再確認いたしました。さらに、当血清が活きたエボラウイルスを
中和※2する働きがあることも確認いたしました。この結果は当血清が治療薬としての十分
な機能を有することを示唆するものです。この試験は活きたエボラウイルスを扱う試験施
設のない日本国内では実施不可能であり、その機能を持つ VIDO-InterVac で実施いたしま
した。


今後、次の段階として、当血清をエボラウイルスに感染した動物に実際に投与し効果を確
認する試験をカナダで実施する計画です。当社はエボラ出血熱抗血清製剤の早期実用化に
向けて開発を進めてまいります。




※1 サスカチュワン大学の VIDO-InterVac は、 年に渡りヒトおよび動物のワクチンお


よび感染症の研究開発において実績を上げてきた研究機関です。世界でも有数のウイルス
研究設備を有し、感染症に対する革新的なワクチンや免疫治療薬の開発において海外の企
業や機関と連携しています。


※2 ウイルスに結合してその働きを止めること。
(ご参考)
抗血清製剤について
抗血清製剤とは、病原体の増殖を阻害する抗体(中和抗体)を有効成分とする医薬品です。
感染予防効果を得るのに時間を要するワクチン療法とは異なり、すでにウイルスに感染し
てしまった患者の病態の重篤化を抑制するものです。動物(ウマ等)に病原体や毒素を投与
してから血清を精製し、得られた抗体を含む成分を患者に投与することで、免疫を持たない
患者の病態の重篤化を阻止します。抗血清製剤は破傷風やジフテリアなどの治療薬として
実績があります。


DNA ワクチンを用いた抗血清製剤について
当社が開発を計画する抗血清製剤は、エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードする
DNA ワクチンをウマに接種して得られる、ウイルスタンパク質に対する抗体を精製して製
造します。DNA ワクチン技術を用いることで、病原ウイルス自体を取り扱わないため安全
に、かつ短い期間で製造できることから、緊急の対策を必要とするエボラ出血熱治療薬とし
て適していると考えられます。なお、当社はこのDNA ワクチン技術を保有する米国Vical
社(Vical Incorporated、本社:カリフォルニア州サンディエゴ、President & CEO:Vijay
B. Samant)から、国内の独占的開発販売権を取得しております。


以上




お問い合わせ先

アンジェス MG株式会社 経営戦略本部 経営企画部 広報・IR 担当

TEL: 03-5730-2641

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