脊髄性筋萎縮症治療向け診断薬(MEBCDX AAV9テスト)の発売のお知らせ

2020 年 5 月 8 日
各位
会 社 名 株式会社 医学生物学研究所
代表者名 代表取締役社長 山田 公政
(JASDAQ・コード4557)
問合せ先 総務部 東 成見
TEL:052-238-1901
FAX:052-238-1440
E-mail:kouhou@mbl.co.jp

脊髄性筋萎縮症治療向け診断薬(MEBCDX AAV9 テスト)の発売のお知らせ

株式会社医学生物学研究所(本社:名古屋市中区、代表取締役社長:山田 公政)は、Quest Diagnostics 社(本
社:米国・ニュージャージー州、最高経営責任者:Stephen Rusckowski)から製造・販売ライセンスを取得し、体外
診断用医薬品として MEBCDX AAV9 テスト(以下「本キット」)を 5 月 7 日付で発売しましたので、お知らせいたし
ます。
本キットは、ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:綱場 一成、以下「ノバルテ
ィス ファーマ」)が製造販売承認を取得している脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療用製品「ゾルゲンスマ®点滴静注」
(一般名:オナセムノゲン アベパルボベク、以下「ゾルゲンスマ」)の適応判定に有用な血清中の抗 AAV9 抗体を
測定する、コンパニオン診断薬として製造販売承認を 4 月 27 日付で取得しました。
本キットを用いた検査が株式会社LSIメディエンス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渡部 晴夫)
にて本日より受託開始となりましたのであわせてお知らせいたします。詳細については以下のリンクを参照くださ
い。
株式会社LSIメディエンス プレスリリース(2020 年 5 月 8 日発表)「脊髄性筋萎縮症治療用検査(抗 AAV9
抗体検査) 受託開始のお知らせ」https://www.medience.co.jp/topics/release200508-1.pdf

【脊髄性筋萎縮症とは】
脊髄性筋萎縮症は、脊髄前角細胞の変性・消失によって進行性に筋力低下と筋萎縮を呈する下位運動ニュー
ロン病です。脊髄性筋萎縮症は、希少疾患であり、脊髄性筋萎縮症の特定医療費(指定難病)受給者証所持者
数は、 2018 年度末に全国で 858 人、0 歳~9 歳は 30 人と報告されております。また、遺伝性疾患による乳幼児
の主な死亡原因であり、日本における指定難病の 1 つです。

【ゾルゲンスマについて】
ゾルゲンスマは脊髄性筋萎縮症の根本原因である SMN1 遺伝子の機能欠損を補うことで運動ニューロンの
SMN タンパク質発現量を増加させ、患者の生命予後及び運動機能を改善する遺伝子治療用製品です。
ゾルゲンスマは、2020 年 3 月 19 日に 2 歳未満の「脊髄性筋萎縮症(臨床所見は発現していないが、遺伝子検
査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む) ただし、抗 AAV9 抗体が陰性の患者に限る」を効能、
効果又は性能として製造販売承認されました。ゾルゲンスマは、抗 AAV9 抗体価が高い患者さんへの投与経験
はなく、抗 AAV9 抗体価が高い患者さんに対するゾルゲンスマの有効性及び安全性が明らかでないことから、
「承認された体外診断薬を用いた検査により抗 AAV9 抗体が陰性であることが確認された患者に投与する」旨が
効能 、効果又は性能に関連する使用上の注意としても設定されています。

【コンパニオン診断薬とは】
コンパニオン診断薬は、ある医薬品等が効果を示す患者さんを特定したり、副作用のリスクの大きい患者さん
を特定したり、適正な投与量を判断するために用いられる体外診断用医薬品です。



【MEBCDX AAV9 テストについて】
本キットは、当社のコンパニオン診断薬開発受託サービスによって開発された製品です。Quest Diagnostics 社
より技術移管を受け、コンパニオン診断薬として承認されました。 患者さんの血清を検体とし、ELISA 法により抗
AAV9 抗体を測定することでゾルゲンスマの適応を判断します。(参考情報「測定原理」を参照ください)。

【株式会社医学生物学研究所について】
1969 年に日本で最初の抗体メーカーとして設立され、現在では、免疫学的領域のみならず、遺伝子診断の領
域にも事業を拡大して、臨床検査薬及び基礎研究用試薬の研究・開発・製造・販売を行っています。
臨床検査薬事業では、自己免疫疾患、がん、感染症等の検査薬の開発・販売を行っています。自己抗体診断
分野では日本国内トップメーカーとして製品ラインナップの充実を図り、難治性疾患の多い当該分野の医療に貢
献しています。がん診断分野では医薬品の効果を予測するコンパニオン診断薬を開発し、個別化医療に貢献し
ています。
https://www.mbl.co.jp/

【Quest Diagnostics 社について】
Quest Diagnostics 社は、米国ニュージャージー州に拠点を置く、米国有数の臨床検査サービス会社です。
Quest Diagnostics 社の世界最大規模の臨床データに基づいた診断技術は、患者の疾患を見つけ治療へと導く
だけでなく、人々に健康な生活習慣を意識づけ、より良い健康管理を促すのに役立っています。Quest
Diagnostics 社は、毎年米国の 3 人に 1 人の成人と、国内の半数に及ぶ医師や病院に検査サービスを提供してお
り、47,000 人の従業員は皆、そのサービスが人々の暮らしを変える原動力になると確信しています。
https://www.questdiagnostics.com

【株式会社LSIメディエンスについて】
株式会社LSIメディエンスは、1975 年に設立され、「臨床検査事業」、「診断薬事業」、「創薬支援事業」 を主
要事業に、長年培ってきた検査・分析力をコア・コンピタンスとし、検査結果に解析力を加えた新たなソリューショ
ンの創出を目指しています。病気の予防・早期発見、治療に貢献し、個別化医療などの次世代医療を支える取り
組みも積極的に行っております。2018 年度の売上収益は 887 億円で 3,500 名の従業員を擁する日本で有数の総
合ヘルスケアサービス企業です。
https://www.medience.co.jp/

【ノバルティスファーマ株式会社について】
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパ
ニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と
医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約 10 万 9 千人の社員を擁しており、8 億人以上の患者さんに
製品が届けられています。ノバルティスに関する詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp

【本件に関するお問合わせ先】
総務部 担当:東
TEL:052-238-1901
FAX:052-238-1440
Form: https://www.mbl.co.jp/
E-mail:kouhou@mbl.co.jp

【製品に関するお問合わせ先】
IVD 事業部 学術部 担当:諌山、松澤
TEL:03-6854-3611
E-mail:kensa@mbl.co.jp
以 上


【製品情報】
製品名. MEBCDX AAV9 テスト
承認日 2020 年 4 月 27 日
発売日 2020 年 5 月 7 日
血清中の抗アデノ随伴ウイルス 9 型(AAV9)抗体の測定(脊髄性筋萎縮症におけるオ
使用目的
ナセムノゲン アベパルボベクの適応を判定するための補助)

【キット外観】

キット構成品:
・AAV9 カプシド
・酵素標識抗体
・酵素基質液
・高値陽性コントロール
・低値陽性コントロール
・陰性コントロール




【測定原理(ELISA による抗体検出系)について】





MEBCDX AAV9 テストについて




1.脊髄性筋萎縮症(SMA)について

運動神経細胞
脊髄前⾓細胞(運動神経細胞)の変性による
SMN1遺伝⼦⽋損/変異
筋萎縮と進⾏性筋⼒低下を特徴とする
SMN蛋⽩の機能不全
下位運動神経疾患 【指定難病】

SMN1遺伝⼦の⽋失もしくは変異が原因
下位運動神経細胞
変性/機能不全
国内新規発症数︓年間約50⼈(新⽣児2万⼈に1⼈)
病型によりⅠ型(重症型)〜Ⅳ型に分類される
国内新規発症数のうち6割が重症型のI型
筋萎縮/筋⼒低下
呼吸困難・嚥下困難
重症型は未治療の場合、
10⼈中9⼈は永続的に⼈⼯呼吸器装着が必要となる
もしくは2歳まで⽣きられない
脊 髄

参考: 難病情報センターホームページ(https://www.nanbyou.or.jp/entry/135)(2020年4月時点)



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1.ゾルゲンスマ®点滴静注について

「ゾルゲンスマ®点滴静注」(⼀般名︓オナセムノゲン アベパルボベク、以下「ゾルゲンスマ」)は、
脊髄性筋萎縮症の根本原因であるSMN1遺伝⼦の機能⽋損を補うことで運動ニューロンのSMNタ
ンパク質発現量を増加させ、患者の⽣命予後及び運動機能の改善する遺伝⼦治療⽤製品です。

「ゾルゲンスマ」は、SMAの根本原因である遺伝⼦の機能⽋損を補う遺伝⼦補充療法で、1回の点
滴静注で治療が完了します。SMAの原因遺伝⼦であるヒト運動神経細胞⽣存(Survival
Motor Neuron: SMN)タンパク質をコードする遺伝⼦が組み込まれたアデノ随伴ウイルス9型のカ
プシドを有する⾮増殖性遺伝⼦組換えアデノ随伴ウイルス(AAV9)を利⽤し、正常なSMN遺伝
⼦を運動ニューロン等に導⼊してヒトSMNタンパク質を安定して発現することで、SMAに対する作⽤
を⽰します。

ノバルティスファーマホームページより


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1. 本検査の必要性について


ゾルゲンスマは、2020年3⽉19⽇に2歳未満の「脊髄性筋萎縮症(臨床所⾒は発現していないが、
遺伝⼦検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む)ただし、抗AAV9抗体が陰性の
患者に限る」を効能、効果⼜は性能として製造販売承認されました。

ゾルゲンスマは、抗AAV9抗体価が⾼い患者さんへの投与経験はなく、抗AAV9抗体価が⾼い患者さ
んに対するゾルゲンスマの有効性及び安全性が明らかでないことから、「承認された体外診断薬を⽤い
た検査により抗AAV9抗体が陰性であることが確認された患者に投与する」旨が効能、効果⼜は性
能に関連する使⽤上の注意としても設定されています。


ゾルゲンスマ®点滴静注添付文書より


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2.MEBCDX AAV9 テストについて


「ゾルゲンスマ」投与前に
抗AAV9抗体の有無を検査するための
コンパニオン診断薬(CDx)


4⽉27⽇ CDxとして体外診断⽤医薬品
製造販売承認
5⽉7⽇ 新発売

キット構成品 別売品

1プレートで3検体のアッセイができます
酵素標識抗体/AAV9カプシド/ マイクロプレート/乳タンパク質/
陰性コントロール/低値陽性コントロール/ ブロッキング液
⾼値陽性コントロール/酵素基質液



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2.MEBCDX AAV9 テスト 使⽤⽬的・臨床的意義

使⽤⽬的

⾎清中の抗アデノ随伴ウイルス9型(AAV9)抗体の測定
(脊髄性筋萎縮症におけるオナセムノゲン アベパルボベクの適応を判定するための補助)


臨床的意義

抗AAV9抗体の抗体価が⾼い患者では、抗AAV9抗体の免疫応答によって「ゾルゲンスマ」の遺伝⼦
治療効果が阻害される可能性や副作⽤が起きる可能性があります。
そのため、「ゾルゲンスマ」は抗AAV9抗体が陰性であることが確認された患者に限って承認されました。
今回承認された「MEBCDX AAV9 テスト(以下、本品)」は、
「ゾルゲンスマ」投与前に抗AAV9抗体の有無を検査するためのコンパニオン診断薬です。

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2.測定原理(ELISAによる抗体検出系)


酵素標識抗体




患者⾎清由来 度

抗AAV9抗体 定



使⽤時にユーザーご⾃⾝で
ELISAによる抗体検出系の原理
AAV9抗原固相化を⾏います 抗原を固相化したマイクロカップに検体を添加し、抗原・抗体反応(⼀次反応)をさせま
【⽤時調製】 す。洗浄後、酵素標識抗体を添加して反応(⼆次反応)させ、抗体・抗原・酵素標識
抗体の複合物を形成させます。再び洗浄後、酵素基質と反応、発⾊させ、吸光度を測定
して検体中の抗体量を算出します。


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2.性能データ|第Ⅲ相臨床試験で使⽤されたELISA検査との⼀致率


対照法*
合計
陽性 陰性
⾎清検体20例を⽤いて
陽性 6 2 8
本品 対照法*と本品の判定⼀致率を検討したところ、
陰性 0 12 12
良好な⼀致率を⽰しました。
合計 6 14 20

*第Ⅲ相臨床試験で使⽤されたELISA検査
全体⼀致率︓18/20 (90%)
陽性⼀致率︓ 6/6 (100%)
陰性⼀致率︓12/14 (86%)


弊社試験データより



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3.株式会社LSIメディエンスにて5⽉8⽇より受託開始

脊 髄 性 筋 萎 縮 症 治 療 薬 「 ゾ ル ゲ ン ス マ ® 点 滴 静 注 」 投 与 前 に お い て 、 抗 AAV9 抗 体 の 有 無 を 測 定 す る
「MEBCDX AAV9 テスト」を⽤いた検査受託が株式会社LSIメディエンスにて開始されます。

本検査の受託は検査が保険適⽤されるまでの間、ノバルティス ファーマが実施する「検査結果無償提供プログラム」
のサポートを受けます。

【検査要項】


項⽬名称 抗AAV9抗体 報告様式 判定︓陰性、陽性
項⽬コード 27734 単位 ⼒価︓<1:25, 1:25, 1:50, 1:100, ≧1:200
材料 ⾎清 基準値 陰性 <1:25
検体量/保存法 0.3 mL/冷蔵 所要⽇数 3〜7⽇
検査⽅法 EIA(ELISA) 受託開始⽇ 2020年5⽉8⽇(⾦)


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