JR-141(パビナフスプ アルファ)臨床試験結果の論文掲載(Molecular Therapy)に関するお知らせ

2020 年 10 月 15 日
各 位




会 社 名 J C R フ ァ ー マ 株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 会 長 兼 社 長 芦 田 信
(東証第 1 部 コード番号 4552)
問合せ先 上席執行役員経営企画本部担当 本 多 裕
(TEL 0797-32-1995)

血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤
〔パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)開発番号:JR-141〕
臨床試験結果の論文掲載(Molecular Therapy)に関するお知らせ

当社は、血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用したムコ多糖症 II 型(ハンター
症候群)治療酵素製剤〔パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)開発番号:JR-141(血液
脳関門通過型遺伝子組換えイズロン酸 2 スルファターゼ) 〕について、この度、日本国内で
実施した臨床第 2/3 相試験結果を報告する学術論文が、米国遺伝子細胞治療学会 American
Society of Gene and Cell Therapy の機関誌 Molecular Therapy 電子版に掲載されました
のでお知らせいたします。本剤は、先駆け審査指定制度下において本年 9 月に日本で製造
販売承認申請済みです。 今後、 ブラジル連邦共和国での製造販売承認申請およびグローバル
臨床第 3 相試験の開始を予定しております ClinicalTrials.gov Identifier: NCT04573023)
( 。
本論文の概要は以下の通りです。

 論文タイトル:
A Phase 2/3 Trial of Pabinafusp Alfa, IDS Fused with Anti-Human Transferrin
Receptor Antibody, Targeting Neurodegeneration in MPS-II

 DOI(Digital Object Identifier:デジタルオブジェクト識別子)

https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2020.09.039

 論文概要:
日本人ムコ多糖症 II 型 (ハンター症候群) 患者 28 名にパビナフスプ アルファ(JR-141)
を 2.0mg/kg 週 1 回、52 週間点滴静注し、その有効性と安全性を評価した。
・主要評価項目:脳脊髄液中のヘパラン硫酸(HS)濃度の変化量
・副次評価項目:①中枢神経症状に対する効果の神経発達による評価
②身体症状に関する血清中 HS,デルマタン硫酸(DS)濃度変化等
・結果
―JR-141 の 52 週間投与により、脳脊髄液中の HS 濃度は有意に減少し、中枢神経に
おける基質蓄積の持続的抑制を認め、従来治療法のなかった進行性神経変性に対す
る薬効が示唆された。28 名の投与患者中 21 名で神経発達の良好な変化を認めた。
―血清中の HS,DS 濃度、肝臓・脾臓の容積などの身体症状に関する効果は、既存酵
素製剤と相応するものであった。
―JR-141 と因果関係を有する有害事象は軽微ないし中等度で一過性であり、適切な
処理によって対応可能であった。
・以上から、JR-141 が血液脳関門を通過することが実証され、ハンター症候群の中枢神
経症状と身体症状双方に対するその有効性が示唆された。



以 上

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